よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

エロゲーの「長さ論争」に思う

MK2さんのブログ、『24時間残念営業』の「単なる一消費者のわがままとして」という記事が話題になってます。

エロゲー世界の北の端っこくらいにかろうじて蜘蛛の糸でぶら下がっている私のところにも、さまざまな感想とともに回って参りました。そんなわけで、今回はこの記事を元ネタにして考えたことを書くことに。

全部書いてるといつもどおりヨレヨレで何が言いたいかわかんなくなりそうなので、今回はちょっと論点を絞って書こうかなと思っています。論点自体は絞ったけど、やっぱりグダグダになりました。ただ、よれて見えるぶん元記事にも言及しながら問題を切り分け、微細な部分をなるべく丁寧に拾ったつもりです。グッと堪えて飲み込んでいただけると幸いです。

▼問題の所在
最初に断っておくと、私この記事そのものについては別段なんとも思わないというか、「良い文章だなぁ」くらいの感想です。あと、『ひなたぼっこ』は私も大好きです。FDも良かった。

ただ、この記事が「エロゲーの将来の展望」とか「可能性」のように言われているのを頻繁に見かけまして、「それはちょっと違うんじゃないの?」と思ったのです。

同じブログ内の他の記事なんかも拝読したんですけど、書き手のMK2さんはものすごい「語る範囲」を正確に絞って(あと、時々巧妙にミックスさせながら)文章書かれる方ですよね。んで、タイトルが「単なる一消費者のわがままとして」なわけでして、そこから業界の展望の話に行くには、ちょっと考えるべきこともある。さしあたっては単にこの方が、そういうエロゲーほしいですという話であって、私が触手触手言ってるのと、究極的にはそう変わらない。

変わらないんだけど、巧妙に「一般的な話」を混ぜてるのがお見事と言いますか。社会人になって時間が……とか、かつてほどの熱意が……みたいな話ですね。トドメに、「この感覚は決して俺だけのものではないと思っている」という一言。一般的な話を織り交ぜることで話はぐっと理解しやすく、また共感もしやすくなる。

また、エロゲー業界に対して悲観的な展望を語った、nbkz氏(minori)のインタビュー記事、「平均年収は300万円以下?! 衰退化が止まらない美少女ゲーム業界の現状」に冒頭で言及しておられ、そこからずれていく様子が半ばカウンターのように書かれていることもあって、「エロゲーのこれからに関する可能性」を示唆しているようにも見えたのではないか……とも思います。わかんないですけど。

ただこれ、繰り返しますがやっぱり「一消費者のわがまま」なのであって、「個人の希望」ではあっても「業界の希望」の話ではない。少なくとも、個人と業界の間にある溝を埋めていくと、この記事から見えてくるのは、nbkzさんの記事以上の、暗い展望ではないか、というのが私が今回、この記事を書くに至ったモチベーションです。その理由は、読んで頂ければ早いのですが見通しだけ申し上げておきます。

(1)エロゲーを短くすることは必ずしも業界の現状打破にはつながらないのではないか。
(2)そもそも現状において、まず「長さ」にこだわっていて良いのだろうか?

という二点。では、見て行きましょう。

▼「ライトユーザー」は業界の「救世主」たり得るか
いまユーザーのニーズとして「短いエロゲー」が望まれているということ。これは非常によく伝わって来ました。そういう人たちをここでは、(一般的な用法とは違うかもしれませんが)「ライトユーザー」と呼ぶことにしましょう。lightさんのユーザーのことではありません。MK2さんの言い方を借りれば、「「飢えるように」フィクションを求めているわけではな」くなり、エロゲーも「相対的には熱意は下がったわけだが、趣味としては充分に機能している」ような状態の人。

ライトユーザーからの要望として、自分たちはエロゲーを楽しみたい。でも生活環境的に楽しめない。だから自分たちにあわせた作品があったらいいなぁ。MK2さんの記事というのは、そういうことだったかと思います。そして、こうしたユーザーの声に、昨今のエロゲーの低調さというのがうまく噛み合うように見えた。業界の方を巻き込んでこの話が大きく広がった裏には、そんな事情があるのかもしれません。

もうちょっと具体的に言えば、いまエロゲーが売れない。売れないのに「大作」を作ると開発費と時間だけはかかる。つまり「今のままではやっていけない」という危機感が、作り手の側にある。この辺りは、MK2さんが引用しておられるnbkzさんのお話と逆(nbkzさんは結局は年間1本でユーザーが満足するのを出すのがベストか、みたいな話をされているので)のようにも見えますが、たとえばOVERDRIVEの社長が先日、こんな記事を書いておられました。これなんかは既存の方法ではやっぱり限界があるということで、その点についてはnbkzさんも認めておられるのではないかと思います。

つまるところ、こうした閉塞を何とかするために、エロゲーから離れつつあるライトユーザーの取り込みを図りたいという考えが出てくる。すると、ちょうどそういうユーザーは、「大作」を望んでいないという声があがった。これ幸い、渡りに船と、「ライトユーザーのニーズに合わせるのも1つの選択肢ではないか」みたいな主張を積極的に打ち出した……というような話が今回のことなのかな、と。

しかし、本当にこの二つって簡単に結びつくのでしょうか。

というのは、MK2さんの方の問題意識って「エロゲーに段々関心持てなくなってきた」っていう話じゃないですか。ものすごいざっくり言うと。「長いからエロゲーをやめた」んじゃなくて、「エロゲーに対する比重が軽くなったから、長いのをやらなくなった」わけですよね。MK2さんのお言葉を借りれば、「「本当に大好き」ならばどんな状況でもやるわけだが、現在の俺にとってエロゲはそういうものではない」。

これたぶんすごく重要なポイントで、要するに(ここで定義した)ライトユーザーの人たちって、そもそもエロゲーにこだわる理由がまず無い。あるいは無くなりつつある。もっといえば、アニメとかラノベとか、そういうので代替可能なものとしてエロゲーを扱ってるということです。そして、エロゲーにこだわる理由が無いってことは、すぐにそっぽを向いて違うコンテンツに走る可能性が十分にある

それが悪い、と言いたいのでも、エロゲーに忠誠誓ってる俺SUGEEEと自慢したいのでもありません。そういう話だと思って読んでる人はお引取りください。言いたいのは、純粋なユーザーの傾向(あるいは嗜好)の違いです。

エロゲーというコンテンツ自体に特にこだわりがないということは、他のコンテンツと容易に比較されるということです。エロゲーで抜くこともなく、ADVという形式にこだわりもなければ、当然アニメやラノベが比較の対象として浮上してくるでしょう。その時、エロゲーというコンテンツはどれだけ、他の媒体に比べて「優位」を保てるのでしょうか?

これと似たようなことを、minoriのnbkzさんも言及しておられます。「スピード感」だとか、「支持層ではなく購入層が違う」というあたりのお話ですね。私は、これ結構その通りだろうと思う。

エロゲーとラノベやコミックスではフォーマットが大きく違う。たとえばエロゲーにはインストールの手間がかかります。お金だってかかる。PCだと、スペックの問題とか場所の問題とかも出てくる。ちょっと乱暴にまとめると、ラノベやコミックスで代替可能なものをエロゲーで提供したところで、競争になったら負ける率が高い――少なくとも、積極的にエロゲーを選択する理由が少ないのではないか。

ライトユーザーというのは、生活時間の変化や金銭的な事情、あるいは情熱の低下など、さまざまな要素によってエロゲーの中心から距離をとっている人びとです。そんな彼らが、エロゲーのプレイにかかるもろもろのコスト(手間)を惜しむこと無く、他の競合するコンテンツを押しのけてエロゲーを消費し続けてくれるかというと、私は結構怪しい気がする。これから先、景気が悪くなっていったら、まっさきに切られる娯楽かもしれない。

だからライトユーザーのほうを見るな、と言っているのではありません。それだけは誤解しないでほしい。そうではなくて、ライトユーザー的欲求を、エロゲーの作り手の方が有効なかたちで反映するというのは非常に大変ではないか、ということです。なんたって、既に飽きつつある人(それだけではないかもしれませんが)、エロゲーを第一だとは考えていない人を、うまく飽きさせないようにしながらエロゲーというものに接続させないといけないのですから。本質的な問題は「プレイ時間がかかるかどうか」というところになどなくて、根本的な魅力の組み換えが必要なのだと思います。

ちょうどネットゲーム業界では、ソーシャルゲームがその役割を担いました。「ネットゲーは時間がかかりすぎるから」と言っていた人びとが、それ以上の時間と金を、ソーシャルゲームにつぎ込んだりしている。もちろんカジュアルなプレイスタイルを構築することで「時間」の要求には応えたわけですが、それ以上の根本的な魅力を提出することによって、ソーシャルは時代の寵児たり得たのでしょう。

エロゲーでも、そういう「新機軸」を打ち出す必要が、おそらくはある。そうでないと、本当に一時的には「お手軽」な作品に満足を覚えても、(手軽なだけに何本もできるので)やがてマンネリを感じて「飽きた」と言い出すか、他のもっと手軽なコンテンツに乗り換えていくか、リアルが忙しくなって撤退していくか……という先細りの未来が待ってるように思われます。それならまだ、既存のヘビーユーザーからむしり取ってるほうが楽だし確実だと思います。もちろんついていけないくらい絞っちゃうと焼畑農業にしかならないので、生かさず殺さずで。

まあこれぞ、nbkzさんがおっしゃるところの「タニマチ商法」ですね。nbkzさんは、上に述べたような「新機軸」を打ち出すことの困難をおそらくは強く意識しておられるのだと思う。だからこそ、エロゲーはエロゲーらしさをより掘り下げていくという方向を、1つの案としてではあるけれど提示した。そしてMK2さんもまた、「これが実現できるかっていうと、まさに「できない」というのがリンク先のインタビューの話なわけで、俺が言うことは絵空事に過ぎないわけではありますが」と自己言及しておられる。

あともう少し考えを進めれば、もしライトユーザーにあわせていったとして、その結果できあがった市場が、「どうしてもエロゲーじゃないと!」と考えていた層(「ヘヴィユーザー」とでも呼びましょうか)にとって魅力的かどうかという問題もあります。エロゲーへの依存度が高い人は、生半可なことでは離れないから多少放置しても平気かもしれませんが、当然行き過ぎるとそっぽ向かれる可能性はある。

ライトユーザーにターゲットを移したけれどすぐに飽きられ、気づいたらヘヴィユーザーも情熱を失っていた……というのは、ある種考えうる最悪の自滅シナリオではないかと思います。

この記事から見えてくるのは、したがって、現状の閉塞打開への手がかりよりもむしろ、ユーザー、特にライトユーザーの望んでいる方向性というのを実現しつつエロゲー界隈に残ってもらうことの困難であり、同時にそれを何とかしなければnbkzさんが言うところの「タニマチ商法」に頼っていくしか先が見えない、苦しい現状なのではないでしょうか。まあ皆さん(特にクリエイターの方は)、そんなこと百も承知で読んでおられるのかもしれませんが。

▼こだわるべきはまず「長さ」なのか?
さて、思いのほか一つ目の問題が長くなってしまいましたが、次の話に移ります。もう少しお付き合いください。

もうひとつの問題というのは、MK2さんの記事内容そのものからは少し離れまして、これが読まれている現状に関する話、もう少し具体的に言えば、エロゲーユーザーと、クリエイターの意識に関わる問題です。ゲームクリエイターでもない、作ったこともない私が作り手の意識に言及するなんておこがましいにも程が有るのですが、あくまで「作り手の態度から演繹される、ユーザーから見た作り手の意識」であって、実際のそれと必ずしも一致するとは思っていません。また、自身が論説系とはいえかきものに携わる身としては、畑違いかもしれませんが一応、無関係ではないという意識もございます。

たとえばですけど、ある学生街に1000円で凄いボリュームの定食があるとします。で、昔は体育会系の学生が多くて、この定食がバンバン売れていた。ところが最近になってそういう学生は減り、お客さんも貧乏学生やサラリーマン(ワンコイン族)が増えた。材料費も、昔と比べると随分かかるようになった。周囲では最近、サイ○リヤとかラーメン屋とか移動弁当屋が人気で、この定食屋としてはボリューム減らして500円くらいの新しい定食だしたほうが売れるし生き残れるんじゃないか。少なくとも今のまま、1000円の定食出し続けるのはキツい……。

で、「おやっさん、ボリューム多いと思うよ」っていう人に対して、「だよねー。俺もそう思ってたんだよねー。いやマジ、あの体育会系の学生たちは図体も声もでかいし、数も多かったからずっと出してきたけど正直無理があると思っててさ。やっぱりこれからはよく食べてくれる普通の人に向けて、量も減らして値段も下げて、500円くらいの軽食をメインでやっていこうかと思ってるんだよ」って言ってるの聞いちゃったら、好きで通っていた体育会系学生としては、傷つくところもあるわけじゃないですか。

また個人的な感傷とは別に、「え、これまでお店で出してたメニューをそんな簡単に方向転換しちゃえるような、そういうこだわりで作っていたの?」というのもちょっと気になります。定食やめてラーメンやりますとか、バーガーショップにしますっていうのは、生き残ることを考えたらわからんでもないけど、いままで出していたものは本当に「道具」だったんだなぁと。

私はそういう転身をやむなしと考える部分もある反面、ちょっとした寂しさも覚える。それはおそらく、提供されるものが「商品」なのか「作品」なのかということに由来するのではないかと考えます。

この辺りの問題って言うほど単純ではなくてかなり複雑なんですが強引にまとめると、商品という側面を大きく取れば、ユーザーのニーズにあわせたものを出すというのはわかるけれど、創作物という側面を大きくとるのなら、ニーズにあわせたものばかり出てくるのは面白く無い……といったところでしょうか。作り手の人が作りたいものを作って、それを見たいのだ、という思いも強くあります。

下は、ALcotのみやぞうさんのツイート。これなんかはリサーチも踏まえて非常に「戦略的」に長さを決定しているようですが、「作り手も冒険しやすかったりもしますしね」という最後の文言からは、むしろ作りたいもののために長さのほうをあわせた、という作品性本位の印象を受けます。


もちろんバランスの問題ではありますけれども、それこそ「いち消費者」の立場として言わせてもらうならば、私は作り手の人が自信を持って送り出した、そして「これがやりたかったんだ」と思って送り出された作品をやりたい。別の言い方をすれば、市場の動向がこうだから……というようなことで作り手の人の意識が過分に曲がってしまうようなことは、あまりあってほしくないなぁ、と。もしもエロゲー市場というのがそればっかりになってきたら、野心的なクリエイターは皆、エロゲーから離れていってしまうでしょう。(なお、みやぞうさんはこの後、「勿論規模の大きいタイトルもあるべきですよ。選択肢は多い方が良いです。多様性が無いと業界が死にますしね。」ともおっしゃっておられ、これはある意味、単一のターゲットに絞ることの危険を意識した発言であると思われます)

そのように考えた時、「ユーザーが望んでいるから長く/短くしよう」というのは、商品における誠実さである一方、その裏返しとして作品としての不誠実さ(キツい言い方ですが、他に思いつかなかったので)にも見えてしまう。ふつうに作品本位で考えたら、「この作品に必要だったのはこの長さなんです」ということですから。下に引用する元長柾木さんのツイートは、「人生」という喩えで簡潔かつ的確に、作品と作家との関わりの本質を言いとっておられます。


こりゃまったくその通りで、たとえば私が自分の書いた文章――それはこのブログの記事も含めてですが――を、本気で書いて、これ以上は付け加えることも削ることも無い、という自負のもとに送り出したとして、それを「長い」とか「短すぎる」といわれたら、その批判は受け入れたとしても、簡単に変えようとは思わないだろうと思います。私ですらその程度のこだわりはあるのですから、況やプロのライターさんをや。

実際問題、「本当は3キャラにしたかったのに、ユーザーが満足しないから5キャラになった」とか、「このくらいの長さにしたかったけどユーザーから不満が出るのが怖くて長くした」みたいな話って、誰も幸せにならないですよね。ユーザーからするとそれって(もちろん「サービス」として肯定的に受取ることもできますが、どっちかというと)、本当はやりたくなかったのに水増ししたのかっていう印象。作り手の側からしても、自分がやりたかったことの本意を曲げて妥協したうえに、体制的にも無理して作ったということになります。それはどちらも、とても哀しい。

エロゲーのライターでもありラノベ作家でもある橘ぱんさんも、次のような言い方で、誰も望まない方向へと業界が進みつつあることに警鐘を鳴らしておられます。


いまエロゲー業界のプロ意識は、商売ということについて主に発揮されている。でも、表現ということに関して言えば、妥協してしまっている。そんなふうには言えないでしょうか。それは、ユーザーを説得するだけの作品を作り続けられなかった作り手の側の問題でもあり、またそういう作り手を支えられなかったユーザー(市場)の問題でもあると思いますが、責任をゴタゴタ言うのは不毛なのでここではやめておきましょう。

多様化するユーザーの要望に、どう応えるか。積極的に聞き入れてユーザーの希望に適う作品を作るのか。あるいは、「これが作品に必要なのだ」とつっぱって、いままでやってきたことの魅力をより的確に伝えるようブラッシュアップするのか。行き着く先はおそらく、作り手の側が作品に対する最適なスタイルを自己決定しづらい現状をいかにして打開するか、というところです。エロゲーの「長さ」問題というのは、そのような根深い問題の、あくまでも1つの典型的なあらわれにすぎないのではないでしょうか。

▼まとめにならないまとめ
上に挙げたような二つの問題の直接の原因は、作り手の、あるいはユーザーの持つ多様な価値観を受け入れるだけのフトコロの深さみたいなのが、なくなりつつあるエロゲー市場の脆弱さなり縮小化なりというところになるのだとは思います。そして私は1ユーザーである以上、直接かつ効果的な業界への貢献なんて大それた真似はやはりできません。

せいぜいが、エロゲー買って、良いと思った作品を「良かった」と言い、ダメだと思った作品については「ここ良くなかった」と率直な感想を言って、ああ楽しかったと満足するのが関の山です。もちろんそれだけでは成り立たなくなっていった現状をユーザーとして重く受け止める必要はありますが、結局のところ業界の舵取りをするのは現場の人でしかないわけで、問題意識を手放すつもりはないけれど、そこに自分が参与できるとは思わないし、思ってはならないのだと考えている。業界から離れていった人を批判したり、あるいは彼らへ働きかけて呼び込むなんてのは到底無理。そもそも、いまはエロゲーマーの間で内ゲバやってる場合じゃないので、思想的対立(笑)とかどうでもいいです。

じゃあ、私は何をするのか。個人的にはまず「基本」に立ち返ろうと思っています。

「基本」というのは、エロゲーをガンガン買うことでも、感想を言うことでもありません。もちろんそれらは最終的にどこかには含まれてくるかもしれませんが、一番の基本ではない。基本は、何よりもまず、エロゲーを楽しむということ。楽しい気持ちでゲームをすること。開き直り、あるいはふざけた肩透かしにしか聞こえないでしょうか。そもそも、それができないのが問題じゃねぇかって話ですからね。でも、作り手の人を信頼し、感謝して、できあがった作品をいろんな意味で楽しみながらプレイすることこそが、いま現役でエロゲーをプレイしているユーザーとしての、まずもって欠かすべからざる関わり方ではなかろうかと思うのです。

おしまい。

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成人向け作品はナチュラルに見下されている?

先日ニュースになった、某漫画家さんの事件。コンピュータソフトウェア倫理機構(EOCS)さんのページにはこんな感じのことが載せられていました。

《参考》
Sh○reで著作物をアップロードした漫画家を逮捕(神奈川県)」著作権侵害に関するニュース(2013/02/28)

この漫画家さんが神保ひとでさんだとか、まあそういう話はおいときまして。問題は、次の文章です。

2013年2月のエロゲー祭りPart2

今月は22日(金)に引き続き、28日(木)にもエロゲーが発売されるということで、やっぱり秋葉原の町へ出かけてきました。購入したのは『僕天』、『ハピメア』、『恋の話と』、『ラヴレッシブ』、『ヤバい!』、『突怪3』、『サド部』。結構ヘヴィやで……。先週のもまだインストールできてないのに、終わるんでしょうか。終わらない現在を生きるしかない……。

本日は発売記念イベントあんまり無かったのですが、目玉は『ハピメア』のガラポン抽選会。1等がサイン色紙。2等がサイン入りクッションカバー。あとは参加賞のメッセージペーパーというラインアップ。

私が参加したときは、既に白玉(ハズレ)が山のように重なっていまして、「これホントに当たりでるんですか~?」みたいな失礼なことをおねーさんに聞きながらぐるっとクジを回すと、なんと銀の玉がぽろっと。

「あ、おめでとうございまーす」がらんがらん(鐘の音)

という感じで、2等のサイン入りクッションカバーを引き当ててしまいました。 ぶっちゃけ色紙が欲しかった 凄く嬉しいです。ありがとうございます! しかもどうやら一発目だったらしくて、キャラ選び放題。ビッチさんにしようかと思ったんですが、なんとなく色合いとかデザインで有栖ちゃんを選択しました。

ハピメアクッションカバー
中央一番上に、克先生のサインが入っている。

しかし、よくよく考えると私、コミケでも有栖クッションカバー買ってるんですよね。どんだけ有栖好きやねん……。別のキャラにしとけばよかったかなーとか色々思いましたけれど、家に帰ってこうやって開いてみると、やっぱりこれが正解だった気がします。主に股間的な部分で。

サイン入り布モノって初めてで、どうやって保管したらいいのかとか飾り方とか良くわかってないんですが、有識者の人に訊きながら大事にしたいと思います。控え目に書いてますけど、ぶっちゃけ克先生大ファンなので、かなり喜んでます。ホンマに良かった……。

で、そこで運を使い果たしたのか、『僕天』のライブイベントは見事に外れました。他には『サド部』のイベントもあるみたいですけど、これは一週間後ですね。レシート忘れずにとっとけるかな……。

なんか結構サイングッズ系のヒットが最近多くて運気が上向いて来てる感あるんですが、今回サイン色紙欲しかったなっていうのは割と本音で、というのも私、こんだけエロゲーやってんのに原画家さんが直接キャラの絵を描いておられる色紙って一枚も持ってないんですよね……。スケブ等も含めて。複製色紙に直筆サインとかはいっぱいあるんですけど、死ぬまでに一枚くらいは、好きな絵師さんの直接描かれた色紙欲しいなぁと思っておりまして。実にちっちゃいですけど、密かな夢。

こういうのって運とタイミングですし、普通にサイングッズあたってるだけでも贅沢なことですから嘆くのもどうよって話ですけど、10年以上エロゲーやってて一回も縁がないってことは、このままあと10年、20年経っても駄目な可能性高いんじゃないかなぁとか、いろいろ考えちゃったりもしちゃうわけで。

まあこれからもエロゲーマー続けながら、チャンスを待ちたいと思います。まずはバナーキャンペーンからかな……。

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リアルにも選択肢が欲しい

先日の話なんですが、地下鉄乗ろうとちょっと急ぎ足で人通りの少ない坂道を歩いておりましたら、前からスマホいじってるおねえさんが歩いてきまして、それがこう、見事にすっころんだんですよ。私の目の前で。スコーンと。理由はわかりません。何かにつまずいたのか、単なるドジっ娘だったのか。

うわあ、漫画みたいだなぁと微妙な感慨にふける間もなく、私の足下に、彼女がいじっていたブルーのスマホがこう、滑るように転がってきまして、受験シーズンなのに縁起悪いなぁとか、いらんことを考えながら拾い上げました。いろいろ情景描写をしていますが、実質この間2秒とか3秒とか、そのくらいです。たぶん。

で、急いでる私としてはこれをさっさと渡して立ち去りたい。しかし、肝心のおねぇさんはいまだすっころんだまま。怪我でもしたのかな……だとしたら声かけたほうが良いけど、助け起こすのはシャイボーイの私には難度高いなぁ……とか思っていたら、おねえさん、すっくと立ち上がりまして、ぱんぱんと、ベージュのコートをはたいて汚れを落としはじめました。

おお、どうやら大事にはいたらなかったようだと私もひと安心いたしまして、立ち上がってるんだから大丈夫ですかも無いだろうということで、「災難でしたね」だか「大変でしたね」みたいなことばをかけながら、スマホ(電気つきっぱなし)を裏返しにして差し出したんです。

すると、おねえさん、「ありがとうございますぅ」って返事してくれたんですけど、なんか見てるこっちが申し訳なくなるくらいに顔が真っ赤にならはりまして。「うわぁ、これは声かけるタイミングとかかけ方とかミスったかぁ」という気持ちに。なんかこういうのって、特に恥ずかしがる理由は無いと分かっていつつも、猛烈に恥ずかしいんですよね。階段でずっこけるとか、病院の待合室で眠っちゃって、夢で段差ふみはずしてガクッとなって目が覚めるとか。できることなら何事も無かったような顔でやり過ごして、他の人にはノータッチでいて欲しいものです。

こける直前までスマホいじっていたように見えた彼女が、果たして私の存在に気づいていたのかどうかわかりませんが、ともあれ誰が見てようが見てまいが、「なかったこと」にしようとしていた矢先、「ニヤニヤ。みてたぜー」みたいなこといって声かける奴が出てきたんですから、そりゃ不意打ちくらって恥ずかしかっただろうと。ちょっと行動判断ミスったなぁ。

いや、さりとて他にどういう選択肢があったかわかんないんですけどね。二択か三択にしてくれたら何とかなったかもしれません。あれです。エロゲーなりギャルゲーなりで、対人コミュニケーション鍛えてるつもりでも、クイックセーブもオートセーブもなければ、肝心なところで選択肢も出てこない クソゲー リアルでは訓練なんて何の役にもたたんという見本。シット。

ちなみに、エロゲーマー的にはこういうイベントはあきらかにフラグなんですけど、おねーさんと私の間にはそういう桃色空間は一切発生せず、私はそのままメトロに乗って男臭い仕事場へ向かったのでした。

ホントに、リアルでも選択肢機能くらい実装してほしいです。『瞳の烙淫』みたいな感じで。ええい、パッチはまだか!

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エロゲーマー世代間格差

最近立て続けに、若い――ぶっちゃけ20歳になったばかりくらいの――エロゲーマーの人とそれなりに突っ込んだお話をする機会がありまして。あ、突っ込むって別にエロい意味ではないですよ。んで、そのたびに言われたのが、「昔のエロゲーを知ってる世代の人が羨ましい」と。それぞれにニュアンスは違いますが、2000年以前の、いまでも頻繁に言及されるような著名な作品をプレイできていたのは羨ましいのだ、と言うのです(オッサンに気を遣ってくれた面は多分にあると思いますけれども)。具体的には『Yu-no』や『同級生2』のようなDOSゲーから、LeafVN三部作、『MOON.』『ONE』のようないわゆる(系譜的な意味での)鍵ゲーなんかの名前があがりました。

なるほど、言われてみればそんなものかもしれません。特に1995~2000年頃というのは(売上額的に見れば)エロゲーの勢いが最も盛んだった時期ですし、Windows95の登場とともに表現の幅が大きく広がり、現在の作品群のもととなったような意欲的な作品が名を連ねています。いまのエロゲーを好きになって、その過去の足跡を辿りたい……とか、そんな風に考えた時、リアルタイムで経験している世代というのはなんとなく特別に見えるのかもしれない。

まして、MS-DOS時代の作品とかになると、現在プレイ環境を整えるのが難しいようなものもあります。誰でもが気軽に踏み入れる領域じゃなくなったぶん、「秘境」みたいなイメージができあがり、そこへ行ったことがあるというだけでハクがついてみえたりするんでしょうか。本場アメリカの空気を吸うだけで高く翔べると思っていたバスケ青年みたいに。

ただ、こういう感覚は私からするとちょっと意外というか、私はむしろ、いまの若い世代のほうを羨ましいなぁと思っているところが結構あったんです。

たとえば、私の世代ですらエロゲーマーというのは日陰者というか、いまみたいに堂々とおひさまの下を歩ける感じではなかった。『To Heart』がメディアミックスに成功して一気にアニメ化とかもしましたけれども、それでも深夜の枠だったので各方面に憚りながらコソコソみていたくらいです。昨今は割と堂々とその手の話ができる! ……羨ましい。そこそこ年食ったエロゲーマーが集まると、昔の作品の話で盛り上がるのは、過去にそういう話を存分にできなかったうっぷんを晴らしている……のかもしれません。しらんけど。

あと、コミュニティの広さもあります。そもそもリアルではエロゲーやってる知り合いなんてほとんどいなかったし、ネットなんてものもろくすっぽ普及していなかったので、大学入って暫く経つまでは、本当に2、3人の「同士」たちと行動を共にして、あとはエロゲー雑誌を擦り切れるまで読む、みたいな状態。『こみっくパーティー』とかを、もうちょっと遅らせた感じというか。

いやまあ、単に私のリアルでの立ち回りが悪かっただけかもしれないですけどね。でも、その辺を抜きにしても、メーカーのOHPすらそんなに整備されておらず、エロゲーのコンテンツを楽しむという意味では、いまのほうが圧倒的に恵まれていると思います。体力的にも時間的にも記憶力とかも充実していて、また制作側の主なターゲットでもある18歳から20代前半、エロゲー的「ゴールデンタイム」を、そういう恵まれた環境で過ごすことができることは、非常に幸運ではないかと思います。

それとは別に、若い人へのレスペクトみたいなのもあって、たとえば私みたいなオッサンちょっと歳のいったお兄さんはもう、最新作をしゃにむに追いかけてプレイするみたいな情熱をなかなか持てないんですよ。時間も確保しづらいし。『おっぱいリコレクション』もまだインストールしてない有様。昔なら即日やってたでしょうに。

でも、いまの若い人たちはこう、最新作バンバンやり、同時に昔の有名な作品も、中古なりDL販売なりで安くなったのをガンガンプレイしてたりする。一部の熱心な人だけかもしれないけど、そういうエネルギーには憧れるし、同時にエネルギーのはけ口がきちんと用意されているという環境に、少しではありますが嫉妬も覚えます。

作品のクオリティーだって単純に声がついたりCG面で綺麗になったりでぐっと向上していて、20年後とかに振り返ったとき、そういう作品を原体験として持っているのはやっぱり良いことじゃないですか。

まあ結局何が言いたいかというと、時代状況的なものってどうしようもないというか、いいところもわるいところも、当然あるものだと思うんですよね。J-POPの流行みたいなもんです。私の世代はミリオンヒット続出してたけど、だからってその時代はなんでもかんでも良かったわけではない。隣の芝生は青く見えるというやつで、なかったもの、失われたものに目を向けているとキリがありません。前ばっかり見ても、後ろばっかり振り返っても。

だから、まずは自分の立場を受け入れて、でもそれにしがみつかずに進んでいくしかないのでしょう。「昔は良かった」ばっかり言ってたら今の流れに取り残されてしまうわけで、そこは前を見て歩いて行きたいし、かといって過去の流れを置き去りにしてしまって良いとも思われない。過去を「老害」扱いで殲滅するのは簡単だけど、そこにしかなかったものも、やっぱりあるんだと思う。

ちょっと抽象的というか漠然とした話になっちゃって反省。具体的なイメージはあるんですけど、書きづらいというか、もっと長くなるのでそれは別の機会にゆずることにしまして、つまるところはエロゲーが背負ってきた歴史性みたいなものを、うまく共有していければいいなぁという話です。毎度収束しないオチでごめんなさい( TДT)人。

そのためにもとりあえず、過去の名作と呼ばれているものはWindows7対応とかにするプロジェクトがあってほしいし、過去の作品一覧をデータベース化したり、本体をいつでも確認できる「バベルの図書館」(ちょっと違うか)みたいなのが欲しいなぁと思ったりするんですが、このジャンルではなかなかそういうことしづらいですよねぇ。

そういえば、明大の米沢嘉博記念図書館に行ってみたい。近いうちに機会を作ろうかな……。


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《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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