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漫F画太郎 『罪と罰』 第3巻
新潮社、2012年10月15日

一巻を読んで唖然とし、二巻を買って大笑いした挙げ句読まずに放置。そしてこの三巻を買ってきたのであるが、もう認めるしかあるまい。

漫画太郎は天才である。

あ、割とマジで言ってます。というかそんなの前からわかってましたよね。ただ、今回のこれは凄いなー。「乞うご期待」だけで見開きぶちぬいて使ったり(「乞う」で1頁、「ご期待」でもう1頁)、完全コピーで7頁済ませたり、フリーダムここにきわまれりという感じです。それでいて、ちっとも損をしたという気がしない。画太郎先生の芸風だとかそういう話ではなくて、これら全ての行動に意味があるように思えてくるから不思議です。

……たぶん気のせいだと思いますけど。

ま、まあオビで板垣氏も言っていますしね。「この手法、怠慢なのではない。無謀な”挑み”なのだ」とかなんとか。そんなこともあるかもしれません。

しかし、ょぅι゛ょの売春婦の名前とか、これ大丈夫なんですか。本宮先生だけでは飽きたらず、スタジオジ○リにまでケンカを売って無事で済むとはとても思われないのですが……。いやもう、ホントにある意味で命かけて描いておられますよね。すごい。

なお、例の如く巻末には吉田大助氏(文春のライターさんかな?)による「超読解 罪ト罰」なるコラムがついています。小さい文字でびっしりと、原作とこの漫画との対応や、表象分析を行っている。大まじめなようでいて勘所をはずしまくっている感もあるんですが、たぶんそういうの全部含めて壮大なネタとなっていて、かなり完成度が高いです。お薦め。

なんたってラストに「ドストエフスキー様からのお告げにより突発的に本編の内容が変更されたため、一部コラムの内容と食い違う点がございます。何卒ご了承ください。【編集部】」って書いてあるくらいですから、コラムニストの方も大変です。

まーでも今回は凄かった。何が凄いってなかなか口では言えないので、もうこれは買ってくれと言うしかないんですが、すごい。唸ります。何か含蓄がありそうで何もないように見えるけど、何もないと思って読むと何かありそうという、この地獄巡り。

真面目に言えば一番平板な解釈としては「漫画業界を含む既存の文化社会をコケにしまくってる」んだと思いますが、そのバカにするという行為自体もバカにして、結局行き着く先はいつものオチという。色々考えさせて最後全部うっちゃるまでのプロセスが余りに秀逸でした。これほどキレてる画太郎先生は久々です。

こう言うのを読んだ後に『美味しんぼ』とか読むと楽しいだろうなあ。

ちなみにトップに写真を載せたリーフレットは、K-BOOKSさんで購入特典として頂いたものです。普段リーフレットはかなり丁寧に扱われるのですが、今回は店員さんがもの凄く乱暴な手つきで袋に入れてくれたのが印象的でした。

というわけで『罪と罰』画太郎版、おすすめ……ではないけど、画太郎先生のノリがいけるなら楽しめると思います。たぶん。

それじゃ、また明日。

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