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タイトル:『~淫蟲和伝 怪蠱録~ 』(48Te/2012年6月29日)
原画:熊虎たつみ
シナリオ:若林浩太朗、瑞守ねおん
公式:http://www.yatanootori.com/48te/kaikoroku/index.html
批評空間レビュー投稿:済 → ネタバレ無し
定価:3000円
評価:E(A~E)

※具体的な内容に踏み込んだ長文感想(内容紹介)は、批評空間さまにて投稿しております。ご関心あれば上記リンクよりご覧下さい。

◆評価について
Yatagarasuブランドはデビュー当初から応援していますし、以前にも書いた通り『ObsceneGuild』のユーザーキャンペーンで原画のTEL-O氏のサイン入りポスターとか頂いている恩もあるので心苦しいのですが、駄目なものは駄目、ということでこの評価。糞ゲーだと書きましたが、作品それ自体は普通より手を抜いたADVという感じで、言うほど酷いわけではありません。ただ何というか、作品に対する姿勢が駄目だと思いました。

超絶上から目線で恐縮ですが、なぜそう思ったのかは批評空間の感想に書いてありますので、ゆえあるものか言いがかりかの判断は、お読み頂いた皆さまにお任せ致します。

◆攻略
回想をひたすらクリックすれば全部埋まっていきます。特に選択肢があるわけでもないので、省略。

◆雑感
忍者、巫女、剣士の3人を触手でビョルビョルする……という話は私のストライクゾーンど真ん中なのですが、思ったより触手シチュが少なく、村人やら領主にやられるパターンが半分くらいを占めました。また、触手の描写が結構いい加減というかあんまり気合い入っていなくて拍子抜け。ぶっちゃけ看板ほどターゲットとなる層を絞り込めていない気がします。

いつぞや、「ニッチな層狙いのエロゲーは最低売上が確保できて楽そうに思うかも知れないけど、ニッチになればなるほどちょっとした趣向の違いでそっぽを向かれるからそのぶん大変なのだ」みたいな話を聞いたことがありますが、ホントにそんな感じ。

システムは「回想型ADV」という名前の通り、ひたすら回想シーンを選択するだけ。感想にも書いたとおり、Hシーンの間を繋ぐストーリーパートは一切無く、したがってそこで使われるべき立ち絵や背景画像もありません。かなり思い切ったことをやったと評すべきか、そうとう手を抜いてコストダウンしたなと言うべきか難しいところですが、私は後者と判断しました。

その判断の正否を抜きにしても、圧倒的に描写が不足していてちっとも興奮しません。たとえば薙結は、「強さ」と「使命感」をきちんと出さないと堕ちた時のエロさが出ないタイプですが、日常パートがまったく無いので、単にひたすらボコボコにされていいように犯されるだけのキャラになってしまっている。Hシーンの連続でいくにしても、最低限示すべきキャラの性質というのはあるはずで、それを悉くすっとばしてHだけ描かれてもなぁ、という。

たとえるなら、エロ小説で挿絵のあるページだけを抜き出して並べただけの作品になっていました。そして、「それで良い」と開き直っているような宣伝文句をひっつけているのが、他の多くのADVに対して失礼である(その部分での創意工夫を余りに軽く見すぎている)というのは、感想で述べた通りです。

なお、マニュアルがどこにあるか非常にわかりにくいので、写真撮ってみました。先日の記事で書いた新しいカメラ(S100)買ったせいで、使いたくてウズウズしてます、すみません。

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さて、どこにマニュアルはあるでしょう?

これがケースをひらいたところなのですが……。まあこの写真だと判りにくいかもしれません。ちょっと拡大してみます。

6c2fce40.jpg

ケースの隙間、白い部分に注目。


はい、というわけでどうやらパッケージイラストの裏に、何やら文字が印刷されているのが見えます。何のメンションも無しにやられても、こんなの普通気づかないだろという……。

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引っ張り出すとこんな感じ。経費削減なのかエコなのか知りませんが、ちょっと不親切だなと思います。いやまあ、マニュアルついてるだけ立派という考えもできるし、正直あってもなくても大差ないようなマニュアルなのですが、なんでこんな風にしたんでしょう。それとも私が知らないだけで、このパターンっていま流行っていたりするんでしょうか?

付け加えるなら、黒いボックスではなくて『ChuSinGura-忠臣蔵-46+1』のように、透明のパッケージにしていれば見落とすことは無いし、いちいち紙をとりださなくてもマニュアルを見られたのに、と思います。これはさすがに普通の感想ですよね……?

ってなわけで大変残念なことになった本作ですが、好みのシチュエーションを出してくれそうなのでブランド自体は応援していますし、本家Yatagarasuさんの『古色迷宮輪舞曲』も楽しみにしています。ただ、作品自体はやっぱり良くなかったのではないかということ。聞いてもらえる、もらえないにかかわらず、そのことはユーザーとしてきちんと意見しておきたいと思います。

というわけで本日はこれまで。また明日、お会いしましょう。

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