◆まえがき
ブログ「それなんてえrg」(@sorenanteerg)のぐぬぬ様の発起による企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」に参加させて頂くことになりました。面白そうな企画に参加させていただき、たいへん光栄です。かつ、最近エロゲーのレビューをほとんど掲載していないのに恐縮です……。お声をかけてくださったお友達に感謝。
企画の主旨は、ブログ持ちのエロゲーマーが好きな作品を3つ、フリースタイルで記事にする、というお話でした。難しい思惑があると私のようないい加減な人間は参加しづらいのですが、時間的なものも含め、非常に融通の効くかたちでありがたいなという。
本記事の末尾に、参加ブログ一覧と各記事へのリンクを掲載(予定)ですので、是非そちらも御覧ください。
◆記事を書く3作品
なんだかんだプレイしてきた年数は多い中で「3本」というのはなかなか難しい。あれもあるしこれもあるし……と迷ってしまいます。『淫妖蟲』『VENUS BLOOD』『秘蹟神姫アルカナセイバー』『魔法少女イスカ』『魔法剣姫アークキャリバー』あたりからピックアップして、抜きゲー縛り触手祭り……というのも考えたのですが、単なる性癖暴露となりそうだったので脳内会議で却下。
以下の3作品を3回にわけて掲載することにしました。(もしかすると1記事で3作品想定だったのかもしれませんが、分割OKとの許可をいただいたので。筆が遅くてすみません)
(1)『僕と、僕らの夏』(light、2002年)
(2)『White Album』(Leaf、1998年)
(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)
にしておきます。基準についてはしょうもない自分語り以上のものにはならないと思うので省略。もしかすると『鬼畜王ランス』(アリスソフト、1996年)か『無限煉姦』(Liquid、2011年)にどれか挿し替えるかもしれませんが、そのあたりは感触次第で。
というわけで、紹介していきます。
◆第一回:『僕と、僕らの夏』
○基本情報
…………間違えました。
こっち正解。
作品は3本出ていて、PC版オリジナル、DC版(追加シナリオあり、Hシーンなし)、PC完全版(PC版、DC版+マージ版)。操作性・シナリオ等々の面から見て完全版以外をプレイする積極的な理由はあまりありません。
主となる話の流れは3つで、恭生と貴理が恋人になるルート、恭生と有夏が恋人になるルート、恭生が貴理にフられるルート。これに、それぞれのルートを別の登場人物の視点から見たストーリーが加わっています。
○あらすじ
◆企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」参加ブログ一覧(敬称略)
(ななついろ★ドロップス・星空のメモリア・そして明日の世界より――)
ブログ「それなんてえrg」(@sorenanteerg)のぐぬぬ様の発起による企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」に参加させて頂くことになりました。面白そうな企画に参加させていただき、たいへん光栄です。かつ、最近エロゲーのレビューをほとんど掲載していないのに恐縮です……。お声をかけてくださったお友達に感謝。
企画の主旨は、ブログ持ちのエロゲーマーが好きな作品を3つ、フリースタイルで記事にする、というお話でした。難しい思惑があると私のようないい加減な人間は参加しづらいのですが、時間的なものも含め、非常に融通の効くかたちでありがたいなという。
本記事の末尾に、参加ブログ一覧と各記事へのリンクを掲載(予定)ですので、是非そちらも御覧ください。
◆記事を書く3作品
なんだかんだプレイしてきた年数は多い中で「3本」というのはなかなか難しい。あれもあるしこれもあるし……と迷ってしまいます。『淫妖蟲』『VENUS BLOOD』『秘蹟神姫アルカナセイバー』『魔法少女イスカ』『魔法剣姫アークキャリバー』あたりからピックアップして、抜きゲー縛り触手祭り……というのも考えたのですが、単なる性癖暴露となりそうだったので脳内会議で却下。
以下の3作品を3回にわけて掲載することにしました。(もしかすると1記事で3作品想定だったのかもしれませんが、分割OKとの許可をいただいたので。筆が遅くてすみません)
(1)『僕と、僕らの夏』(light、2002年)
(2)『White Album』(Leaf、1998年)
(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)
にしておきます。基準についてはしょうもない自分語り以上のものにはならないと思うので省略。もしかすると『鬼畜王ランス』(アリスソフト、1996年)か『無限煉姦』(Liquid、2011年)にどれか挿し替えるかもしれませんが、そのあたりは感触次第で。
というわけで、紹介していきます。
◆第一回:『僕と、僕らの夏』
○基本情報
『僕と、僕らの夏』(light、2002/02/01)原画:笛シナリオ:早狩武志音楽:樋口秀樹
公式サイト:僕と、僕らの夏(18禁)
…………間違えました。
こっち正解。
作品は3本出ていて、PC版オリジナル、DC版(追加シナリオあり、Hシーンなし)、PC完全版(PC版、DC版+マージ版)。操作性・シナリオ等々の面から見て完全版以外をプレイする積極的な理由はあまりありません。
主となる話の流れは3つで、恭生と貴理が恋人になるルート、恭生と有夏が恋人になるルート、恭生が貴理にフられるルート。これに、それぞれのルートを別の登場人物の視点から見たストーリーが加わっています。
○あらすじ
主人公・古積恭生(こせき・たかお)は都会に住む少年。かつて山村留学で滞在した村が水源確保用のダム建設によってなくなると聞いて、再び村にやってきた。秋には村から住人全員が立ち退くことになっているため、これが村に滞在する最後のチャンスだ。恭生は、留学時に友人となった同級生の原英輝、市村貴理。先輩の小川冬子らと再会する。恭生たちは、三年前に「宝物」をタイムカプセルのようにして埋めていた。彼らは村がなくなるまえに、どこに埋めたか忘れてしまったその「宝物」を掘り出すことを決める。過去の思い出と未来の別れの間でたゆたう山村で、彼らが紡ぐひと夏の物語。
○レビュー
私が「好きな作品」と言われると、まっさきに出てくるのがこの『僕夏』。理由はずっと考えているけれど、正直はっきりとわかりません。超メジャー作品挙げるよりツウっぽいみたいな見栄があるだろうと言われりゃそうかもしれないし、貴理ちゃんとの初Hが良かったからだろうと言われればそれもあるだろうし、冬子さんがめちゃ好きだからだっていうのは確かにそうなんですけど、どれも自分の中ではしっくりこない。
まあ好きってのはそういうものだ、むしろ理由が説明できないところにほんとうの「好き」があるのだと開き直っても良いのだけれど、それじゃあ紹介にならないし、ことばにできないものがある一方でことばにしないと見えてこないものもあると思うので、手を替え品を替え、言語化に挑戦していたりします。
さて、私がこの作品から受ける最も強い印象(ひとことで作品をあらわせば……みたいな)は、「喪失」です。作品は受け取る人によってさまざまな表情を見せるから、私の印象がすべてだとは思わないけれど、似たような感じを持つ人は多いのではないでしょうか。当時から「ノスタルジック」とか「甘酸っぱい青春」みたいな、ちょっと痛みとか苦味を伴う物語だというコメントが多かったように記憶しています。
ダムに沈む町、避けられない別れ。そういった、失われてゆくもの、もう取り戻せないものというのが全体の基調にある。何かを守って、大事なものを手に入れて……というストレートな青春の描き方ではなく、裏側からというか、失うことを通して対象への想いを表現しているのだと思います。
実際、『僕夏』は複数キャラクターの視点を通して「失恋」も描かれています。これなんかはハッピーエンドじゃないとだめ、という人からは厳しい評価になりそうですが、恭生や冬子さんの想いというのは、その喪失感によって描くのがふさわしい、あるいはそうやってしか描けない部分が確かにありました。
そういう想いの描き方、すくい取り方がメンドクサイのは事実でしょう。ストレートに描くほうが爽快だと言われればそりゃあもうおっしゃる通り。持って回ったぶん奥深くなったとか人生の真実があるんだとか言うつもりはまったくありません。
単に、私はそういう回りくどいのが好きなんですよね。何かに届いた喜びを味わえるサクセス・ストーリーが嫌いなわけじゃないですよ。ただどっちかというと、何かに届かなかったことで浮かび上がってくる対象への思い入れ、みたいなやるせなさ・切なさのほうが「わかる」気がする。あるいは、そっちのほうも汲み取ってほしい。……あんまり成功体験を持っていないせいでしょうか。
ともあれ、恋愛とか青春とかまあそういうモノを、よかった・成功した・手に入れたという面からだけではなく「裏側」からも積極的に描いていて(※勘違いされないように言っておくと、ストレートに「も」描いています。ひたすら失うほうにばかりフィーチャーしているわけではありません)、そういうところが好きなのだと思います。
あと、ちょっと内容から離れた話をすると、展開というか構成というか、その辺が上手だったというのも大きいでしょうか。私はさっきから「喪失」だなんだと言っていますが、恭生にとって村がなくなるということへの距離感というのはとても微妙です。だって、恭生は「よそ者」ですから。
で、その距離感が、ユーザーである私にも割としっくりくるんです。私が、自分の住んでいる村がなくなる主人公だったとしたらなかなかその感覚に入り込めなかったと思うんですが、外からやってきて何となくぼんやり惜しんでいる人、というポジションは分かりやすい。そこからスタートして、村で生活している人たちの様子を見て……とやっていくうちに、彼らのことがわかってくる。各キャラクターの視点によるストーリーテリングも、そういうしっかりとした土台があるから活きているように思います。
まあ何かあんまりうまいこと言えた気はしない(いっつもそうだ)し、今更この作品をやろうかっていう人は少ないと思うのでアレですが、紹介はこんなところで。プレイしたかたおられたら、『僕夏』についてお酒のみながら一晩とか話をしたいなーというのが、ひそかな野望です。
私が「好きな作品」と言われると、まっさきに出てくるのがこの『僕夏』。理由はずっと考えているけれど、正直はっきりとわかりません。超メジャー作品挙げるよりツウっぽいみたいな見栄があるだろうと言われりゃそうかもしれないし、貴理ちゃんとの初Hが良かったからだろうと言われればそれもあるだろうし、冬子さんがめちゃ好きだからだっていうのは確かにそうなんですけど、どれも自分の中ではしっくりこない。
まあ好きってのはそういうものだ、むしろ理由が説明できないところにほんとうの「好き」があるのだと開き直っても良いのだけれど、それじゃあ紹介にならないし、ことばにできないものがある一方でことばにしないと見えてこないものもあると思うので、手を替え品を替え、言語化に挑戦していたりします。
さて、私がこの作品から受ける最も強い印象(ひとことで作品をあらわせば……みたいな)は、「喪失」です。作品は受け取る人によってさまざまな表情を見せるから、私の印象がすべてだとは思わないけれど、似たような感じを持つ人は多いのではないでしょうか。当時から「ノスタルジック」とか「甘酸っぱい青春」みたいな、ちょっと痛みとか苦味を伴う物語だというコメントが多かったように記憶しています。
ダムに沈む町、避けられない別れ。そういった、失われてゆくもの、もう取り戻せないものというのが全体の基調にある。何かを守って、大事なものを手に入れて……というストレートな青春の描き方ではなく、裏側からというか、失うことを通して対象への想いを表現しているのだと思います。
実際、『僕夏』は複数キャラクターの視点を通して「失恋」も描かれています。これなんかはハッピーエンドじゃないとだめ、という人からは厳しい評価になりそうですが、恭生や冬子さんの想いというのは、その喪失感によって描くのがふさわしい、あるいはそうやってしか描けない部分が確かにありました。
そういう想いの描き方、すくい取り方がメンドクサイのは事実でしょう。ストレートに描くほうが爽快だと言われればそりゃあもうおっしゃる通り。持って回ったぶん奥深くなったとか人生の真実があるんだとか言うつもりはまったくありません。
単に、私はそういう回りくどいのが好きなんですよね。何かに届いた喜びを味わえるサクセス・ストーリーが嫌いなわけじゃないですよ。ただどっちかというと、何かに届かなかったことで浮かび上がってくる対象への思い入れ、みたいなやるせなさ・切なさのほうが「わかる」気がする。あるいは、そっちのほうも汲み取ってほしい。……あんまり成功体験を持っていないせいでしょうか。
ともあれ、恋愛とか青春とかまあそういうモノを、よかった・成功した・手に入れたという面からだけではなく「裏側」からも積極的に描いていて(※勘違いされないように言っておくと、ストレートに「も」描いています。ひたすら失うほうにばかりフィーチャーしているわけではありません)、そういうところが好きなのだと思います。
あと、ちょっと内容から離れた話をすると、展開というか構成というか、その辺が上手だったというのも大きいでしょうか。私はさっきから「喪失」だなんだと言っていますが、恭生にとって村がなくなるということへの距離感というのはとても微妙です。だって、恭生は「よそ者」ですから。
で、その距離感が、ユーザーである私にも割としっくりくるんです。私が、自分の住んでいる村がなくなる主人公だったとしたらなかなかその感覚に入り込めなかったと思うんですが、外からやってきて何となくぼんやり惜しんでいる人、というポジションは分かりやすい。そこからスタートして、村で生活している人たちの様子を見て……とやっていくうちに、彼らのことがわかってくる。各キャラクターの視点によるストーリーテリングも、そういうしっかりとした土台があるから活きているように思います。
まあ何かあんまりうまいこと言えた気はしない(いっつもそうだ)し、今更この作品をやろうかっていう人は少ないと思うのでアレですが、紹介はこんなところで。プレイしたかたおられたら、『僕夏』についてお酒のみながら一晩とか話をしたいなーというのが、ひそかな野望です。
◆企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」参加ブログ一覧(敬称略)
1 それなんてえrg
○「企画『好きなエロゲを3つ挙げろ』」
(Fate/stay night・ドラクリウス・恋する少女と想いのキセキ)
(Fate/stay night・ドラクリウス・恋する少女と想いのキセキ)
12 おいしいデザートは最後に
○「【企画】好きなエロゲ3選」
(宵待姫・Dies irae・さよなら、援交娘さん。)
(宵待姫・Dies irae・さよなら、援交娘さん。)
13 立ち寄らば大樹の陰
○「【企画】 好きなエロゲを3つ挙げるよ」(ななついろ★ドロップス・星空のメモリア・そして明日の世界より――)