これは個人的な話なんですが(かつ、たぶんあちこちで言われてはいると思う)、エロゲーやってて時々感じるのは、「全体の中でいま自分はどの辺にいるのか」が分からないということ。これ、結構私的には不便を感じるんです。

小説なら、見るからに「もう終わるな」とか「まだ中盤だな」とかわかります。映画でも、放映時間というのは決まってるから目星はつく。ドラマやアニメなら、「全N話」という枠があるので逆算可能です。

この「だいたいの目安」が見えているというのは色々便利。まず、ストーリー的に「たぶんクライマックスだな」とかいうのがわかるので、読む時に強弱をつけて読める。それに休憩も入れやすいです。「もうすぐ終わりそうだしあとひと頑張りしちゃおう」とか、「まだ中盤か……じゃあ明日にしよう」とか、ペース配分も決めやすい。作品を味わう以外のところで気を遣う必要性が減るのは嬉しいし、内容的に大きな工夫をしなくても形式によって山場を提示できるというのは、作り手にとっても良いことのように思われます。小説とかに較べると、物語の運びを外側から簡単に提示できないというのは随分不利な条件ですよね。

SLGやステージ攻略型ゲームの場合、長期的な「終わり」は分からなくても短いスパンでハッキリした区切りが見えているからこういう心配はあまりありませんし、RPGも「イベント」や「中ボス」のような工夫によってその辺をクリアーしています。

でも、エロゲー(にかぎらず、ADV系ゲーム全般)だとそうもいかない。週刊誌で連載されてるストーリーものの漫画が陥りがちな「この話いつ終わるの……?」的状態がずっと続くこともあり、そうするとやたら冗長に感じてしまったりすることも。ADV系作品でまっさきに攻略を見る人がいるというのは、単に選択肢総当りがめんどくさいというだけではなく、その辺がストレスに感じられるから「全体の中でいま自分はどの辺にいるのか?」を、簡単でもいいので知りたいという望みもあるのではないでしょうか。

フローチャート形式で自分がいるところがわかる、というタイプのADVはこの辺の問題を解消できていると思います。あと、一時流行った(今もそれなりにみかけますが)「第1話 宇宙から降ってきた少女!」みたいにアニメみたく章仕立てでストーリーを展開するやつとか、セーブ画面でイベントの名前が表示されるやつなんかはそこそこ目星をつけやすいですね。

ただ、「全体の中でいま自分はどの辺にいるのか?」を提示することが読み手のストレスを解消したり、作品を味わううえでの助けになるということは、現状、残念ながらあまり広く浸透していないように思われます。 もちろん、先が見えない中を手探りで味わうのが醍醐味という人もいるでしょうし、推理ものやパニックものは先が見えないほうが緊張感・臨場感が増すので良し悪しではあるのですが、オーソドックスな学園恋愛ものなんかの場合、「ポジションメーター」があると随分良いんじゃないかなぁ。そういうちょっとした工夫で、冗長感が消え、ぐっとひきしまった感じになるはず。

つけるタイミングが難しいというのは百も承知で、コンフィグのオプションから「シナリオ到達度メーター」などを任意に表示できるようなシステム(実際、それに類するものを表示している作品を幾つか見た記憶があります)を搭載してくれないかなぁとか思う次第です。