よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

タイミングの悪さ

今日の正午頃でしたか、都内はもの凄い土砂降りになりまして、丁度私は昼食に出かけたばかり。随分雲の流れが速いな……と思いつつ、近場への移動は大丈夫だろうと高をくくって外へ出ると、なんとも言いようのないくらいの雨に見舞われてびしょびしょになりました。

台風もかくやという大雨だったせいで、頭のてっぺんから足の先までびっしょびしょ。靴は水が溜まってたぷたぷになりましたし、スーツはそのまま川にでも入ったのかというくらい水浸し。「大丈夫だろ、アハハー」で外に出て酷い目に遭うというお約束のフラグパターン。

しかも、結構長い。すぐに止むかと思ったら、弱まるどころか雨足がさらに強くなってきてもはや嵐の様相。

こりゃたまらんということでコンビニに駆け込み、ぬれねずみのままメガネの水滴だけぬぐって傘を買ったのですが……買って外に出てさした途端、雨がぴたりと止んで晴れ間が覗き始めました。なんじゃそりゃーーー!!!

冗談にしてもできすぎの展開ですが、私はここまでピンポイントでなくても「タイミング悪いな」と思うことが良くあります。あれこれ迷ってお総菜買ったら、10分後からタイムセールだったり……。先日の記事に書いた、スーツ買ったらもっと安いところがあったという話も然り。もちろん単純に運の悪さもあるのでしょうが、反省するとそれだけではないなと思う。

たとえば私は事前のリサーチがあんまり好きではありません。必要に迫られれば仕方なくやりますが、根本的にはずぼら。だから、スーツの安売りのこととか、今回であれば天気予報を見ておけば傘を持って出られたこととか、そういう「ミス」をよくやります。また、基本的に決断が鈍い。今回も雨が降ってきた時点で早々に傘を買えば濡れなかったでしょう。また、さっさとどこかに駆け込んで雨宿りするという手もありました。普通に考えてあの規模の豪雨が降り続くとは考えづらいし、西の空は晴れていたのでその選択肢は思い浮かべられたハズ。

そういういい加減な性格ゆえに、あることに対する対処がいちいち姑息(場当たり的、という本来の意味で)なものになりがちなのです。たぶん。

備えあれば憂いなしではありませんが、タイミングの悪さをあまりにも連続で実感することが多い時というのは、たいていなにか自分に落ち度があるので、それに気を付ければ多少、マシになるかもしれません。

というわけで本日は防災の心構えの話でした(違)。

このエントリーをはてなブックマークに追加   

言い方ひとつの難しさ

今日、私の近辺でひと騒動ありましたのでその話。さすがにそのまま書くと万が一の素性バレがあるから少々ぼかして書きますが、だいたい次のようないきさつです。

私のいる部署のA氏がオーストラリアに行ってきたらしく、何やらお土産のお菓子をもってきた。それを配っているときに、B氏も誘った。その誘い方が無礼だ、といってB氏がキレた。どうも、「君も一緒たべますか?」のような誘い方をしたらしい。B氏のこたえて曰く、「そんな嫌々誘って頂かなくて結構です」と。そんなアホな。

今回の件はさすがにB氏が短気すぎたし、またそれゆえ、ほとんど回避不可能なトラブルだったとは思います。誰もそんなところに地雷埋まってると思いません。A氏とB氏どちらの肩を持つかと言われたら、A氏です。

しかしB氏の主張を聞いて、まあなるほどそういうこともあるかもしれないと納得するところもありました。私がA氏の肩を持つのはあくまでB氏がキレたからであって、B氏の言い分に全く理がないとも思われない。後でA氏と話をしたとき、A氏も「うん、まあ僕にもちょっと至らないところがあったねえ」と言っておられた。

「~しますか?」という訊ね方は確かに、(自分はどっちでも良いけど)君がやるなら勝手にしても良いよ、という相手の判断だけを訊いているようにもとれます。相手のアクションを待って、自分は受け容れるだけという態度。偉そうと言われればそう見る人がいてもおかしくはない……かもしれない。今回の件で言えば、「食べますか?」というのは別に食べて欲しくもないけど食べるならどうぞ、のように聞こえたということでしょう。

一方「~しませんか?」なら、これはただしく勧誘です。そして「~してくれませんか?」なら、お願いになる。

あ、結果的には幸い周囲のとりなしもあってB氏は矛を収め、この一件は収束しました。ただ、言い方一つで随分と印象というのはかわるものだと痛感するできごとで、妙に心に残った。言葉に敏感な人や、必要以上に神経が敏感になっている人というのは、ひとことにこだわるものだから気をつけなければならないな、とも思います。

少し話はずれるのですが、他人に対して、その人のミスや短所を指摘するときというのは、「言い回し」にもの凄く気を遣います。私はどちらかというと八方美人、全方位謝罪外交でとにかく角が立たないようにしたいタイプなのであまりそういうこと(他人の短所の指摘など)をしないのですが、それでも本当に仲の良い相手には言うことがあるし、また仕事柄どうしても言わなければならない時もある。

そして私は、割と口数が多い――というか、余計なこと言いです。

放っておくとあれこれいらないことを口走り、それが聞く側にとっては不快に感じることもある。たとえば、「いや、君もわかってるかもしれないんだけど、これおかしいよね」と言うと、私としては「わざとやっている」可能性を考慮して気を遣ったつもりが、聞く側にしたらもったいをつけたり、あるいは「こんなの間違えるなんてわざとじゃなきゃよっぽどのバカだよね」と嘲っているように聞こえることもあるようで。なるほど、自分が言われるとそう思うかも知れません。

もちろん対面なら口調や態度、目線なんかもあるから一概に誤解されやすいとは言わないけれど、文字媒体になるとそのあたりの「空気感」の伝達率は急激に落ちる。そのせいで、いらぬ誤解を招いたりもします。しかも内容が、その相手にとって耳の痛い内容なら尚更でしょう。

たとえば、ツイッターをやっていると時々お友達からスパムメールが送られてきたりします。そういう時、何と言って伝えるか。こういうのでも、言い方一つで気まずくなったり、下手をすれば喧嘩になったりということもありえます。

それなら、そんな苦労をして諫言などしなければ良いじゃないかと言われるかも知れません。それはまあその通りなのですが、自分にひきつけて考えてみると、諫言というのはあってほしいとも思うんですよね。

もちろん、諫言は耳が痛いものです。でも、それ以上にありがたいことのほうが多い。たとえば上に述べた私のしゃべり方の「短所」というのは、長年の友人から指摘された内容。自分では漠然と思っていても目を背けていたり、はっきりと気付くことができなかっただろうことを、誰かに言われて自覚するというのはよくあります。スパムにしても、もし誰からも教えて貰えなかったら、自分がウィルスにやられたことを自覚せずに過ごしてしまうかもしれません。

そのようなことを思うと、諫言のありがたみも解るのではないでしょうか。どうでもいい人間関係ならともかく、もし誠実に相手と付き合おうと思うなら、ある程度率直に指摘する必要がある。相手をなぶったり叩いて自分が気持ちよくなるのではなくて、自分もできれば言いたくないようなことを、それでもあえて言ってくれる。そういう友達は得難いし、また自分もそうなれたら良いなと思う。

私に諫言してくれた友人の話をすれば、彼は他の人にもなかなか手厳しい――けれど的確な指摘をしては、ウザがられています(笑)。ただ、私は彼を凄く良い奴だと思う。なぜなら、彼はウザがられているのを承知で、自分が思う欠点を伝えてくれるから。それも、感情的な話ではなく、理路整然と(それがまた、言われる側からすれば腹立たしいのだろうけれど)。

私も彼に何とか「お返し」(二重の意味で)をしたいと思い、彼の言い方がキツイ、ということを指摘したことがあります。実際彼も気にしていたようで、「じゃあどういう言い方をすれば良いだろう」と二人して話し合い。その時は結論がでなかったのですが、最近になってなんとなく判ってきた気もします。

1.自分の事情は極力言わない。
まず、自分の話はしない。たとえば、「私は煙草嫌いなので、ここでは吸わないでください」というのは、ケンカを売っているようなもの。「私」のところに一般的な「人」を代入しても通用する場合にのみ、「私」は具体例として使う意味が出ます。

2.指摘を受け容れることのメリットか、受け容れないことのデメリットを言う
その指摘が相手にとってどんな意味を持つのかを明らかにする。おしつけがましいですが、そもそも忠告やら諫言やらする時点でおしつけなので、そこは諦めるしかないですね。逆に説明できるなら、相手にとってはどうでもよさそうな指摘は破棄できるので、いらぬ火種を回避できるかもしれません。

3.指摘することで自分が上位に立ったなどと思わない
これは心構えの問題。やっぱ態度にも出ます。相手にそう受け取られるのはある程度仕方ないにしても、自分はそういうつもりはない、と極力配慮していれば、相手にも伝わることが多いです。卑屈に言う必要は無いけれど、必要以上に挑戦的・高圧的に言う必要も無いよねということ。

4.逃げ道を残す
諫言というのは当然、素直に聞き入れ難い雰囲気になることが多いわけで、それを踏まえた上で「そんなの絶対におかしいよ」のように相手を全否定するともめやすい。「こういう考えがあって、こっちのほうが良いことが多い」くらいに止めておくのが無難です。

だいたい上の4点のうち、2つくらいをクリアーしていればそれほど大きな問題は起きない……と思います。経験上。それくらい心を砕いて、またエネルギーと勇気を振り絞って指摘しても、ただケンカを売っているようにしか受け取って貰えなかったのなら、それはその相手と縁がなかったのだと諦めるしかないとも言えます。自分なりの誠意を、誠意と受け取ってくれない相手というのは馬が合わないということですしね。

まあ何にしても、言い方一つで人間関係が円滑に機能するならそれにこしたことはありません。私としてはその辺で上手く感情と理性をコントロールしながらコミュニケーションをとって行ければな、と。

まとめになるかわかりませんが、自己主張とセットになっていない忠告・諫言をしてくれる友達というのは、本当に貴重。もし周りにそう言う人がいたら大事にするのが良いと思います。的確に人の特性や長所短所を見抜き、しかも「余計なお世話」を焼いてくれる友人ほど得難い宝物は無いのですから。

というわけでいつも通り変なところに着地しておしまい。また明日、お会いしましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加   

エロゲーに関する情報をいくつか

1.発売日とタイトル変更がかかっていた『NEWデブプラス』の話
タイトルと発売日が決定したようです。詳しい情報は、わるきゅ~れOHPを参照ください。といっても、インフォメーション・新着情報ともにいつ撤去されるかわからないので、例の如く引用しておきます。
2012.10.18

※商品名称変更のお知らせ※
新作『NEWデブプラス』 ⇒ 『もっと!デブトピア』へ名称変更いたしました。
旧作『デブプラス』 ⇒ 『デブトピア』へ名称変更いたしました。
上記に伴いまして、発売日延期および商品名称変更のお詫びを更新いたしました。
とのこと。

新作『もっと!デブトピア』の発売日は、平成24年10月26日から平成24年11月30日へと変更に。正直、タイトルひねってきたなぁと感心しきり。しかし、旧作のほうもタイトル変更がかかるとは……。これはやっぱり何かあったんだろうかと邪推したくなりますね。

2.「菅野ひろゆき メモリアル(永久保存版)」発売の話
先日他界された菅野ひろゆき氏の追悼企画が進行しているようです。


うーん。アーベルブランドの作品10本ということは、エルフやC'z Wareで出された数々の名作のほうは入らないってことですよね。むしろ今となってはプレイ環境的が整いづらいそちらの作品のほうが、リニューアルの需要がありそうなのですが……。

追悼本の内容にもよりますが、アーベルブランドの作品だけなら、無理して買わなくても良いかなぁというのが正直なところ。『MQ』の完成版でも入るっていうならまた話は変わるけど……。それにしても、最も評価を受けた作品や代表作が含まれない全集未満のものを「メモリアル」と呼ぶのは少々残念。故人を偲ぶならもう少し別のやりようがある気がするのは私だけでしょうか。

ちなみに「価格は2,7000円(税別)」ってなってますけど、コンマの場所がおかしい……。2700円ってことは無いでしょうから、27000円ですよね、たぶん。

3.Jellyfishさんから新作の話
ジェリーフィッシュさんの公式ブログにて、『SISTERS~夏の最後の日~Ultra Edition(仮)』の開発情報が掲載されています。「1CUT絵コンテ7枚もあるシーンの追加等2013年1/25発売にむけて頑張っておりますので宜しくお願い致します!」とのこと。

初回特典は原画集。追加要素は主にアニメーションになるそうです。

う、うーん。アニメーション追加かあ。ぶっちゃけあの酷くプレイしづらいシステムを何とかしてくれれば、それだけでも評価が上がりそうな気はしますが……。ストーリーも単純に事実関係が解りにくいのと、キャラの感情があまりに唐突に出てくるせいでおいてけぼりになるだけで、もうちょっと肉づけすれば悪く無さそうだったし、そっちのほうもブラッシュアップしてもらえないかな。フルプライス価格だと厳しいけど、5800円とかなら買っちゃうかも。

JellyfishさんはBugBug誌と相当仲が良いみたいでがっちり提携してますから、これからガンガン宣伝を見ることになるんでしょうけど、どこまで盛り上がるか。まあ、まずはホントに2013年に発売されるのか。それが一番の注目ポイントかもしれません。

4.『大図書館の羊飼い』サブヒロインの話
雑誌情報で色々出てきたオーガストさん新作『大図書館』。サブヒロインで放置プレイかと目されていた生徒会長・望月真帆嬢とのHシーンがあることが判明したようです。おお、なるほどHシーン画像が掲載されてる。主人公の妄想とか夢オチでなければ堅そうです。ボリュームがどの程度あるかは別として。

どのキャラがどれだよ、という人はOHPのキャラクター相関図をご覧下さい。

あとは、芹沢さんと嬉野さんですか。期待しちゃいますね。というか、これだけひっぱって何もなしってことはさすがにないよな!? まあ残り3ヶ月、楽しみに待つことにいたします。

というわけで、今回は最近話題になったエロゲーの話から特に気になるものだだけ拾って簡単なコメントと紹介を。メジャーな話ばっかりだったし鮮度は低いのでこういうのはあんまり役に立たないかも知れませんね。

ともあれ、この辺で。また明日。

このエントリーをはてなブックマークに追加   

AV業界のフットワーク

今月はキャララに参加出来なかった……。「あえて無視」の予約券持っていたのに、残念です。というわけで、全然別の話題。

b2878af8.jpg


まだ発売されてもいないのに各所で話題沸騰の怪作DVD、『カタークナイト ライジング』。勘違いされてはいけないので大きな声で念を押しておきますが、AVです

エロゲーの場合はネーミングセンスがどうのこうのという話になりましたが、この手の洋モノAV業界はまたちょっと毛色が違っていて、いかに素早く、下品になりきらない程度に下ネタで、しょうもなく、それでいて思わず「うめえ」と思ってしまうようなタイトルをつけるかに心血を注いでいる感がある。

『床ジョーズ』とか『アーンイヤーンマン』とか、もう思い出すだけで噴飯レベルなんですけど、これも良いですね。話題作を遠慮会釈なくかっぱらっていく大胆さ。「前戯が終わる。そして挿入へ…」とか、キャッチコピーもうまい。脱帽です。たぶん観ませんけど。

ここまでくるとやっぱりもう、完成された様式美という感じがする。方向性は違えど、こういうスタイリッシュなエロゲーがあっても楽しいだろうな。

購入を検討したい方の為に、一応amazon先生へのリンクを貼っておきます。

それでは、また明日。

このエントリーをはてなブックマークに追加   

レビュー:『辻堂さんの純愛ロード』

01b47aee.jpg

タイトル:『辻堂さんの純愛ロード』(みなとカーニバル/2012年9月28日)
原画:みこしまつり
シナリオ:さかき傘
公式:『辻堂さんの純愛ロード』 OHP
定価:6800円
評価:B(A~E)

関連: 批評空間投稿レビュー (ネタバレ有り) ※外部リンク

※具体的な長文感想・内容紹介は、批評空間さまにて投稿しております。



▼評価について
ミドルプライス(6800円)とは思えないボリュームに、豪華なスタッフ。かといって手抜きがあるわけでもなく、もの凄くコストパフォーマンスに優れた作品でした。新ブランドの自己紹介を兼ねたデビュー作としては大成功だと思います。正直Aつけても良かったかなと思わないではないくらい楽しめましたが、細かい部分を見ていくとどうしても物足りなさが残るのでBに。

素晴らしいところをあげれば、まず声。私は声では滅多に評価を上下させない(こだわりがあるからではなくて、逆)のですが、余り声に関心のない私ですら、CVでキャラの魅力が跳ね上がっていることを実感しました。『つよきす』のように中の人ネタを多用されると却って萎えるところ、今回は純粋にうまさというか、素材にあった調理を選んでいる感じ。あとは、テンポの良いギャグ。魅力的なキャラとテキストで引っ張っていく感じで飽きないという意味で良質なエンターテインメントでした。ただ、厳しい言い方をすればそこどまり。楽しみは一過性で、何度も思い返して味わいたくなるようなところがない。それが最終評価の決め手でした。

でも、決して悪くないというかとても丁寧で良い作品なことは間違いないです。買うつもり全くなかったのに評判に後押しされてプレイして、正解だったと素直に思える内容でした。

▼雑感
この作品の楽しいところというのはなんだかんだでギャグパートだろうとは思うので、スカッと笑って、ちょっといい話にほろりとなって終われば万事オーライという気もします。ただ、巷で騒がれていた「主人公クズ」説。これについてはちょっと思うところもあったりします。

周囲の評判を見ていると、主人公の長谷大くんは少し、いや、かなり評判が悪いんですね。曰く優柔不断、曰く芯が通っていない、曰く浮気性。要するに、立派な(?)クズ主人公として認知されつつある。この主人公をクズと感じるか否かは人それぞれだとしても、事実として多くの人が素直には納得しがたい行動や思考を見せたことは認めざるを得ません。

にもかかわらず、不思議なことに、作品そのものの評判はそれほど悪くないという。むしろ平均的なエロゲーよりも面白かったという声を多く聞くぐらいじゃないでしょうか。

普通、主人公の評判が悪い作品というのはそれだけで作品が貶されることも少なくありません。ま、まあ『君が望む永遠』のように、主人公の悪評と作品の評判が正比例する場合も希にありますけど、それは概ね、三角関係など作品のテーマと主人公のクズっぷりが不可分な関係にあるからで、本作のようなタイプとは少々事情が異なる。

問題は、大がクズであると思われているのに、作品自体は許容されているというこの奇妙なねじれがどこから来ているのかというところです。思うに、作品内部の論理とそれを外側から見るユーザーの立場との間のズレが原因なのかな、と。

もし大の行動が作中においても単なるクズの所業として位置づけられているならば、辻堂さんたちはクズに騙される可哀想なヒロインか、さもなければそんなクズを全力で愛する健気なヒロインということになります。けれど、この物語はそんな風にヒロインを嘲笑したり、あるいは憐れんだりする話だったようには、私には思われません。つまり、少なくとも作品の中の論理では、大というキャラクターがクズとして扱われてはいない可能性は残されているわけです。

ならば問題は、大というキャラクターが作中でどのような存在なのかというところに逢着する。

この場合可能性は何通りかあって、もしかすると、「本当は描きたかった主人公像」と「実際描けている大」が全然ずれているのかもしれない。その場合、この作品は狙った的にあて損ねた失敗作ということで良いでしょう。しかし、大という主人公がある一貫したキャラクターとして成立しているのだとすれば、まずはそれを拾い出す必要というのがやはりあります。

たとえば赤穂浪士の討ち入りの話。あの物語を「外の視点」で見れば、報復で人殺しをするなど言語道断、大石内蔵助はじめ四十七士は総じてクズの集団です、という批判も一応は可能です。でも多くの「忠臣蔵」では、仇討ちという行為に法解釈的な断罪を加えたいのではなく、浪士たちの内部の論理として忠義や人情を描こうとしている。そのことを踏まえずに、彼らをクズと断罪するのは少々厳しすぎる。

同じことが、『辻堂さん』にも言えると思います。傍目にはクズと見えかねない言動を繰り返していても、大くんはこの作品の中ではモテモテであり、また辻堂さんの「純愛」の中心を担う人物です。たとえば何故ヒロインたちは大に惚れるのか。クズだと思われている大の行動というのは、ヒロインが好きな大の性質と無関係なのか。そのことを考えずにこの作品について結論を出すのは、いささか早急に過ぎるかなあ、と私なんかは思うんですけど。

それで、今回批評空間さんに投稿したレビューでは、大くん絡みで通してみました。ひとことでまとめるなら、「みんながクズっていうのわからないでもないけど、どうしょうもないのでは」ということ。それは、安楽椅子探偵に「もっと現場行け」と言うのと変わらない内容のツッコミになっているかもしれないぞ、と。

いずれにしても、まずは作品の構造明らかにして内容を読み取るところからスタートかなとは思います。各自の印象はそれからでも遅くありませんので。例の如くその試みが成功しているか否かは、読者の方の判断に委ねることになりますが。

まあただ主人公クズ説にも見るべき所はあって、それはさっきちょっと書いたように、「こんなクズな相手にでも尽くす辻堂さんの態度こそが真の純愛である」というメッセージを発しているのだとすれば、この作中で大くんがクズ扱いされていてもおかしくないのかもしれません。「辻堂さん」の「純愛」とは、惚れ込んだらどんな相手にでもとことん愛を注ぐ健気さなのだ、と。

……そんな話にするならもうちょっとやりようはあったと思う(大を一般人代表のように描く必要はまるでなくて、とびっきりの社会不適合者で良かった)ので、ちょっと乗りづらいのですが、可能性としてはありえるかもしれません。

批評空間さんのレビューで、「ライターの人はどういう意図でこんなクズを主人公にしたのか」というような感想を書いているかたがおられました。答えは(1)クズにすることに意味があった。(2)クズを描いているつもりはない。の、2パターンしかありません。そしてこの感想を書いた方はおそらく、(2)で、ライターの表現力や考えが足りないと非難したいのでしょう。

しかし、じゃあライターさんはそのような造型にすることで何が描きたかったのでしょう。もし「失敗」なのだとすれば、もともとの狙いは何だったのかを明らかにしなければいけません。あるいは、その「クズ」さによってクズとは別のことが描けてはいないのでしょうか。自分がその可能性を見落としているだけかもしれない。そう思って読むのが、ある意味で作品に対する優しさという気もします。

主人公クズ説をとるなというのではありません。とるならとるで、他の可能性も浚ったうえで、その読みの妥当性を主張する必要があるのではないかな、ということでした。

作品に対して「主人公はクズ」というような評価を下すとき、自分の物差しが作品の中のものなのか外のものなのかということには注意をはらって、なぜその物差しが必要なのかを考えながら使っていきたいですね。でないと道具に振り回されて、作品の本質を見失ってしまうことになりかねない。私も上手くできているかはわかりませんが、それでも短絡的に「大はクズ」と言ってしまうのはちょっと憚られる内容の作品だったのではないかと思うのですが、どんなものでしょうか。

あと、FDがあればの話。

あずにゃん攻略させてください(涙)

いやもうホントマジでたのんます……。OHPのキャラ紹介の内容がちょっとちぐはぐだったので(巧妙に「おかしさ」を演出していたと思います)コイツ何かあるな、とは思っていたのですが、こんな美味しいキャラだとは。くやしい(ビクンビクン)。「あーずにゃんって呼んでくれて良いッスよ」で脳みそとろけます。何だろうこの感覚。

……ちょっと関係ないラインで長話になってしまいました。そろそろ撤退します。それでは、また明日。

このエントリーをはてなブックマークに追加   
《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
 ▼OYOYOの新着レビュー

ご意見、ご感想があればメールフォームからお寄せ下さい。面白かったよ! という時は、彼女に拍手してくれると喜びます。


記事検索
応援バナー(1)
シルキーズプラス A5和牛 『バタフライシーカー』

あけいろ怪奇譚
バナー(3)
『その花が咲いたら、また僕は君に出逢う』を応援しています!
発売中応援作品
メールフォーム
Twitter
応援バナー(2)
『その花が咲いたら、また僕は君に出逢う』を応援しています!




情熱FX大陸