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ブランド: すたじお緑茶
定価: ¥8,800 (税込¥9,504)
発売日: 2014/09/26
ジャンル: ADV
原画: るちえ、広瀬まどか(SD原画)
シナリオ: 氷雨こうじ、まとま
OHP: 南十字星恋歌

▼批評空間投稿レビュー(―点): 未投稿
※攻略は本記事の末尾。 

 《ブログ用評価 S~D》 (S=非常に良い A=良い B=普通 C=やや難あり D=む~り~)
絵: A (ハイクオリティ。キャラの可愛さがしっかり出ている)
話: C (シナリオは違和感だらけ。しかも主人公が思慮浅く、しかも場当たり的にヒロインにとって「都合のいい男」になるので、魅力的に感じない。キャラの掛け合いなど場面場面は面白い)
演: A (BGMが非常に良い。また、グラフィック面でも各章ごとにOPとEDムービーが入るアニメ形式や、立ち絵の表情変化など、画面に動きをつけている)
H: B (後半雪崩のようにエッチシーンが連続するせいで、いまいちムードに欠けるが、量や声・構図のような形式的な部分ではじゅうぶん要件を満たしている)
他: B (主題歌関連が非常に充実している。初回特典ボーカルコレクションCDがないと、音楽モードで歌が聞けないのはやや不便)
総合: B (細かいところが気になりだすとダメ。頭をからっぽにして、魅力的なキャラクターが動き回るのを愛でるのが良いだろうか)



ストーリー(げっちゅ屋さんより)
主人公・砥部亮輔 (とべ りょうすけ) は、アルバイトをしながら双子の妹・れな とりなを養っている苦学生。しかし無理が祟ったのかバイト中に倒れてしまう !?

そんな兄を心配した妹たちは、飛び級で大学課程を終えたその才能を活かし、南国の島国・グインベルン公国の研究施設に就職するのだった。

こうして南国の島での不自由ない生活を手に入れた亮輔だが、転入した学園では “特待科” なる型破りな学生が集められたクラスで過ごすことになり……。

進行は、短い章にOPとEDをひっつけて何度も繰り返すアニメ仕立て。質の高いテーマソングを繰り返し聴けて、耳福です。

荒唐無稽を絵に描いたような話なんですが、最後まで舞台設定やストーリー展開に「地に足の着いた」感じが生まれることがありませんでした。グインベルン公国の制度や文化が説明はされるのだけれど、主人公たちのいる「学園」空間はほとんど異国であることを感じさせないし、都合のいいときだけ「ここは異国だから」というのが入ってきて、なんだかスッキリしません。

物語は平和な学園ものと思いきや、メインヒロインである公国の姫・香乃梨の進める近代化政策を巡ってなにやらきな臭い話がもちあがり、中盤以降政治的な対立や公国の「秘宝」を巡る国際社会の陰謀に巻き込まれるという、シリアス路線にシフトしていきます。

ただまあ、正直これが失敗したかなぁという感じ。

シリアスな話にするのなら、やっぱり内容的にはしっかりしたものでないといけません。「もっとこうすれば解決するんじゃ」とか、「いやいや、そこはさっさと相談しようよ」とか、読み手からガンガンつっこみが入るのは良くないと思うんですよね。ちょっとくらい勇み足なところがあるのはハラハラ要素として楽しめるけど、毎度毎度「何やってんだバカ!」と思ってしまうとストレスになるというか。

刑事ものや探偵もので、主人公の刑事や探偵がミスばっかりして事件がなかなか解決しない……というのでは緊張感は無いし、フラストレーションが溜まるでしょう。主人公たちは、読み手の想像を超えるような活躍を見せてくれるけれど、なお相手がそれを上回っている……という状態だからこそ、心躍るサスペンスの楽しみがあるわけでして。そこがうまくいってないから、どうも中途半端な印象しか受けませんでした。

香乃梨ルートにはロックがかかっていて、他の4ヒロインを攻略して、公国をとりまく現状や人間関係があらかた見渡せると「真実」にたどり着ける構成になっています。ただ、これも「少しずつ事実が明らかになっていく」爽快感みたいなものはなくて、単に香乃梨とハッピーエンドを迎えるための事務手続きをしているだけ、みたいな作業感のほうが勝っていました。

というわけで、シナリオ面では作り込みの甘さというか、構成の弛さみたいな部分が目立ちましたが、キャラの掛け合いなどのコメディパートはいい意味で破壊力抜群
 
各キャラの個性がきちんとあって、それを魅力的に打ち出すエピソードが散りばめられています。また、基本的にみんな亮輔(主人公)が大好きなうえに一つ屋根の下(学園の寮)で過ごすことになるので、牽制しあったり対抗誘惑合戦が起こったり、ハプニングでラッキースケベ連発したり……と、お約束をおさえつつハイテンションが加速していく感じは、読んでいて素直に楽しかったです。

ヒロインでは、都と咲弥が可愛かったかな。特に都は、お兄ちゃんラブラブモードに突入する前のすなおになれない時が最高でした。

シリアス路線をもう少しコンパクトにまとめるか、いっそ学園ラブコメで押し切ればよかったと思う。結果論になるかもしれませんが、ストーリー的な「山場」を、事件に頼るのではなく感情の揺れ動きに持っていったほうが、今回のような作品では正解だったのではないかという気もします。

とはいえ(不満点はあるものの)、それなりのクオリティーを保った作品なのは確か。期待の方向や楽しみ方さえ間違えなければ、じゅうぶんな内容です。あと、BGMに非常に気に入った曲が多くて、個人的に満足しました。



【攻略】
攻略ヒロインは5人。
香乃梨ルートにはロックがかかっており、他4人を攻略することでルートに入る選択肢が出現。

※なお、下記攻略は確実な再現を約束するものではありません。誤りなどあればご指摘ください。
 
選択肢1
香乃梨 → 香乃梨ルートへ → 香乃梨のBADEDへ(「BAD」というのは便宜上私がつけただけです)
エリーゼ → エリーゼルートへ → そのままエリーゼED
魅月 → 魅月ルートへ → そのまま魅月ED
都 → 都ルートへ → そのまま都ED
咲弥 → 咲弥ルートへ → そのまま咲弥ED

選択肢2 (香乃梨以外の全ヒロインを攻略すると選択肢が出現)
魅月数式の解:魅月は起きてくる → 選択肢3へ
魅月は寝たまま → 香乃梨のBADEDへ

選択肢3
都DNA鑑定:都が監視している → 選択肢4へ
都は監視していない → 香乃梨のBADEDへ

選択肢4
エリーゼ決意:れなとりなを護る → 選択肢5へ
やはり香乃梨に任せる → 香乃梨のBADEDへ

選択肢5
咲弥公国地下のデータ:スパイを見つける → 香乃梨のハッピーED
スパイが見つからない → 香乃梨のBADEDへ

攻略は以上です。