よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

触手ドォルズ

なんか一部で大きな話題になっていました、「触手スタンド:魔眼+ヒルワーム(6本フルセット)」。気になって覗いてみたのですが……これは凄い。思った以上のクオリティ。

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※過激な画像の為ぼかしを入れています。クリックで元画像がひらきます。


これだけでもよくやると思うんですが、メーカーHPには更に凄いうたい文句が。

毒々しい「魔眼」と体に絡み付くような演出が可能な「ヒルワーム」で、エロスたっぷりなシチュエーションが楽しめます。
(「魔眼」のドールアイは取り外し可能!)

もちろん、今までの「触手スタンド」と混合責めも可能!
大型のロボットやフィギュアにからめても楽しいスタンドです
ちょっとマテ。ロボットに絡めるって……ガン○ムとかにこれを使うんでしょうか。マジで? 「淫欲特急ゼツリンオー」じゃないんだから。いや、アレはロボットの形状と名前が卑猥なだけで、別にロボが何かされるわけじゃないですけれども。

『プラレス三四郎』みたいに女性型ロボットというのならわからんでもないのかな。しかし大型ロボットに触手を絡めるという発想は常人離れというか、常軌を逸しているというか……凄いです。感服します。かつてモビルスーツ同士が濃厚に絡み合う薄い本を見たことがあり驚きましたが、その時以来の衝撃です。

うーん、フィギュアって造形的な楽しみが主流で、イイ出来の奴を眺めるものかと思っていました。けれどもこうなってくると、クリエイティブな感じすら漂っています。フィギュアの配置やポージングでストーリーを作って遊んでいる人もいますし、ホントに奥が深いんですね。

しかしお値段がまた凄い。5万(笑)。これに5万かぁ……1万円くらいなら考えたかもしれません。5万だと、さすがに無いですね。

でもこれ、なんか楽しそうって思います。昔、トランスフォーマーやSDガンダムのプラモを並べて戦いのストーリーを作って遊んだり、「キョンシーズ」のテンテンちゃん人形を脳内で凌辱して(*´Д`)ハァハァしていたことを思い出しました。

てなわけで本日は、話題の触手スタンドの話でした。もういっそこの調子で、触手シャーペンとか出してくれても良いんですよ? 買いますから。使いますから……。

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レビュー:『7時間目の音符(ノート)』2巻

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志摩 時緒 『7時間目の音符(ノート)』2巻
(芳文社、2012年6月12日)

先日2巻が発売された「まんがタイムきらら フォワード」連載の『7時間目の音符-Score of seventh class.-』。友人に猛プッシュされていたこともあって、購入してみました。オビのキャッチコピーは、「読んで悶え転がること必至のイチャラブコメディー」。

で、感想ですが。

無理。


英語で言うと、MURI

大事なことなのでもう一度言います。

こ れ は 無 理 !


なにこれ。何なの? 第一類取り扱い危険物? 爆発しますか? 火、近づけても良いですか?

それともいじめ? 寂しい高校生活を送ったボクチンに対するいじめですか? いじめですね? よろしい、ならば戦争だ!! うぼあああああああ!!!!

……取り乱しました。

内容は、とある高校の吹奏楽部の日常を描いた話。日常と言っても、恋愛です。恋の話ばっかりです。ファック!

視点人物は二年生の男子部員・吉野葉平(よしの ようへい)。恋人は、三年生で部長の女子部員・冴木あずみ(さえき あずみ)。基本的にはこの二人が、四六時中いちゃいちゃチュッチュしてるシーンを延々描いた作品です。

どんな感じかというと……1巻の1話を紹介したほうが早いですかね。学内で、女子がつきあっている男子からネクタイをもらって身につけるという行為が流行っている。で、あずみも葉平からネクタイ欲しいなあと思いつつ、素直に言い出せずにうじうじしているのですが、葉平が気を利かせてあずみにさりげなくネクタイを渡す。で、あずみが「私中学もリボンだったから、ネクタイの結び方よくわかってなくて。だから………ね?」とか言い出して、葉平にタイを結ばせようとする。んでんで、二人の顔が近づいたところで、こう、ムチューッっとキッスを……。

うわああああああああああああああ


あーもう、書いてるだけで、書いてるだけでっ! きーっ! 「だから………ね?」じゃねーよ! ぱーやぱーや!!

べ、べつに羨ましくなんて無いんですよ! ホントに! ホントにホント!! ごめん嘘! 羨ましい! 凄く! かわって!

……たぶん、これを読んで「リアルだ」と思う人はあんまり居ないと思う。少なくとも私の乏しい三次元恋愛経験を総動員する限りは、このルートにいくフラグは現実世界のどこにも転がっていない。ただ問題は、私の豊富な二次元恋愛経験の中にもやはり、これほどこっぱずかしい恋愛はほとんど存在しないということです。……ゑ、リアルにある? ハハハ、またまたご冗談を…………冗談ですよね?

あのね、高校生の男の子がね、合宿中にね、他の男子どもがいる中でね、「そろそろちゅーしたいです」とかってね、メールはね、しないとね、OYOYOは思うの。

思うのですが、でも、これはアリ。全然アリです。何というか、観念的な恋愛のある種の極限を突っ走ってる。肌に合う・合わないはあるにしても、こんなこっ恥ずかしいこと、妄想でもなかなかできない。私は数多くのエロゲーをこなしてきて、ストレートなエロやふつうのイチャラブには抵抗力があるつもりでしたが、これはちょっと想像の遥か彼方でした。おれたちにできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるぅ!! っていう感じです。ヨゴれちゃった私に、この世界は眩しすぎる。でも、そのまぶしさに群がってしまうのです。さながら誘蛾灯に吸い寄せられる蛾のように。

自分のトラウマが刺激されるとかそういうのではなくて、見ているだけで、この世界を想像するだけで、ひれ伏してしまうような恥ずかしさが溢れてくる。これはもう、凄い漫画だと思います。話はベタだし、絵もそんなに(こういっては何ですが)上手、というタイプではない(キャラはしっかりかきわけられています)。でも、コマ割りやセリフを含めた空気感の演出と、その演出効果を余すことなく使い切ったエピソードの数々は見事のひと言。とりあえず180ページほどしかないのに、1巻読むのに悶えすぎて1時間くらいかかりました。

2巻は、気になっていた葉平とあずみのなれそめの話が出てくる他、佐藤米子先生と米沢君の恋がちょっと進展しそうな気配。新入部員の坂本美鶴(トロンボーン)も夏祭りなどで色々絡んできて、部内に恋愛ストームが吹き荒れそうな予感。見所は、あずみ先輩の騎乗位(笑)と水着なのですが、1巻に負けず劣らず燃え尽きるほどヒートな良い展開でした。

コメディ要素は少なめで、もう何か知らんけどとにかくイチャつきたい、この世の果てでイチャラブを高らかに歌い上げたい、という人のための漫画。お薦めです。

というわけで、本日はこれまで。また明日、お会いしましょう。

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攻略:『巨乳ファンタジー2』

レビューと攻略分けた方が見やすい、というお話をうけて、今回は別の記事にしてみました。まあ、確かに長くなりすぎて見づらいというのはあるのかなあ……。コンパクトにまとめる手が思いついたら、またセットに戻すかも知れませんが、暫くはお試しで。ちなみに長文の感想は既に前日の記事にて投稿してあるので、詳しい内容を見たいかたは下記リンクよりご参照ください。

◆長文感想
レビュー:『巨乳ファンタジー2』

◆攻略
異乳左遷篇
ボインバラ城主になる → 貴乳妖精篇へ
モルグレーの長官になる → 魔乳試練篇へ

貴乳妖精篇
別動隊の派遣はしない → エリュシアルート
ゼビアを別働隊で派遣 → 禅譲ルート

魔乳試練篇
では、是非ローレリアを → ローレリアルート
 ※事実上、ソフマップ特典ストーリーへ持ち越し
まだ政務に身を捧げたい → 魔乳試練篇2へ

魔乳試練篇2
我々は対等な城主です → 王都聖乳篇へ
ペットよりも夫がいい → シャハルルート

王都聖乳篇
悲しみをゼビアの身体にぶつける → ゼビアルート
ゼビアのその気持ちで十分だよ → ハーレムルート

◆シーン数と内訳
CG差分無し118枚/シーン数46シーン。
ゼビア:24枚/11シーン (ダークエルフ傭兵)
エリュシア:17枚/6シーン (エルフ王女)
ローレリア:13枚/8シーン (人魚)
シャハル:19枚/7シーン (サキュバス領主)
ナディーヌ:24枚/8シーン (人間王妃)
その他(複数絡み等):21枚/6シーン

◆備考
ローレリアルートは、選択肢を選ぶとほぼすぐに終わり。内容は全くありません。「ソフマップ特典ストーリー」が実質的なローレリアルートです。これは正直、ちょっと不親切ですね……。こちらのストーリーでは、シャハルルートに負けず劣らずデブリンが活躍してくれるので、祖父で購入された方はお楽しみください。FD販売時なりに追加収録があるか、『WHITE ALBUM2』の時のように、OHPで配布するかくらいのサービスはあっても良いのかなと思います。

正史と思われるのは、シャハルルート。『巨乳ファンタジー』無印に繋がる、重要なキャラの名前が最後の最後に出てきます。

内容的に面白いのは、「貴乳妖精篇」の2ルート。ルイン君のやってることはほとんど変わらないのですが、競争相手や敵が、ライバルとして相応しいレベルに描かれているので、緊張感のあるストーリーが楽しめます。

「いつも通り」のデキといえばそうなのですが、ローレリアルートをばっさり切っちゃったのと、ナディーヌの個別が事実上存在しないこと、あとメインであろう「魔乳試練篇」のほうが内容がたるんでしまっていることなどから、総合的に判断して前作『巨乳ファンタジー』のほうが良かったかな、と思います。

EDでシナリオ・企画を担当された鏡氏の各キャラへのコメントが流れるのですが、常に「前作との差」を念頭に置いて書いた、ということを強調されていました。うがった見方をすれば、それが(ことばは悪いですが)良くない方に出た感もあります。

つまり、前作との違いをベースに考え過ぎて、この作品単体としてベストなキャラ描写、選択をし損なった部分もあるのかな、と。もちろん、シリーズを通して楽しんでくれるファンのために、かぶるのを慎重に避けようとした、そのサービス精神は大変ありがたいということは重々承知したうえで申し上げているのですが。

まあ、でも面白いです! このシリーズやっぱり私は好きだなあ。

というわけで、本日はこれで。うーん。確かにこうやって書いてみると、攻略と感想わけるほうがスッキリするかもしれない。

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レビュー:『巨乳ファンタジー2』

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タイトル:『巨乳ファンタジー2』(WAFFLE/2012年5月25日)
原画:Q-Gaku、深泥正/シナリオ:鏡裕之
公式:http://www.waffle1999.com/game/45kyonyu2/
批評空間レビュー投稿:済 → ネタバレ無し
定価:8800円
評価:B(A~E)
攻略:こちらに掲載

批評空間さまにて感想を投稿しております。ご関心あればご覧下さい。

本日は「父の日」ということで、「ちち」繋がりで「巨乳ファンタジー」という連想をいたしまして……。やめときゃいいのに口にしてしまうあたりが、我慢の利かない子供でございますが、そんなわけで『巨乳ファンタジー2』の感想を久々に投稿いたしました。

今回実験的に、全文を載せています。この後強調とか付けてみようかな……。ちょっとレビューとブログの関係をどうしようか考えています。補足的なことを書いていくことも考えたのですが、自分の文章に自分で解説付けるのもどうかなあと思っていたし、うーん。全然違う角度のレビューを二つ書くのもアリかもしれませんが、そこまでやりたい作品は限られますからねえ……。

攻略は、レビューとセットだと解りにくいという話もあったので、試しに別の記事にしてみようかと思います。個人的にはセットのほうが収まりが良い気もするんですが。

それにしても、「巨乳ファンタジー」シリーズとの付き合いも、気づけば結構長くなりました。ちっぱいもOK! という私には正直どうかなーとシリーズの最初思っていたのですが、アレですね、でっぱいもオツですね! 鏡さんのお話は面白いし、絵はいつも通り綺麗だし、しばらくこのシリーズは(続いてくれるなら)購入を続けると思います。

以下、投稿内容。
この手の作品は、概括的に語ると身も蓋も無いところがある。「テーマは?」と聞かれれば「巨乳」だし、「筋書きは?」と聞かれれば「サクセスストーリー」で事足りる。「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」みたいなもので、「要するにこんな話」という形で切ってしまうとどこも一緒の金太郎飴状態。

飽きたという声も聞かれるが、プレイする側としては基本それが楽しくて(金太郎飴の味が好きとか、どこを切っても同じなのが面白いとか)やっているわけだから、そこにつっこむのは無粋というか野暮。「ま た こ れ か」と言われたって、にっこり笑って「左様でございます」と返して終わりという話。期待しているユーザーにとっては粗製濫造でもマンネリでもなくて、むしろご都合主義的な英雄譚をブレずに繰り返してくれることを喜ぶところなのだ。

とはいえ、では『巨乳』シリーズのエッセンスは何かというのは問題としてある。つまり、このシリーズに共通する面白さの源は、何か。

黄門様なら印籠を見せて相手がひれ伏すシーンにそれが詰まっているし、遠山の金さんならお白州で「遠山桜」を見せる場面。コナン君なら、華麗な推理を披露した後「江戸川コナン……探偵さ!」が楽しみでみんな見ているわけ。コナン君の場合は蘭ねーちゃんのパンチラかもしれないけれど、それはさておき。

『巨乳』シリーズの見所といえばやはり巨乳……というと、ちょっと違う気がする。おムネを揉むシーンは確かにユーザーのお目当てなのだけど、それだと男キャラの立場が無い。このシリーズは毎回、女の子だけではなく男もたくさん登場して、彼らとの関係がメインで描かれることも少なくない。そう考えると、毎回各話のオチになっている「主人公が認められる」シーンこそがこの作品の見所と言える。女の子なら結果としてHシーンになるし、男なら謝罪やら宴会やらになる。今回も、その例に漏れない。

これは別の角度から見ると、主人公の目には見えづらい「天才」性をきちんと描いているということでもある。

本作の主人公・ルインは、王立修道院に何かの間違いで入っては来たけれど、絵に描いたような「おちこぼれ」。一番強調される具体的なことは、「詩が作れない」。普通、「詩」というと感性の産物だと思われがちだけど、本作ではホメロスなんかを引き合いに出して、教養の一貫として「詩」が扱われている。「詩」が作れる=「詩」の知識が豊富=お勉強得意。つまりルイン君は、お勉強ができない。

ところがどっこい、いざ実務をやらせてみると、やることなすこと全部完璧。ボインバラの内政でも、エルフ族との戦いでも、とにかく大活躍。もちろん数々の「鋭い読み」を見せて、決しておバカではないこともアピールするけれど、ルインの凄さの本質というのはそういう「論理的」なところには無い。ゼビアが惚れ込んじゃったり、くしゃみ一発で状況を打開したり、一人でゴーレムをなんとかしちゃったり、とにかく結果がついてくるところにある。今風の言葉でいえばルイン君は、「何か持ってるヤツ」なのだ。

「ご都合主義」と言えばそれまでだけど、それは作品外の評価。作品の中では、ある種の必然として扱われている。なぜルインだけがこんなに恵まれた結果を享受できるのか。それは、シャハルが屡々繰り返すように、ルインが「ものごとの本質に触れる力」を持っているからだ。ガラハット王をはじめルインをとりまく人々の多くは、表面的なことにとらわれてルインの本質を見抜けない。たとえば王は、ある「真実」を見誤った為に呪いを受けてしまっている。この辺が、ルインと対照的に描かれている。そうして、彼らがこだわるような「お勉強」は、ものの本質とか真実とは関係ない。人間の価値は、お勉強なんかには無い。

良いサクセスストーリーというのは、ただ主人公が成功するだけではなく、そこに一貫した理由が描かれているものだけれど、本作は(シリーズ通して)そのあたりをきちんとおさえている。それ故に安心できる面白さがあるのだろう。

では、「本質に触れる力」とは結局何なのか。それは、おっぱいへの愛である。……いやいや、冗談ではないですよ! 真面目な話です! 少なくとも作中語られる限り、おっぱいこそが世界の真理であり、おっぱいにこだわりと執着と愛を見せるということこそが、ルイン君の卓越性である!(強弁)

まあ本当のところどうなのかは措くとして、『巨乳』シリーズの主人公は皆おっぱい至上主義で、行動原理の基本はおっぱい。おっぱいを追い求めていたら、何かうまいこといっちゃった(てへっ)というのがパターンだから、その意味で作中における真理が端的に表現されているのは乳であるというのは間違いない。

ただ、以上のように見ていくと、本作の物足りなさも同時に浮かんでくる。大きく分けて二つあるので、それぞれ見ていこう。

まず、ルイン君は割と俗っぽいというところ。これまでのシリーズの主人公は、出世やら世間体やら本当にどこ吹く風で、ひたすらおっぱいを追い求めていたけれど、ルイン君は割とその辺に興味がある。というか、作中でブレている。国王候補になれるなれないで一喜一憂したり、ボインバラに逆戻りになったときに落ち込んだり。おっぱい一直線だった過去の主人公たちと比べると、真理なり真実なりに対して一途な感じがしない。そのせいで、作品が語ってくる真理の価値が、少し揺らいでしまっている印象を受けた。

もう一つは、敵がショボいところ。今回敵に回るハイネスとゼミナリオ、その背後にいる司教と宰相らは、基本的にものが見えていない。辛うじて宰相は頑張っている感じだけど、やることなすこと全部ロクでもないことなので、見ている方としては「そりゃアカンわ……」となる。そのせいで、彼らと対立する主人公の凄さが引き立たない。ルイン君が活躍したというより、敵が自滅しているようにしか見えないのだ。このせいで、真実を見られないことのダメさは伝わってくるけれど、ルインが見ている真実の凄さとか魅力とかの絶対値が見えにくくなってしまった。

辛うじてエルフ国王イシュヴァンが、プライドや信念を持った策士だったのが救いだろうか。イシュヴァン王も「お勉強」が得意なタイプには違いないのだが、それを突き詰めていった高みに到達している感がある。こちらのルートではこういう大物と丁々発止やりあって、最後はお得意のパターンで仕留めることで、ルインの良さも際立っていた。

『巨乳ファンタジー』であれば、そもそもグラディスやアイシスといったヒロインが主人公の敵だったので自滅パターンは少なかったし、ルビーン宰相や三将軍、モテールですら、彼らなりの矜持があった。そういう相手との戦いは、スポーツで言えば好ゲーム。片方が自滅で倒れる試合より、そちらのほうが見ていて楽しいのは言うまでもない。もちろん、ボボン王子のようなダメすぎるキャラの自滅というのも、それはそれでネタ的な見応えはあるが、本道はやっぱり緊張感のあるつばぜり合いだろう。その意味で言えば本作は、上にも下にも突き抜けた敵対キャラがおらず、中途半端な相手の自滅ばかりが出てくるせいで、たるんでしまった感が拭えない。

というわけで、過去作と比べるとパワーダウンした感もするけれど、その辺は随分高い要求水準の話。最初に述べたとおり、基本的なところはきちんと仕上がっているのでシリーズファンには安心だし、本作から『巨乳』シリーズを試そうかなという人にも問題なくお薦めできる。特にシャハルルートの終わり方は、本作が『巨乳1』と直接繋がった前の時代の話であることを匂わせているので、先に「2」からというのも悪くはないのだろう。

もっとも、幾つか基本的な注意はある。シリーズをある程度通していないと解りづらい部分があったり、店舗特典(ソフマップ)のためか、ルートのバランスが崩れていたこと。特にローレリアに期待していた人は肩すかしかもしれない。「くしゃみ」が結局何だったのかとか、主人公の種族の話とか、多くの謎も未解決のまま残された感がある。今後のシリーズなりFDなりではっきりするのだと期待したい。

なお鏡氏の作品ということこと考慮して、本作に社会的なテーマを重ねて読むことも一応は可能のように思われる。ガラハットは真実を見る目をもたず、表面的・形式的なことにばかり目を向けて、ある種の人々に言われない弾圧を繰り返して反省しない為政者であり、イシュヴァンはマキャベリズムの権化みたいなものである。そして、そういう「お勉強」というか理性に偏った為政者ではうまくいかず、差別意識も残り続ける。一方エロ心満載のルインのような者こそが人々を幸せにする王になるというのは、現状の政治に対する強烈な皮肉であり、同時にあるべき統治のあり方を匂わせる一種の王道論的なところは読み取ることができる。「ルイン」(破滅)という名前も、

私はそのあたりに余り魅力を感じなかったので、今回は深入りを避けた。ただ、敢えて最後に述べたのは、上で書いた私の不満の一つ(敵がショボい)という話は、こういった社会的なテーマを押し出すためにあえて(つまり今の政治がいかにヘボいかというようなことを戯画的に表現するために)そうしたのかもしれないな、と思ったので、蛇足ではあるが付け加えておく。

ストーリーへの感想とは逆に、Hシーンについては随分パワーアップした感あり。特に王妃とのHは背徳的で良かった。複数キャラの絡みも濃厚で、満足度高め。ただ、前作のように強気なキャラを無理矢理おてぃんてぃんで説得してメロメロに……みたいな展開は少なく、それだけは残念。基本的に女性陣はほぼ全員ルインの味方で、変化を楽しめたのはエリュシアくらい。ゼビアが一番変化するのだが、まあしかし、その後のラブラブ展開の印象が強すぎて変化の過程を楽しむタイプではなかった。

ちなみにキャラの中で優遇されていたのは、「正妻」扱いのゼビア。ところが正史っぽいのはシャハルルートにも思われて、その辺の関係はちょっと良くわからない。しかし改めて今見ると、人間が一人しかいないでござる。確かに今回ちょっと、魔族寄りの視点が多かったので、今後シリーズが続くとしたら「魔族-人間」間の対立メインになっていくのだろうか。
ってな感じ。それではまた明日。

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レビュー:『正捕手の篠原さん』

正捕手
千羽カモメ『正捕手の篠原さん』

(MF文庫J、全3巻、イラスト:八重樫南)

さて、今回ご紹介するのは『正捕手の篠原さん』。残念ながら3巻で終了してしまいましたが、色んな意味で実に面白い本でした。

まず、題材。タイトルからおわかり頂けるでしょうが、野球ラノベです。世に「野球マンガ」は多々あれど、ラノベでサッカーやら野球やらというのはあまり聞かない。そういう意味では恋愛シフトを敷いているラノベ業界の、隙だらけの三遊間をうまいこと抜きに来た感があります。

次に、イラスト。八重樫南さんといえば、『閃乱カグラ』でおなじみ。女の子が特にですが、どのキャラもカワイイです。そして何より、ブルマが巧い。とくに、足の付け根の辺りのラインはピカイチ。個人的にはブルマ絵師 三ケツ 三傑に入るお方と目し、お慕いしております。

……何の話でしたっけ。

そう、この作品の面白いところでした。最後は、形式。この『篠原さん』は、ほとんどの話が見開き2ページで終了します。1冊200ページとちょっとですが、だいたい100話くらいのエピソードが入っている。

著者の千羽さんが1巻のあとがきで、「誰もが一度は思いつきながらあえてやらなかった」形式であると言っておられましたが、本当に他に例がないかはともかく、確かに余り見ないタイプ。ただ、このコンセプト自体は、私たちにとって非常におなじみのものです。

決まった分量の中に短い1エピソードを詰め込んで行くという手法は、完全に4コマ漫画のもの。つまりこの作品、ラノベで4コマをやってみよう、ということなのだと思います。4コマより『高校球児ザワさん』に近い気がしないでもないですが、とにかくそんな感じ。

これが思ったより新鮮で、しかも面白い。基本1エピソードで話が簡潔するのですが、毎回「オチ」がきちんと用意されている。

4コマ漫画の面白さというか「読みごたえ」の一つに、「オチがどういう意味か考える」というのがあります。読み取るのが難しいというわけではないのですが、周りの反応とかちょっとしたセリフを駆使して、直接ことばで書く以上の楽しい雰囲気が出せていて、ちょっとうまい。綺麗にオチた4コマ目が醸し出す妙な余韻みたいなのが、各話にきちんと出ています。

一応キャラクターや舞台は全エピソードを通じて統一。エピソードを重ねながらも全体のストーリー的なものがあり、明神学園野球部のキャッチャー、篠原守さんと、彼を巡るヒロインたちのラブコメです。主なヒロインはピッチャー(男装)の綾坂さん、幼なじみでマネージャーの月夜さん、妹でブルマの杏さん。他にもちょくちょく出てきますが、1巻から通しはこの3人。あ、涼子先生もいたな……。4人!

恋愛以外は特に起伏のない、いわゆる4コマらしい「日常系」作品で、退屈なところもありますが、1話ずつのまとまりがきっちりしているのでちょくちょく読んで楽しめます。一気に読むのではなくて、暇なときに少しずつ読むとか、そういうのが正解の気がする。

いま言った通り基本的に日常ダラダラで、野球の試合とかはほとんど無し。ただ、随所に野球ネタが差し挟まれるので、さすがにルールしらないとか全く興味が無い人は見送りが無難でしょう。

3巻で終わりってことはやはり、あまりウケが良くなかったのでしょうか。個人的には面白いと思っていただけに残念ですが、まあ一般に訴求力があるタイプの作品ではないことも事実なので、仕方ないかもしれません。とはいえ色んな意味でチャレンジングな内容でしたし、全部新品で買っても2000円弱だし、関心があればお試しあれ。

今後こういうタイプのラノベが『あずまんが大王』や『WORKING!!』、『けいおん!』のように、どこかでブレイクしたら、その時元祖として注目を集めることがある…………かなあ?

それでは、また明日。

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