本日(2015年8月26日)付で、スクウェア・エニックスから発表がありました。
▼「和解による紛争の解決に関するお知らせ」(スクエニ)
両者とも内容はほぼ一緒。違っていても困りますが。
『ハイスコアガール』訴訟問題というのは、SNKプレイモアが「当社のゲームやキャラクターを守るため、今後も著作権などの侵害行為に対して」起こした訴訟。昨年の8月頃のことで、当ブログでも記事としてとりあげました。(『ハイスコアガール』を巡ってスクエニが刑事告訴された話。)
で、まあ「よかった」はよかったのですが、あくまでこの発表を読む限りで言えば、諸手を上げてばんざいとはいえないところもあるのではないかと。
結局今回の件、「誰がどう悪かったのか」についてきちんと説明がされてないと思うんですよね。果たしてそれでいいのだろうか、と。だってもともとは、「許諾をとらずに、とったようなことを書いて商業本にしているのは許さん」ということだったわけじゃないですか。許諾をとったのかとってないのか、とっていたのだとしたらなぜこんなことになったのか、そういう辺りは明らかにしてくれないとスッキリしない。(実際には株主総会とか、どこかできちんと説明がされている/される手はずになっているようなら済みません)
この事件に前後して発覚したこととして、セガの許諾も実際はとっておらず、セガが激怒したものの事後承諾のかたちで認められた、みたいな話がありました。その辺考えると、やっぱりスクエニ側としてはうやむやにして終わらせたらいけない問題なんじゃないかなぁ。
「今後、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会の創出を可能にするため」に早期解決しましょうって、身も蓋もない言い方をすれば金のために手打ちにしましょうってことですよね。で、その原因について説明しないっていうスクエニ側の対応はどうも……。SNK側も民事だけならまだしも、刑事告訴までしておいてそれはないんじゃないかという。
若干うーんとなるんですよね。いい加減すぎるというか。
あと、この「和解」ってのも曲者で、たとえばこちらの「ネットラジオBS@もてもてラジ袋」さんの記事(『ハイスコアガール』にSNKプレイモアがキビシイ理由)にも書かれている通り、SNKプレイモアはとにかく版権に厳しい態度をとるところなので(上のほうが変わったみたいでその辺今後どうなるかわかりませんが)、今回の件については何とかなっても、今後SNKがらみのネタを使いにくくなるとか、そういう話が出てくるのかもしれません。そういうことがないくらいきっちり話がついたんでしょうか。
という感じでいろんな「疑問」が残るわけですが、ともあれ連載なりアニメ化なりの動きが再開するのは喜ばしいことですし、作者の押切蓮介さんは完全に巻き込まれたかたちに見えるんで、ほんとお疲れ様ですという感じですが、長かった「休止」期間を取り戻すべく活力のある作品が出てくることを祈りたいところです。
▼「和解による紛争の解決に関するお知らせ」(スクエニ)
2015年8月26日和解による紛争の解決に関するお知らせ当社と株式会社SNKプレイモア(以下「SNKプレイモア」)との間で生じていた当社の出版物「ハイスコアガール」(以下「本件出版物」)に関する刑事及び民事の紛争(以下「本件紛争」)について、以下の通り2015年8月24日付で両社間の和解が成立しましたので、お知らせいたします。記1.本件紛争の経緯SNKプレイモアは、本件出版物が同社の著作権を侵害しているとして、2014年5月26日付で、当社及びその役員・社員を大阪府警察に刑事告訴しました。これを受けて、当社は、2014 年10月8日付で、本件出版物がSNKプレイモアの著作権を侵害していないことの確認を求める債務不存在確認訴訟を大阪地方裁判所に提起し、さらに、これに対する反訴として、SNKプレイモアは、2015年3月16日付で、本件出版物の出版差し止めを求める著作権侵害行為差止請求訴訟を大阪地方裁判所に提起しました。このたび、両社及びSNKプレイモアの大株主であるLedo Millennium Co., Ltd.(以下「Ledo」)の間で、今後、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会の創出を可能にするため、本件紛争を早期に解決すべきとの合意に至り、2015年8月24日付で両社間の和解が成立しました。なお、この和解に基づき、SNKプレイモアは、2015年8月24日付で上記刑事告訴についての告訴取消書を大阪地方検察庁に提出し、同庁に受理されました。両社及びLedoは、新たな協業機会の創出を通じて、これからもファンの皆様のご期待に沿うコンテンツの開発・提供に邁進してまいります。2.和解内容(1)SNKプレイモアは、上記刑事告訴を取り消します。(2)当社及びSNKプレイモアは、上記民事訴訟を各々取り下げます。(3)当社は、本件出版物の出版及び販売を継続することができます。3.今後の見通し本件和解が当社の業績に与える影響は軽微です。※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
株式会社SNKプレイモア(以下、当社)は、株式会社スクウェア・エニックス(以下「スクウェア・エニックス」)との間で生じていた同社の出版物「ハイスコアガール」(以下「本件出版物」)に関する刑事及び民事の紛争(以下「本件紛争」)について、以下の通り2015年8月24日付で両社間の和解が成立しましたので、皆様にお知らせいたします。記1.本件紛争の経緯当社は、本件出版物が当社の著作権を侵害しているとして、2014年5月26日付で、スクウェア・エニックス及びその役員・社員を大阪府警察に刑事告訴しました。これを受けて、スクウェア・エニックスは、2014年10月8日付で、本件出版物が当社の著作権を侵害していないことの確認を求める債務不存在確認訴訟を大阪地方裁判所に提起し、さらに、これに対する反訴として、当社は、2015年3月16日付で、本件出版物の出版差し止めを求める著作権侵害行為差止請求訴訟を大阪地方裁判所に提起しました。このたび、両社及び当社の大株主である Ledo Millennium Co., Ltd.(以下「Ledo」)の間で、今後、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会の創出を可能にするため、本件紛争を早期に解決すべきとの合意に至り、2015年8月24日付で両社間の和解が成立しました。なお、この和解に基づき、当社は、2015年8月24日付で、上記刑事告訴についての告訴取消書を大阪地方検察庁に提出し、同庁に受理されました。両社及び Ledo は、新たな協業機会の創出を通じて、これからもファンの皆様のご期待に沿うコンテンツの開発・提供に邁進してまいります。2.和解内容(1)当社は、上記刑事告訴を取り消します。(2)当社及びスクウェア・エニックスは、上記民事訴訟を各々取り下げます。(3)スクウェア・エニックスは、本件出版物の出版及び販売を継続することができます。3.今後の見通し本件和解が当社の業績に与える影響は軽微です。
両者とも内容はほぼ一緒。違っていても困りますが。
『ハイスコアガール』訴訟問題というのは、SNKプレイモアが「当社のゲームやキャラクターを守るため、今後も著作権などの侵害行為に対して」起こした訴訟。昨年の8月頃のことで、当ブログでも記事としてとりあげました。(『ハイスコアガール』を巡ってスクエニが刑事告訴された話。)
で、まあ「よかった」はよかったのですが、あくまでこの発表を読む限りで言えば、諸手を上げてばんざいとはいえないところもあるのではないかと。
結局今回の件、「誰がどう悪かったのか」についてきちんと説明がされてないと思うんですよね。果たしてそれでいいのだろうか、と。だってもともとは、「許諾をとらずに、とったようなことを書いて商業本にしているのは許さん」ということだったわけじゃないですか。許諾をとったのかとってないのか、とっていたのだとしたらなぜこんなことになったのか、そういう辺りは明らかにしてくれないとスッキリしない。(実際には株主総会とか、どこかできちんと説明がされている/される手はずになっているようなら済みません)
この事件に前後して発覚したこととして、セガの許諾も実際はとっておらず、セガが激怒したものの事後承諾のかたちで認められた、みたいな話がありました。その辺考えると、やっぱりスクエニ側としてはうやむやにして終わらせたらいけない問題なんじゃないかなぁ。
「今後、各社のコンテンツを利用した新たな協業機会の創出を可能にするため」に早期解決しましょうって、身も蓋もない言い方をすれば金のために手打ちにしましょうってことですよね。で、その原因について説明しないっていうスクエニ側の対応はどうも……。SNK側も民事だけならまだしも、刑事告訴までしておいてそれはないんじゃないかという。
若干うーんとなるんですよね。いい加減すぎるというか。
あと、この「和解」ってのも曲者で、たとえばこちらの「ネットラジオBS@もてもてラジ袋」さんの記事(『ハイスコアガール』にSNKプレイモアがキビシイ理由)にも書かれている通り、SNKプレイモアはとにかく版権に厳しい態度をとるところなので(上のほうが変わったみたいでその辺今後どうなるかわかりませんが)、今回の件については何とかなっても、今後SNKがらみのネタを使いにくくなるとか、そういう話が出てくるのかもしれません。そういうことがないくらいきっちり話がついたんでしょうか。
という感じでいろんな「疑問」が残るわけですが、ともあれ連載なりアニメ化なりの動きが再開するのは喜ばしいことですし、作者の押切蓮介さんは完全に巻き込まれたかたちに見えるんで、ほんとお疲れ様ですという感じですが、長かった「休止」期間を取り戻すべく活力のある作品が出てくることを祈りたいところです。