よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

レビュー:『かくしデレ』(18禁)

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ひょころー『かくしデレ』(ヒット出版、2012年) ※18禁

エロ漫画のレビューは初めてですね。わるい子のみんな向けです。よい子はみないでネ。

2008年にデビューした、氏の4年ぶんの作品をまとめた単行本。正直あんまり期待してなかったのですが、ビックリするほど良かったです。女の子がかなり可愛らしく、特に2011年以降はぐっと綺麗に。表紙のイラストも良いのですが、中身のほうも負けず劣らず。線がはっきりしていてスッキリした絵なのに、肉感とか質量が薄っぺらになっておらず、基本画力の高さがうかがわれます。カバー裏にある「あとがき」(印刷スペースが無かったらしいです)によれば、デビュー後に「商業誌でコレはいかん」と思い、修行しなおしたとか。なるほど初期と比べると、随分メジャー受けしそうな絵柄に。

ただ、絵もさることながらストーリーが面白い。それほどひねった話ではないけれど、導入・展開・オチとしっかりしています。今回要約をしてみると、凄くやりやすかった。

勿論エロ漫画ですから、それぞれの話で中心となる軸がストーリー漫画のようにばしっと決まっているわけではありません。しかし、魅せたい女の子のキャラクターとシチュエーション、それにあわせた枠組みの固め方が上手だな、という印象。たとえば痴漢ものの「誰恋トレイン」なら、単に痴漢をすればいいとか痴漢を盛り上げるためのシチュエーションを盛り込むだけでなく、「誰か判らない相手に痴漢を迫られる」という部分をうまく絡めて、展開に起伏を付けています。それを最後は、スッキリした落ちにもっていくので、読後感が良い。本巻中唯一、ちょっと暗めの話だった「うわきなトコロ」も、ほどよいダークさに仕上がっていました。ライトコメディで押すという作り手のコンセプトに、「寝取り」のようなシチュエーションですら、その本質的な背徳さを損なわずに引き込んでいるのが見事でした。

上にちらりと書きましたが、和姦中心。というか無理犯りはほとんど無し。ただ、シチュエーション的にはそういうのもうまく取り入れていました。女の子達はどっちかというと巨乳気味で貧乳は無し。ロリ系も1人と、割と成長したキャラがお得意みたいです。掲載雑誌のカラーかもしれないので何とも言えませんが、頭身高め、大人っぽいキャラのほうが生き生きとしていた感じ。

まあ、何にしてもエロいしカワイイし面白いしで、言うこと無し。

後は、収録された各ストーリーがどんなものだったか簡単に紹介して終わりたいと思います。

◆かくしデレ
滝沢家にやってきた、弟・弘明のクラスメートは、ポニーテールがトレードマークの美少女、野ヶ浦ののか。妙に滝沢(兄)に挑発的で突っかかってくる。売り言葉に買い言葉で2人の喧嘩はエスカレート。結局最後は、ののかをベッドで犯すことに……ってあれ、なんでそうなるの?? どうやらののか、滝沢(兄)に惚れていたようで、犯してもらいに来ていた模様。ベッドの上で必死に快感と嬉しさをこらえながら、ツンツン強がってみせる姿が最高にかわいいののか嬢。強がり娘が照れながら悶える姿が好きな人は必見です。

◆誰恋トレイン
残業を終えて帰宅途中の会社員・亮。終電を待つ駅で遭遇したギャル系の可愛い女の子。電車を待つ姿を後ろからのぞき込むと、なんと彼女は痴漢ものの携帯小説を書いていた。しかも彼女は、なぜか亮のことを知っているようで……? 知り合い「らしい」なぞの謎の彼女に請われるまま、亮は「取材」と称した痴漢プレイをすることに。謎のかわいこちゃんと車内で背徳プレイ。燃える展開に、オチもきっちりついてなかなかの良作にしあがっています。

◆いっしょに!
卒業を控え、最後の作品の完成に執念を燃やす漫研部の部長。そんな彼を好きな後輩の副部長・市井ハナ(メガネっ娘)は、去ってしまう部長に寂しさを感じつつ手伝いを申し出る。深夜の部室で互いの想いを告白しあった2人は盛り上がってそのままお楽しみに突入。途中顧問の教師に見つかりそうになりつつも、想いを遂げた2人の行く末やいかに。

◆妹チョコH
容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群のツインテール女・高岡美咲。ただし、性格に難アリ。彼女の義理の兄・高岡誠は日頃から性格の悪い美咲にバカにされ続けてきた。ところが2月14日、バレンタインのムードを嫌って部活をさぼって誠が帰宅すると、誠の部屋で美咲がひとりエッチをお楽しみの真っ最中。驚く誠に、テンパった美咲が勢いで本心を告白して……。ベタベタの展開ですが、それだけに破壊力は高め。ひねらない話でもきっちり仕上げれば楽しめるという好例です。

◆初×初シンドローム
一学年上の黒髪美少女、三橋ちづると付き合いはじめた大樹。期末テストの勉強を見て貰うことになって、彼女がひとり暮らしをするアパートに招かれる。彼女の部屋に招かれてウキウキのはずが、大樹の心を占めるのは学校のイケメン教師、池田先生とちづるが不倫関係にあるという噂。噂の真偽を確かめようと思い切って話を切り出した大樹にちづるは――。タイトル通り、「ウブ」な2人の微笑ましいラブストーリー。「ファーストキスだったのに、大樹君のせいで鼻水の味になっちゃったよ」というセリフが魂を揺さぶります。

◆花と豚と定食と
定食屋チェーンでアルバイトをする巨漢デヴ、鈴木。バイトの帰り道、常連のロリ系花織桜子に、格闘ゲーム「ストリート的ファイティングPortable」(ストポー)で勝負を挑まれる。曰く「これで対戦して私が勝ったらお付き合いしてもらえませんか」。罠か夢か美人局かと疑う鈴木だったが、どうやら本気らしい桜子と勝負。男らしく負けた鈴木は、桜子とHすることになるのですが……。お互い初Hで純愛物語のハズなのに、トロルがロリ魔女を無理犯りしているようにしか見えないのは、私の心が汚れてしまったからなのか。まあ、そんなこんなでアンバランスな2人のお話。ちなみに桜子は、ロリだけど結構胸があります。というかここまでつるぺたキャラいないですね。

◆シス☆コン
ドジで可愛い義妹の結衣。父母が海外旅行に行ったタイミングで、「バージンはおにいちゃんにあげるって決めてたもん!!」と義兄(目つきが悪くてエロゲー大好き)に衝撃の告白。モテなく、さえなく、ひねくれ者の義兄でも、結衣にとってはかっこよくてやさしくてたのもしいお兄ちゃん――。という告白に胸を打たれたのか、エロゲー大好きな義兄的にエロゲーシチュエーションに燃えたのかは定かでないが、そのまま結ばれたきょうだい2人。オチはまんま昼ドラでした。

◆みゆき~漫画道~
部費に窮した漫研部。起死回生を図り、即売会でエロ同人を売ることに。問題は、経験の無いみゆきには何をどう描いて良いか解らないこと。そこで、同じ部でエロ漫画大好きなあゆとエロ漫画合宿をひらくことに。ところがあゆは、他の男子部員たちも合宿に招待して、全員に媚薬を盛る暴挙に。そのまま合宿は大乱交パーティーに発展、というお話。2008年と収録作中で一番古いためか、線も太く、絵柄はちょっと違います。エロシーンの躍動感とかコマ割りは現在に通じるものがあるので、多少の違和感に目をつぶれば充分楽しめる内容。

◆うわきなトコロ
恋人・宗太郎に浮気されたと勘違いした貞淑な美女・梢。動揺と不安で正常な判断を失ったところに変な勢いがついて、宗太郎の友人で大嫌いなチャラ男、英二とラブホへ行くことに。「本番はダメ」という約束のハズが、胸、お尻と責められて蕩けさせられ、とうとう……という話。浮気した宗太郎を怒るより、浮気相手の女性が自分と真逆であることを不安がったり、恋人を想いながら間男に抱かれる梢の描写が秀逸。特に、途中で宗太郎から電話がかかってきてフラフラしながら携帯を取りに行くところはすっごいエロかったです。後味もそこまで悪くなく、これまで体験してきた寝取りものの中でもトップクラスに好きかもしれない。個人的には本巻の中で一番のお気に入り。

◆デレ隠し
最後に載っているおまけカラー漫画。「かくしデレ」の2人が動物園デートに向かう途中、バスの中で盛り上がってしまって途中下車。そのままトイレで一仕事。4Pですが充分起承転結がついていて、ひょころー氏の構成の上手さがにじみ出ている一本です。

ということでまとめでした。販売店舗によってはオリジナルの小冊子が付いているので、目当てで何冊か買うのも良いかも。私はメロンで購入したのですが、とらでも買おうか真剣に悩んでいます。キャラとしては「初×初」のちづる先輩か「かくしデレ」のののか嬢が好きなのですが、漫画的に一番良かったのは「うわきなトコロ」かなあ。引け際も抜群。作風はこの中では異質なのですが、このタイプの話を今後も是非続けて欲しいと思います。

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こんな感じの小冊子が特典でついています。内容は収録作の後日談的エロ漫画。

というわけで本日はこれで。また明日お会いしましょう。あー、明日は月曜日か……。

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レビュー:『一緒に暮らすための約束をいくつか』

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陸乃家鴨『一緒に暮らすための約束をいくつか』(芳文社、2011年~)、全2巻。

オビの文句にある通り、女子中学生と三十路男の二人暮らしが描かれる本作。先日、心待ちにしていた第2巻が発売されたのですが、意外と呆気なく完結してしまいました。2巻で終わりかぁ。・゚・(ノД`)・゚・。

作者は、陸乃家鴨(おかの・あひる)氏。別名義(厦門潤)でエロ漫画描いたり、亜藤潤子名義で少女漫画描いたりとマルチに活躍しておられます。絵柄は成年誌っぽい絵柄といえばそうですが、非常にスッキリしていて表情豊か。表紙の絵も可愛いじゃないですか! 全体的に独自のスタイルが確立されていて、表現に安定感があります。掲載雑誌は『週刊漫画TIMES』。聞くならく、不定期連載だった模様。

大人の男が少女を「拾って」、養い育てるパターンの話というのは、『源氏物語』の昔にはじまり、チャップリンやら、最近だと話題になった宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』などなど、映画に小説に漫画にと名作が数々ありますが、そういった作品と本作が異なるのは、少女が大人の男を拾う(捕まえる)側面が強く打ち出されているところでしょうか。

35歳の「ほぼ」フリーター、藤木悟郎(ふじき・ごろう)。彼はひょんないきさつから、高校時代の親友であった三浦久志(みうら・ひさし)と美香(みか)夫婦の忘れ形見、三浦紗那(みうら・さな)と一緒に暮らす決意をします。

「大人になったとき、まだゴローに恋人がいなかったら、私をお嫁さんにして」

その約束を覚えていた紗那は、大喜び。しかし、身寄りが無いわけではない(祖父母はいる)紗那と、まったく関係のない悟郎が一緒に暮らすにはクリアーしなければならない課題がたくさんあるわけで……。悟郎の「恋人」、原由香利(はら・ゆかり)をはじめ周りの人間を巻き込みながらスタートした、2人の共同生活も2年と半年が過ぎ、紗那が中学3年になった時から物語は始まります。一緒に暮らす以上、絶対に守る「約束」をしよう。たとえば、朝ご飯は必ず一緒に食べる。そんな日常を維持するための些細な、けれど絶対に破ってはならない約束を――。21歳離れた2人、悟郎と紗那のラブストーリー。

大筋は、エロのある『うさぎドロップ』ということでだいたいOK。ただ、より複雑な事情や感情を入れようとして、とっちらかった感が強いです。作品のまとまりは、前半は育児に、後半は揺れ動く2人の感情にと狙いを絞ったぶん、『うさぎドロップ』のほうが高いし、2巻完結という短さから見てもわかるとおり、本作は後半かなり駆け足になってしまい、いろいろ描写不足なのは否めません。けれど、育児ものという側面をスパッと見切り、シンプルに恋愛ものと考えた場合、いましがた書いたようなことは必ずしも欠点ばかりとは言い切れないでしょう。

悟郎(作中ではゴローと呼ばれますが、某AVを思い出すのでなんとなく回避)がどうして紗那と一緒に暮らそうと思ったのか。ネットの評判や、私の周辺の感想を聞いていると、身寄りがないわけでもない紗那を悟郎が引き取ることになった事情が強引で説得力がない、中年男と女子中学生を一緒に住まわせるという設定のために無理をしているようにみえた、という意見をちらほら見かけます。

この批判が間違っているとは思いません。たしかに、結構無理している。でも、そうしたことによって描かれているものが変わっている、ということに目を向けないのは、いささか勿体ない気もします。

「身寄りがないからひきとる」というのは、外側の理由付けとしては完璧ですが、裏を返せば引き取る側は単なる偶然で相手を引き取ったにすぎない。でも、悟郎は違います。悟郎は紗那でなければ引き取らなかったし、紗那も悟郎だからついていったということが、ハッキリと示される。そのためには、紗那にも悟郎にも、他に手段はいくらでもあったのに、敢えて一緒に暮らすことを選んだ、という設定が必要だったわけです。ある意味、スタート時点から2人は恋におちていた。その展開として本作のやり方があまり上手くないというのは認めざるをえないところかもしれませんが、単純に他の類似作と比べて、「あっちのほうが理由がちゃんとしてるのにこっちは無理矢理感がするからダメ」というのは、少々乱暴。

ともあれそんなわけで、本作は年の差カップルの同棲ものとしての側面がかなり強くなっています。個人的にはキーとなる台詞が2つあって、1つは「好きだったから、よけいにわからないものなんじゃない?」という紗那の言葉。もう1つは、「どうすればいいかではなくて、どうしたいのか」だ、という由加利の言葉。この作品で描かれる、相手に向けられる「好き」と、自分の気持ちとしての「好き」のあり方がくっきりと出ている。どちらもとても良いシーンです。

また、由加利との恋愛がエロ有り(肉体的)になっていることで、紗那とのプラトニックな恋愛が際立つ仕掛けは上手。もの凄い年の差カップルという特殊な状況を通して、逆にどんな恋人にも共通する、普遍的な恋愛の「こころ」のあり方を描いた、後味の良い作品。ちょっと紗那に対する性欲が薄すぎて、恋愛ファンタジーだなとは思うのですが、若い人にはこのくらいのほうが楽しめるのではないでしょうか。……うん、ちょっと連載する雑誌間違えたかもしれませんね……。

というわけで本日は漫画の紹介でした。段々エロゲーの話が減ってきた気がしますが、もうすぐ月末なのでまた頑張ります。それでは本日はこの辺で。また明日、お会いしましょう。

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……という夢を見たんだ

先日発売された、『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER』シリーズ(シンデレラガールズのキャラクターソングCD)。自宅警備系アイドルといういまだかつてない斬新なコンセプトで売り出し中の人気アイドル、ロリニートこと双葉杏(ふたば・あんず)ちゃんのキャラソンがあまりにも凄いという噂を聞いて、早速私も買いに行ってきました。700円ならまあいいかな、という感じで。

杏
ソーシャルゲームやってないから、シリアルナンバーの使い道が……。これを機にやろうかしら。

で、早速聞いてみました。感想。これは酷い。(褒めてます)

歌のありとあらゆるところが、どう考えてもネタ。電波な曲は多々ありますが、歌詞で縦読みさせたり、ドラえもんのモノマネを入れたり、CD内で録音テープ流して口パク(カエダーマ大作戦)とかやっちゃうの、世界中探してもこれくらいじゃないでしょうか。も嫌ッスわ、はげしく。

そのくせ、テンポがよくちゃんといい歌になっちゃってるのがまた何ともいわく言い難い気持ちにさせてくれます。電波ソングというのはただ電波であれば良いというものではなく、中毒性を高められるように曲として出来が良いのも必要条件と言われますが、これ、充分その条件を満たしてると思います。

シンデレラガールズを全然知らなくて、完全ニワカの私が大騒ぎするのもどうかと思いますが、とりあえずこのCD1曲聞けば杏さまがどんなキャラか一発でわかるのがとても良いCDだと思います。トラック2のドラマも良かったですけど。どんな仕事もお断りのアイドルとか新しすぎる……。

完全なネタキャラのように見えますが、アイマスのヒロインたちって「演技していない」設定をストレートにだしてくるキャラですから、こういうタイプと相性が良いのかも知れないなと思いました。何というか、アイドルであることと人間(キャラ)であることがそのまま繋がっていて、アイドルである彼女たちを好きになる、というコンセプトなので、普通の生活がそのままアイドル活動として成立するという。美希と違って杏の日常には明らかにキラキラしたアイドルらしい部分なんて無いわけですが、それがアイドル性になるのって結構おもしろいなぁ、と。

ついでに、イラスト的に気に入った三村かな子嬢のCDも購入しました。こっちはまだ聞いていませんが、ショートケーキ持っていることと、「ショコラ・ティアラ」という歌のタイトルから察するに、お菓子系のドリーミー少女なのでしょうか。まあ楽しみにしてます。

こちらの記事(「アニメ!アニメ!」4月19日)によれば、4/17付の「オリコン・デイリーシングルランキング」でシンデレラガールズの5枚のCDが同時にランクインしたとのこと。700円というお値段も良かったのだと思いますが、本来4月18日発売のものなので、17日は先行発売。それで上位に食い込むのだから、凄い人気ですね。15000枚前後で5位とかに食い込めるようになったオリコンに一抹の寂しさを感るところなのかもしれませんが。

でもこの勢いなら今後もどんどんシリーズ化されるでしょうし、ファンならずとも注目したいところ。ソーシャルゲームやってなくても楽しめる企画が増えてくれると嬉しいな。

というわけで本日はこれまで。また明日。

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レビュー:『りぞばレポート』

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(c)カイコクソフト、2011 当ブログに掲載した画像は全てカイコクソフト様HPより転載した素材です。
タイトル:『りぞばレポート』(カイコクソフト/2011年12月31日) ※同人
原画:osa/シナリオ:上原明人・廣瀬一貴
公式:http://kaikokusoft.com/resoba/
批評空間レビュー投稿:済 → ネタバレ無
定価:2800円
評価:C(A~E)


批評空間さんに感想を投稿しております。ご関心ございましたら、上記リンクより拙文をご覧下さい。……というか誰も登録していなかったので、今回初めて自分でゲーム登録してみたんですが、うまくいってるのかちょっと不安。しかし、こんな良いゲームでも埋もれてるんですね。同人業界恐るべし。

なお本作の価格はパッケージ版のもので、DL販売ぶんについては2000円台前半。公式からアップデートパッチが配布されているので、プレイ前にはそれを充てられることをお薦めします。

▼攻略
一本道です。サブヒロインとのHを選ぶと、Hシーン後そのヒロインとのEDになってお終い。メインは愛莉とのお話。

▼物語
宮下恭也(みやした・きょうや)、18歳。高校時代最後の夏を迎えて、彼は焦っていた。――このままでは、「ひとなつの経験」すら味わわずに高校時代が終わってしまう!! 普通はじゃあ友達とナンパにでも行くか、くらいがせいぜいだと思うのですが、恭也くんはひと味違う。彼は、バイトでの出会いを夢見て、求人広告を漁り始めたのでした。そんな折、昨年バイトしたリゾート地の旅館から「今年も来てくれないか」という電話が。はじめは乗り気でなかった恭也も、「かわいい子が来る」と聞いて心変わり。意気揚々と旅支度を調え、船に乗り込んだのでした。ちなみにタイトルの「りぞば」とは、「リゾートバイト」のこと。

到着した旅館・海景館にはなるほど、かわいいどころ・きれいどころがズラリ。昨年からのスタッフで恭也とも顔なじみなのが2人。仲居頭の頼れるロリ型お姉さん、加瀬桜(かせ・さくら)。年下の見た目クール、中身お子様な地元娘、吉川碧(よしかわ・あおい)。そして今年初顔合わせのスタッフが、関西のおっとり女子大生(巨乳)、仲峰操(なかみね・みさお)と、北国出身の元気な同学年生、神代紗弥(かみしろ・さや)。テンションあがりまくりの恭也の前に、最後の1人があらわれます。それはなんと、同じ学校に通う隣のクラスの美少女、皆本愛莉(みなもと・あいり)でした。

離島のリゾート地で顔見知りと出会って驚く2人。気まずい空気が流れます。それもそのはず、愛莉は学校では「人を寄せ付けない才色兼備」なキャラで通っており、恭也からすれば近寄りがたい高嶺の花。一方愛莉は、人見知り+男性への苦手意識を克服するため、頼み込んでやらせてもらったアルバイト。お互い微妙な腹のさぐり合いを続けますが、やがてうち解けていくうちに、なんとなく仲も深まっていきます。さて、恭也の「最後の夏」には、どんなドラマが待っているのでしょうか。

▼感想
離島のリゾート地、旅館とくれば、Mielさんあたりの作品だったら、経営難に陥った旅館を金満富豪が買い取って、「肉姦溢れる接待」を展開するところですが、幸いにも本作の旅館・海景館は非常に繁盛している模様。凌辱モードには流れませんのでご安心あれ。

内容としてはありがちなボーイ・ミーツ・ガールもののですが、良い意味でシンプル。妙なヒネリ方をせず、恭也と愛莉の一途な恋愛という中心軸をずどんと通し、その周辺に魅力的なサブキャラクターを配置するという形で非常にスッキリとまとまっていて楽しめます。

片手では数えられないほどの告白を断り続けてきた難攻不落の要塞女・愛莉さんですが、実は夢見る普通の少女。ただちょっと、単に男が苦手なだけだったというベッタベタな設定が激しく良いですね。背後にはいじめやDVのように、特に重たい過去が無いのも、この手の作品としてはプラスポイント。

そんな彼女が苦手を克服しようと思い立ったところに、たまたま主人公が居合わせた。恭也としても、特に愛莉を狙っていたというわけではない。たまたま行ったバイト先にやってきた可憐な同級生を、なんとなく良いなと思いながら眺めていたという程度。そこには運命も、劇的なきっかけも無し。ボーイ・ミーツ・ガールだと言ったのは、そういう意味も含めます。描かれているのは等身大の若者の、甘酸っぱい恋。

女の子とつきあいたいのにつきあえない。ロマンチックな恋に憧れているけど男が苦手――それは、自分を受け容れてくれる相手を求めているのに、うまく自己表現できていないということです。そんな2人が、バイトでの交流を通してお互いに支え合いながら、理解しあって行く。他人に理解され、求められる喜びによって少しずつ距離が縮まっていく様子は見ていて微笑ましく、思わず応援したくなります。

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メインヒロイン・愛莉。不器用で人見知りで、ちょっぴりやきもち焼き。ほんまええ子やで……。

主に恭也の視点(時々視点は入れ替わります)でじっくりと描かれる日常からは、愛莉の新たな側面が次々に浮かび上がり、ユーザーとしても「おお、愛莉タンかわいいにゃあ」という気分になること請け合い。日常のシーンに応じて髪型を変えたCGを出すなど、細部への心憎い配慮も欠きません。また、サブキャラの魅力が高め。恭也と愛莉というしっかりした軸があるので、サブキャラたちがフラフラすることなく、バッチリ作品内での役割を果たしています。そして、きちんと役割を果たしているキャラというのは、えてして魅力的。「これ以上やったらくどくなるな」という絶妙のラインで、さっと身を翻してユーザーの手をすり抜けていくので、思わず追いかけたくなります。追いかけるとHした後、一応個別EDがあるのですが、基本は愛莉とのラブ・ストーリーなのでBADEND扱い。とはいえ別に誰が不幸になるわけでもないので、安心して浮気できますが。

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仲居バイト3人衆。朝なのでみなさんすっぴんでぬぼーっとしています。

というわけで、愛莉との恋でがっちり軸を固定し、魅力的なサブキャラ(Hシーンつき)を配置することで外枠を固めた盤石の構成。途中でHをするとアウトというのが象徴的で、清く正しいプラトニックな恋愛を楽しみたい人向けの、前向きでさわやかなストーリー。くり返している通り「シンプル」なので飛び抜けて目立つ脚本というわけではありませんが、キャラクターの魅力を丁寧に膨らませることで、充分楽しめる出来になっています。ストーリーよりもキャラクターを追いかけるタイプの作品だと言えるでしょう。

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クール系かと思いきや、小動物系だった碧ちゃん。本人自覚ありませんが、とってもものに釣られやすいタイプ。

キャラの見所としては、なによりosa氏のグラフィック。氏の描く少女たちは非常に可愛らしい。テキストだけよりも、何倍も魅力を高めていると思います。個人的に小さな難があるとすれば、CV。特に操役の佐倉いのさん。フォローではなく、雰囲気は合っていたと思います。ただ、演技がどうこうではなく関西弁がいまいち(関西出身の方だったらごめんなさい!)。

関西人は関西弁にうるさいと、「コナン君も言っているでおまんがな」状態なわけですが、これは多少テキストのせいもあるかなあ。関西は「そうじゃなくて」の「じゃ」とかを「や」と言う(そうやなくて → せやなくて/せやなしに)とか、結構細かい関西弁のスタンダードから外れていたように思いました。いや、勝手に操さんが京都の人だと決めつけてるんですが、関西つっても広いので違う地域の方だったら大変失礼と知りつつ、やっぱり関東弁と関西弁がイントネーション的にもテキスト的にも混ざっていた感じに違和感が拭い切れませんでした。作品的には非常にどうでもいい部分なので、だからこの作品がダメだとか大きく評価下げるということは無いのですが、何となく操に乗り切れなかったのはたぶんその辺が原因です。うるさいのは関西人の特徴でおまんがな(笑)。

まあ、その辺の瑣末なことを措けば全体的にしっかりまとまった良作。特に、奇抜なことをせず地に足をつけた描写と演出で、やるべきことを絞って作られているところがポイント高いです。劇的なストーリーを求める人に薦めることはさすがに出来ませんが、のんびりしたラブ・ストーリーを堪能したいという人には迷わずお薦めします。

というわけで、先日の『柊鰯』に引き続いて、良い同人作品と出会えました。感謝感謝。しかし、これどう考えても夏の作品だと思うのですが……冬コミで出たのは、大人の事情なのでしょうか。

それでは、また明日。

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レビュー:『僕らはみんな河合荘』

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宮原るり『僕らはみんな河合荘』(少年画報社、平成23年)

『恋愛ラボ』などの4コママンガで知られる宮原るりさん初のストーリーコミック。北高に通う男子高校生、宇佐(うさ)くんが視点人物(名前はたぶん、まだ出てきていません)。

両親の転勤によって安アパート「河合荘」で一人暮らしをすることになった宇佐。クラスの「変人」たちの担当をさせられ、「変ショリ」とあだ名をつけられた中学時代の思い出を払拭すべく、「自由な新生活」で青春を謳歌することを夢見るものの……。たどりついた河合荘は、変人たちの巣窟だった。穏やかな暮らしを求め、河合荘を出て行こうとする宇佐。しかしそこには、一目惚れした可憐な先輩、河合律(かわい・りつ)も暮らしていて――。結局、入居を決めた宇佐と、河合荘の愉快な住人たちが織りなす、心温まる(あと、ちょっと下品な)物語です。

ストーリーものなのですが、4コマ出身という出自ゆえか、1話のうちでツカミ→オチがくり返され、こまめに場面が展開します。かといって4コマを繋げてストーリー仕立てにしたようなブツ切れ感はありません。全体的にとても読みやすく、歯切れの良いテンポで進行します。

絵柄は見ての通り(カバー絵との乖離はあまりありません)。少女漫画よりの線の細さで、あまり描込みをしないタイプ。多くのコマはキャラ中心で、背景無しかトーンのみというのが結構多いです。そのぶん、勝負所のキャラの表情や態度はわかりやすく表現されていて好印象。第4話のシャボン玉のシーンと、第8話の麻弓がキレるシーンがとても好き。

人によってはタルい恋愛に感じるかも知れませんし、宇佐が律に惚れるのもほぼ一目惚れのように見えます。けれど、ありがちなボーイ・ミーツ・ガールとはちょっと違う。宇佐は一度は律についていけないと思うし、律も最初は宇佐と距離をとっている。そんな2人が、共同生活の中で少しずつ接近していくわけです。それを支えているのは、相手のことを「知りたい」という想い。

「変ショリ」の宇佐の良いところは、相手にただ「変人」というレッテルを貼るだけではなく、そのうえでなお、相手の真意をくみ取ろうとするところです。「一人は嫌いじゃないのに、「一人だ」って思われるのは嫌で……」。そう呟く律は、誰かの理解を拒んでいるようで、むしろ理解してほしいと願っています。彼女は、ただしく自分をわかってくれる人を求めている。そして、宇佐は彼女を理解しよう、理解したいと思う。好きだから知りたいのではなくて、ただ知りたくて、知っていくことが恋として描かれています。『僕らはみんな河合荘』に描かれているのは、そんな穏やかで優しい気持ち。

他の見所としては、余り穏やかではない下ネタの数々も挙げておくべきでしょうか。ヘタレMのロリコン、社会的には真っ黒だけどあだ名はシロこと城崎(しろさき)の変態ネタはかなりトバしてます。管理人・住子さんとのタッグが絶妙。あんまりずっとこの調子だとさすがにお腹いっぱいになりそうですが……。

軽やかに流れる日常と優しい気持ちを楽しみながら、下ネタに舌鼓を打つ。そんな、ちょっとした息抜きに最適の作品です。現在まだ2巻までしかでていないので、追いつくのも簡単。ハードな日常に疲れたナー、軽いタッチのラブコメ無いかナー、という方はどうぞお試しアレ。

それでは本日はこの辺で。また明日お会いしましょう。

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《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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