MMOエロゲーやらソーシャルエロゲーが出てきたという話から、いわゆる「コンテンツ産業」としてのエロゲーについてちょこっと思うところを。マーケティングとか専門外なのに、どうもおこがましいことを書いてしまうのをやめられず、お恥ずかしい話です。と、先手を打って言い訳。まあラクガキ程度に考えて下さい。

あ、ちなみにここでいう「コンテンツ産業」というのは、一個の作品としてゲームを出すのではなくて、その中のパーツを切り売りしたり、逆に要素だけを抜きだして拡張して販売(たとえばキャラグッズとか)するような形式のことを意図しています。一般的なコンテンツ産業の用法とは、少し違うので、最初にそれだけおことわりさせてください。

▼「大日本学園戦国記」の話
PeasSoftさんのMMOSLG(18禁)、『大日本学園戦国記』の公開が、いよいよ4月に決定しました(公式サイト)。個人的にではありますが、非常に楽しみです。

ゲーム概要は「基本プレイ無料の多人数参加型戦略シミュレーション」。「大日本」という架空の舞台を24エリアに分割、更にそのエリアを50程度の領土にわけ、6つの「学園」で領地戦を展開するみたいです。「ブラウザ三国志」とか、あんな感じなのかな、たぶん。同じくエロゲー系ということなら、「メガミエンゲイジ」とかあっちに近いのかしら。エロ無いけど。

基本無料ではありますが、PCゲームとの連動企画や、当然「課金」システムもあるのでしょうから、 搾取 利益をあげるつもりはまんまんなのだと思いますけれども、おそらくはエロゲーとしては初の、かなり本格的なオンラインゲーム(本格的でないやつなら幾つかありましたので)ということで、期待と注目が集まっています。主に、私の中で。

※DMMさんのやつがある(たぶんロードオブワルキューレですよね)というコメントを頂きまして、ブラウザゲームという意味では確かにそうでした。やっぱり迂闊に「初の」とか書くと怖いです。失礼致しました。

ぶっちゃけ、結構面白そうですよね。Peasさんだけあって絵も魅力的だし。

ただ、幾つか問題があるとは思います。まず大きいのは、そもそもどのくらいの人数が参加するのかということ。基本無料ということでハードルは低いわけですが、あんまり少なすぎるとさすがに盛り上がらないし、あっという間に廃れます。逆に多すぎると、トラブルやらサーバーの負荷やらで、とにかく運営がキツいでしょう。当然その中で、どのくらい課金する客が出てくるかという問題もあります。この辺りは正直、フタを開けてみないと何とも言いづらいところではありますが、頑張って欲しい。

次に、上記と関係して、運営がきちんとできるのか。これはナメてるわけではなくて、オンラインゲームの運営というのはエロゲーと違って常時継続的に行わないとなりません。サーバーのお金だけでもそれなりに大変だというのは、素人でもわかります。加えて、ユーザー間のトラブルや不正対策、データの維持管理、定期的なアップデートにユーザーサポート、不具合の修正……と、相当のマンパワーも要求されるでしょう。そしてユーザーというのは、運営側の「頑張り」なんぞ気にせず、常に結果だけを求めてきます。運営がクソでも続けたく成るような、よほど魅力的なコンテンツを用意できるならともかく、そうでないなら信用を失うと厳しい展開が予想されます。

そして、「18禁」というハードルをどうクリアするのか(そもそも、流通に載せないからソフ倫とか関係ないのかもしれませんが、それでもアダルトコンテンツとしての責任は発生するでしょうから)という問題。こればっかりは恐らく、自己申告に頼るしかないのでしょうが……。まあ、中高生がやっちゃう可能性は低くないですよね。いっそ、課金しないとエロが見られないことにして、課金はクレジットカード限定とかにすれば(あるいはビットキャッシュのEXとか)、ある程度防げるのかな、とか思ったりします。

その他細かいことはいくつも思いつきますけれど、最初なので全部が全部うまくいくことは無いでしょうし、これから手探りでいろんなことに対処していくのでしょう。願わくは、この試みがうまくいって、新しいエロゲーのスタイルとして定着してほしい気もします。こういう「ゲーム」的なエロゲーというのは、対人要素があるほうが面白いですし、そして対人要素があれば、コミュニティができてエロゲー人口が増加するかもしれない。

もちろんこうしたコンテンツ産業化に伴う、さまざまな危険性は承知のうえで、それでもエロゲーマーの裾野を広げ、新しい道を探る挑戦は、無駄ではないと信じたいところです。

▼「ゆず・ぱら」の話
そしてもうひとつ、ゆずソフトさんのソーシャルゲーム『ゆず・ぱら』がスタートしました(公式サイト)。

こちらはバリバリのソーシャルゲー。なんてったってモバゲーです。「ゆずソフトのヒロイン総出演!かわいい女の子達と冒険しよう!」ということで、かなり気合の入った有名ドコロの絵師さんたちが描いた、ゆずヒロインたちのイラストカードを集める……のが目的でいいのかな?

モバマス形式かと思ったらまさかのアクションだったので、対人要素とかは無さそう。ひたすら自分で成果を積み上げていくタイプのゲームではないかと思います。ギルドというのがあって、それで他のプレイヤーと交流したりもできるみたいですね。説明を見る限り。(メンテナンスで全然入れなかったので……)

ちなみに、このゲームも18禁です。つまり、ソーシャルエロゲーです。モバゲーのシステムよくしらないんですが、携帯電話とかの認証で18歳未満は弾けるのかな? だとしたら、かなり精度の高いブロッキングができますね。単なる自己申告なら、やっぱりお察しでしょうけれども。

それぞれの絵師さんによるエロ絵が拝めるとか、そういうことになればゲーム以外の部分でコレクション要素がでてくるのかもしれませんが、正直、現状(あんまり面白くなさそうな)アクションゲームとゆずソフト単体のヒロインたちでどこまで集客力があるのかは未知数だと思います。

ただ、なんだかんだでゆずソフトさんは魅力的なコンテンツをつくる力に長けているし、今後ゲームソフトとも連動させたりもあるでしょう。どういう風に展開していくのか楽しみではあります。

そういえば話はとびますが、ゆずソフトさんの作品ってアニメ化とかしてないんですよね……。絵師のお二人が思い切りライトノベルとかでも活躍されているので、ソーシャルやアニメのメディアミックスでもっと「一般」にシフトしてもおかしくないと思うのですが、18禁側で頑張ってくださっているのはエロゲーユーザーとしては嬉しいし、今後も応援したいところです。

ちなみに「ゆず・ぱら」というのは「ゆずパラダイス」かと思っていたら「ゆずソフト・パラレルヒロインズ」の略称だそうです。

▼コンテンツ産業としてのエロゲー
後は割と適当な話というか自分の話になりますけれども、最近「モバマス」をはじめて、先日とうとう課金してしまいました。といってもガチャではなくてドリンク(体力回復して行動回数を増やす)飲んだんですけど。

以前ゆず茶さんが「モンピース」にどハマりした記事を書いておられて、そのことが鮮明に思い出されました。これが射幸心を煽るってやつか……!

で、どうしてそういう風になるかというと、やっぱり「競う相手」がいるからなんですよね。正直モバマスって、ゲームとしてみたら単に画面タップしてるだけです。無課金だったらやれることが限られているけど、課金しても基本そこはかわらない。だからもし、これが「自分一人」でやるだけのゲームだったら、一時的にコンプ欲とかで時間を費やしたとしても、2ヶ月か3ヶ月で飽きるんだろうな、と。RPGのレアアイテム集めみたいな感じで。

それが続けられる/続いてしまうのは、一緒にやっている「誰か」の影が常に見えるからです。「誰か」というのはゲームの外で(たとえばツイッターなどで)話す仲間の場合もあれば、ゲーム内で成果を競い合うライバルかもしれない。ただ、こういう消費型コンテンツ産業というのは間違いなくコミュニケーションの手段であり、ゲームそのものとユーザーの関係で自足するというより、ユーザーどうしの関係をゲームが取り持っているような感じがある。それが、現時点でモバマスやってみた私の実感です。

で、そうやって考えた時に、私にとってのエロゲーっていうのは「そういうもの」では無いな、と。

ことわっておきますが、これは善し悪しの話ではないです。単に、私は周りにエロゲーやってる人とか誰もいなくて、ネットとかもなくて、せいぜい外との繋がりといえば雑誌くらいという状態でも二年くらいエロゲーを続けていて、ちっとも飽きなかった。コミュニケーションの道具としてではなく、エロゲーをすることそのもので自足できるタイプの人間だったし、そういうものとしてエロゲーがありました。

いまはイベントにいったりグッズ集めたりしていて、それは確かに「コンテンツ」としてエロゲーを消費しているんですが、根っこにはそうではない部分というのが確かにあって、それはたぶん、揺らがない。ソーシャルゲーの面白さ、MMOゲームの面白さと、私が作品としてのエロゲーに感じている面白さというのは、根本的な部分で違っているという感じが、漠然とですがいたしました。

さっきも言ったけど、どっちがいいとかわるいとか、優れているとか劣っているとか、そういう話ではありません。ソーシャルはソーシャルで、私楽しいですし。新田ちゃんかわいいお。(^ω^)ペロペロ。

むしろこういった動きによって、さきに書いた通り、エロゲー業界が活性化したり、あるいはソーシャルやMMOの収益を利用して「作品」を作っていくという形式ができあがれば、多少現在言われている「難局」を乗り切る手がかりになるのではないかと思ったりもします。どうせコンテンツを切り売りするんですから、「グッズ」の一環としてわりきって、キャラクターをがんがん売り、消費するシステムを、作品とは別につくる。あくまで一つの見通しですよ。それが良いってわけじゃない。

実際それなりに心理的な抵抗がある人もいるかもしれないし(カードゲームにまでなってんだからそうでもないか……)、各メーカーが単体でやっても効果は薄いと思う。やるなら、まず何か悪いイメージみたいなのを払拭しつつ、いくつかのグループをつくって……という風なのが良いんだとは思いますが、上記二作品の成功如何では、そういう感じの動きとかが今後活発になっていくかもしれませんね。

まあただ願わくは、乱立しながらも躍進を続けるコンテンツ産業形態の中に、既存の作品としてのエロゲーが埋もれていって、見えなくなってしまうことがないと良いなぁとは思います。提供側の問題としてだけではなく、受取る側の問題としても。


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【拍手へのお返事】
コメントありがとうございました。レビューは、自分の話ばっかりで情報としてどうなのかなーとか悩むこともあるのですが、楽しんでいただけていると言われると励みになります。

これからもぼちぼち続けていくつもりですので、どうぞよろしくお願いします。


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