ハンカチとか衣類をには、「シルク100%」というのがあります。ところが、同じシルク100%でも値段が全然違っていたりする……。安いのはだいたい、生産国が中国だったりするので人件費が安いおかげなのかな、と思っていたのですが、どうもそればかりではない、という話を先日アパレル関係の友人から聞きました。

面白い話だったのと、なるほどねーと思ったので少しご紹介。もっとも、ウラをとっていないまたぎきの内容になりますから正確性とかはお察しですし、話半分程度に考えておいてください。

私は絹製品の作り方とかよく知らないのですが、だいたいの場合、織るときに生糸を何本か結合わせて太く丈夫にするらしいんですね。 で、中国で作っているもののほとんどは、コストカットのためにこの生糸の本数が少ないのだとか。たとえば、日本なら5本の糸を結あわせるところ、中国では3本結あわせるだけになる。そのかわり、薬品につけて糸を太くし、見かけ上一本の結糸の太さは同じになるのだそうです。つまり、使う生糸の本数が相当変わってくるわけです。

ただ、これは必ずしもごまかしているとか不正をしているというのではなく、たとえばイタリアなんかの絹製品の場合は、やっぱり薬品に浸して太くし、4本結いで織ったりする。そのほうが、色鮮やかで光沢のある表情の絹織物になるからだ、ということでした。要するに、製品の特徴の1つ、くらいに考えたほうが良さそう。

ただ、中国産の製品の多くが3本結いになるのはやはりコストカットの側面が強いのも事実だそうです。理由は、中国が安価な品物を作るのに向いているから。

なぜかというと、まず人件費が安い(最近は高くなってきたみたいですけど)。そして、労働者の質が低い(共産主義の影響もあってそもそも労働意欲が低いのと、機械系の工場などにくらべて賃金が安く、意欲的で能力も高い労働者があまり集まらない)こともあって、そもそも質の高い製品を作るのにあまり向かない。それなら、「安くて質はそこそこ」のものを量産したほうがいいだろう、という判断みたいです。少なくとも私の友人の勤め先は。

つまり、中国産の「安かろう・悪かろう」というイメージは日本の企業の側で作っている部分もあるわけですが、とはいえ、実際中国工場でトラブルが多いのも事実なのだとか。同業他社を見渡すと、タイやマレーシア、シンガポール、バングラディシュなどにも最近は工場を作って生産を行っているそうですが、こちらの労働者たちは比較的生真面目で、指示通り作業をこなしてくれるため、同じ糸を使っていても製品の出来上がりが中国より良いことが多いそうです。

要するに中国工場では、「労働者の意欲が低い」→「良い糸使っても良い製品ができない」→「安価な糸で安価な製品を作るようにする」→「賃金あがらず労働者の意欲もあがらない」という悪循環が続いているそうで、今後しばらく、この状態は続くのではないかという話でした。じゃあ、東南アジアとかで高級製品を作るプランはあるのかというと、やってやれないことはないだろうけど、ブランドイメージがあるから現状では難しいかな、みたいな返事でしたが。

まあメーカーとしては「中国の労働者が悪い」ということになるんでしょうけど、話を聞いてる限りでは、待遇改善したら意欲的に働いてくれる可能性は当然あるし(実際それで成功している例もあるみたい)、中国にある程度高級ブランドを作っていくという方針もありえたとは思うんですよね。それをやらず、生産植民地みたいなことにした企業側の責任というのも、ある程度は考えないといけないように思われます。現地に産業を根付かせるのは、現地の人びとの責任だと言われればそれまでですが。

結局のところ、質を気にするなら中国産よりも他国のを買うほうが良い場合が多い、というベタベタなところに落ち着く話になってしまいました。