kakushidere01
ひょころー『かくしデレ』(ヒット出版、2012年) ※18禁

エロ漫画のレビューは初めてですね。わるい子のみんな向けです。よい子はみないでネ。

2008年にデビューした、氏の4年ぶんの作品をまとめた単行本。正直あんまり期待してなかったのですが、ビックリするほど良かったです。女の子がかなり可愛らしく、特に2011年以降はぐっと綺麗に。表紙のイラストも良いのですが、中身のほうも負けず劣らず。線がはっきりしていてスッキリした絵なのに、肉感とか質量が薄っぺらになっておらず、基本画力の高さがうかがわれます。カバー裏にある「あとがき」(印刷スペースが無かったらしいです)によれば、デビュー後に「商業誌でコレはいかん」と思い、修行しなおしたとか。なるほど初期と比べると、随分メジャー受けしそうな絵柄に。

ただ、絵もさることながらストーリーが面白い。それほどひねった話ではないけれど、導入・展開・オチとしっかりしています。今回要約をしてみると、凄くやりやすかった。

勿論エロ漫画ですから、それぞれの話で中心となる軸がストーリー漫画のようにばしっと決まっているわけではありません。しかし、魅せたい女の子のキャラクターとシチュエーション、それにあわせた枠組みの固め方が上手だな、という印象。たとえば痴漢ものの「誰恋トレイン」なら、単に痴漢をすればいいとか痴漢を盛り上げるためのシチュエーションを盛り込むだけでなく、「誰か判らない相手に痴漢を迫られる」という部分をうまく絡めて、展開に起伏を付けています。それを最後は、スッキリした落ちにもっていくので、読後感が良い。本巻中唯一、ちょっと暗めの話だった「うわきなトコロ」も、ほどよいダークさに仕上がっていました。ライトコメディで押すという作り手のコンセプトに、「寝取り」のようなシチュエーションですら、その本質的な背徳さを損なわずに引き込んでいるのが見事でした。

上にちらりと書きましたが、和姦中心。というか無理犯りはほとんど無し。ただ、シチュエーション的にはそういうのもうまく取り入れていました。女の子達はどっちかというと巨乳気味で貧乳は無し。ロリ系も1人と、割と成長したキャラがお得意みたいです。掲載雑誌のカラーかもしれないので何とも言えませんが、頭身高め、大人っぽいキャラのほうが生き生きとしていた感じ。

まあ、何にしてもエロいしカワイイし面白いしで、言うこと無し。

後は、収録された各ストーリーがどんなものだったか簡単に紹介して終わりたいと思います。

◆かくしデレ
滝沢家にやってきた、弟・弘明のクラスメートは、ポニーテールがトレードマークの美少女、野ヶ浦ののか。妙に滝沢(兄)に挑発的で突っかかってくる。売り言葉に買い言葉で2人の喧嘩はエスカレート。結局最後は、ののかをベッドで犯すことに……ってあれ、なんでそうなるの?? どうやらののか、滝沢(兄)に惚れていたようで、犯してもらいに来ていた模様。ベッドの上で必死に快感と嬉しさをこらえながら、ツンツン強がってみせる姿が最高にかわいいののか嬢。強がり娘が照れながら悶える姿が好きな人は必見です。

◆誰恋トレイン
残業を終えて帰宅途中の会社員・亮。終電を待つ駅で遭遇したギャル系の可愛い女の子。電車を待つ姿を後ろからのぞき込むと、なんと彼女は痴漢ものの携帯小説を書いていた。しかも彼女は、なぜか亮のことを知っているようで……? 知り合い「らしい」なぞの謎の彼女に請われるまま、亮は「取材」と称した痴漢プレイをすることに。謎のかわいこちゃんと車内で背徳プレイ。燃える展開に、オチもきっちりついてなかなかの良作にしあがっています。

◆いっしょに!
卒業を控え、最後の作品の完成に執念を燃やす漫研部の部長。そんな彼を好きな後輩の副部長・市井ハナ(メガネっ娘)は、去ってしまう部長に寂しさを感じつつ手伝いを申し出る。深夜の部室で互いの想いを告白しあった2人は盛り上がってそのままお楽しみに突入。途中顧問の教師に見つかりそうになりつつも、想いを遂げた2人の行く末やいかに。

◆妹チョコH
容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群のツインテール女・高岡美咲。ただし、性格に難アリ。彼女の義理の兄・高岡誠は日頃から性格の悪い美咲にバカにされ続けてきた。ところが2月14日、バレンタインのムードを嫌って部活をさぼって誠が帰宅すると、誠の部屋で美咲がひとりエッチをお楽しみの真っ最中。驚く誠に、テンパった美咲が勢いで本心を告白して……。ベタベタの展開ですが、それだけに破壊力は高め。ひねらない話でもきっちり仕上げれば楽しめるという好例です。

◆初×初シンドローム
一学年上の黒髪美少女、三橋ちづると付き合いはじめた大樹。期末テストの勉強を見て貰うことになって、彼女がひとり暮らしをするアパートに招かれる。彼女の部屋に招かれてウキウキのはずが、大樹の心を占めるのは学校のイケメン教師、池田先生とちづるが不倫関係にあるという噂。噂の真偽を確かめようと思い切って話を切り出した大樹にちづるは――。タイトル通り、「ウブ」な2人の微笑ましいラブストーリー。「ファーストキスだったのに、大樹君のせいで鼻水の味になっちゃったよ」というセリフが魂を揺さぶります。

◆花と豚と定食と
定食屋チェーンでアルバイトをする巨漢デヴ、鈴木。バイトの帰り道、常連のロリ系花織桜子に、格闘ゲーム「ストリート的ファイティングPortable」(ストポー)で勝負を挑まれる。曰く「これで対戦して私が勝ったらお付き合いしてもらえませんか」。罠か夢か美人局かと疑う鈴木だったが、どうやら本気らしい桜子と勝負。男らしく負けた鈴木は、桜子とHすることになるのですが……。お互い初Hで純愛物語のハズなのに、トロルがロリ魔女を無理犯りしているようにしか見えないのは、私の心が汚れてしまったからなのか。まあ、そんなこんなでアンバランスな2人のお話。ちなみに桜子は、ロリだけど結構胸があります。というかここまでつるぺたキャラいないですね。

◆シス☆コン
ドジで可愛い義妹の結衣。父母が海外旅行に行ったタイミングで、「バージンはおにいちゃんにあげるって決めてたもん!!」と義兄(目つきが悪くてエロゲー大好き)に衝撃の告白。モテなく、さえなく、ひねくれ者の義兄でも、結衣にとってはかっこよくてやさしくてたのもしいお兄ちゃん――。という告白に胸を打たれたのか、エロゲー大好きな義兄的にエロゲーシチュエーションに燃えたのかは定かでないが、そのまま結ばれたきょうだい2人。オチはまんま昼ドラでした。

◆みゆき~漫画道~
部費に窮した漫研部。起死回生を図り、即売会でエロ同人を売ることに。問題は、経験の無いみゆきには何をどう描いて良いか解らないこと。そこで、同じ部でエロ漫画大好きなあゆとエロ漫画合宿をひらくことに。ところがあゆは、他の男子部員たちも合宿に招待して、全員に媚薬を盛る暴挙に。そのまま合宿は大乱交パーティーに発展、というお話。2008年と収録作中で一番古いためか、線も太く、絵柄はちょっと違います。エロシーンの躍動感とかコマ割りは現在に通じるものがあるので、多少の違和感に目をつぶれば充分楽しめる内容。

◆うわきなトコロ
恋人・宗太郎に浮気されたと勘違いした貞淑な美女・梢。動揺と不安で正常な判断を失ったところに変な勢いがついて、宗太郎の友人で大嫌いなチャラ男、英二とラブホへ行くことに。「本番はダメ」という約束のハズが、胸、お尻と責められて蕩けさせられ、とうとう……という話。浮気した宗太郎を怒るより、浮気相手の女性が自分と真逆であることを不安がったり、恋人を想いながら間男に抱かれる梢の描写が秀逸。特に、途中で宗太郎から電話がかかってきてフラフラしながら携帯を取りに行くところはすっごいエロかったです。後味もそこまで悪くなく、これまで体験してきた寝取りものの中でもトップクラスに好きかもしれない。個人的には本巻の中で一番のお気に入り。

◆デレ隠し
最後に載っているおまけカラー漫画。「かくしデレ」の2人が動物園デートに向かう途中、バスの中で盛り上がってしまって途中下車。そのままトイレで一仕事。4Pですが充分起承転結がついていて、ひょころー氏の構成の上手さがにじみ出ている一本です。

ということでまとめでした。販売店舗によってはオリジナルの小冊子が付いているので、目当てで何冊か買うのも良いかも。私はメロンで購入したのですが、とらでも買おうか真剣に悩んでいます。キャラとしては「初×初」のちづる先輩か「かくしデレ」のののか嬢が好きなのですが、漫画的に一番良かったのは「うわきなトコロ」かなあ。引け際も抜群。作風はこの中では異質なのですが、このタイプの話を今後も是非続けて欲しいと思います。

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こんな感じの小冊子が特典でついています。内容は収録作の後日談的エロ漫画。

というわけで本日はこれで。また明日お会いしましょう。あー、明日は月曜日か……。

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