よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2011年月別エロゲー個人ランクPART3 (9月~12月)

最終回です。

▼9月
【ランキング】
1位:VenusBlood ABYSS 2位:神咒神威神楽 3位:未来ノスタルジア
【短評】
『恋騎士』、『シュクレ』、『SuGirly Wish』などの強豪を抑えてのトップ3は上。どれもハイレベルでしたが、ゲーム性とストーリー性を備えた『VBA』をトップにしました。燃え系の完成度としては『神咒』が相当なレベルに達していますが、『Dies irae』のほぼ続編であることを除けば、避ける要素は少ないでしょうか。『みらのす』は、拳銃もった巫女さんとツインテールを楽しむ作品。萌えよりは読ませる系で、『明日の君に逢うために』以来のPurpleのスマッシュヒット。ただ、双子の不遇っぷりが泣けるというか、もうちょっと全体で各ヒロインに役割を持たせて、物語を有機的に繋げられれば、全体が引き締まったように思います。

凌辱枠では、カガミ氏からの原画交替で内容が懸念されていた『対魔忍ユキカゼ』が抜群のクオリティ。トップ3が強すぎたので今回は圏外ですが、他の月だったら食い込んでもおかしくないレベルでした。他はアイルの人気シリーズ『脅迫3』くらいでしょうか。『獣魔戦姫エクセリア』は雰囲気があったものの、物語もボリュームも今一歩大人しく終わった感じ。アイドルと家族の絆を描いた『D-EVE in you』など、他にも面白い作品がありましたが、どれも上記3本には及ばず。カントク氏を原画に起用した、話題の『your diary』は、「ほんとうの気持ち」を軽く扱いすぎた感じがあり、個人的にはNG。キャラクターが心情を全部セリフで説明しちゃうタイプは少々苦手です。

噂のトンデモゲー、『プリンセスX』がこの月発売ですが、幸か不幸か購入していません。各所で取りあげられた噂を聞くに恐るべき内容のようですが、余程のことが無い限り、私と接点を持つことは無いでしょう。

◎ピックアップ
『VenusBlood ABYSS』(公式) Dualtail/2011年9月30日
毎回システムを斬新に変更する『VenusBlood』シリーズですが、今回は『巣作りドラゴン』を思わせる迷宮構築SLG。迷宮に罠を張り巡らせて進軍してくる勇者や敵の魔族を捉え、調教していくというもの。罠の配置を考えたり、自軍のモンスターをブリーディングする育成要素が非常に楽しめた。調教モードと迷宮に建設する施設の関連が薄かったり、周回要素がやや希薄だったりと、やや詰め切れていない感じは受けるものの、ワンプレイで十分長く楽しめます。

また、ストーリーは『VenusBlood』シリーズ伝統の、価値転覆もの。魔王軍・魔族として迫害されている主人公たちのほうが、実は「まとも」な連中で、正義を振りかざしている方が本当は恐ろしいというのをアピールしています。こちらはいつもより捻りが無かったかもしれませんが、この手の物語が好きであれば問題ないでしょう。鬼畜凌辱に突っ走るルートもきちんとあります。ヒロインもよりどりみどり、シチュエーションがちょっと少ない気もしますが、全体で見れば十分すぎるくらい。総じて良くできた作品でした。

批評空間様に感想投稿済。興味があればご覧ください。→リンク



▼10月
【ランキング】
1位:ワルキューレロマンツェ 2位:恋愛0キロメートル 3位:プリーズ・レ○プ・ミー!
【短評】
私事ですがこの月からリアル生活が超絶忙しくなり、お金の都合もあって購入数が減り始めました。この他には『神聖にして侵すべからず』と『デイドリーム・ビリーバー』しか買っていません。どちらもそれなりに良かったです。低価格ゲーも総回避。いまリストを見ていたらやりたいの出てきたから、そのうち買っているかもしれません(笑)。『翠の海』や『せきさば!』など話題の作品をプレイせずのランクなのでちょっと自分では納得いっていないのですが、廉価版が出るのを気長に待つなりしたいと思います(せきさばはきつそうか……)。

『恋0』と『ワルロマ』は順番逆だろ、という人も多いでしょうか。好みの問題だと思いますが、明るくコミカルなほうが好きなら『恋0』、スポーツものの王道っぽい話が好きなら『ワルロマ』で。『恋0』は美咲の当て馬っぷりに涙。氷室屋は良いキャラだけに、(主に大人の事情で)FD等のルート追加も無さそうなのが残念ですね。『レ○プ・ミー!』は、過去にこのブログで記事作ったのでカットします。

◎ピックアップ
『ワルキューレロマンツェ[少女騎士物語]』(公式) Recotta/2011年10月28日
こもりけい氏の美しいグラフィックが冴える、学園ラブストーリー。発売日の延期に次ぐ延期でいささか待たされすぎた感じもありますが、期待を裏切らない仕上がりのものを受け取ることができました。割とハードなHシーンに、お漏らし搭載は相変わらず。今回は「戦う女の子」がメインでしたが、プリンセスの時同様かそれ以上の羞恥心を演出して、肌色シーンの破壊力が上がっていたように思います。

基本的に陰惨な展開にはならないし、良くも悪くも少年誌の王道スポーツものという感じ。そう言い切るには成長の過程が省かれているかもしれませんが、ヒロインと仲良くなるステップがその分描かれていると考えれば等価交換で良いのではないでしょうか。

批評空間様に感想投稿済。興味があればご覧ください。→リンク


▼11月
【ランキング】
1位:無限煉姦 2位:テンタクルロード 3位:Strawberry Nauts
【短評】
他プレイ作品が『ポコ・ア・ポコ』、『彼女高天』のみ。アタリをひきまくった月です。実は、買った本数が少なかったため、全作品のレビューを投稿しました。手抜きになりますが、そちらでやっちゃいましたということで省略いたします。

見送ったメジャータイトルも多く、『お天気雨』と『真・NOZOKI魔2』、『ましろサマー』、『LEGEND SEVEN』あたりはいずれ買いたいです。……無理だろうなあ。『プリズムセイバー』をやたら友人が薦めてくるのですが、どうなんでしょう。


◎ピックアップ
『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』(公式) Liquid/2011年11月25日
これについてはブログで以前書きましたので、やっぱり省略。良い作品だったと思います。『euphoria』と同様のテーマを扱いつつ、仕上がりはだいぶマイルドな味わいに。愛しさと切なさが交錯する、美しい物語。

考えるまでもなく、こちらのほうが『euphoria』より数段門戸が広いでしょう。ただ、ブランドイメージがネックになった感じもします。逆で出せば良かったんじゃないでしょうか。クロックアップから『無限』。リキッドから『euphoria』。これなら、誰もが納得だったような気がします。

詳細な内容紹介とレビューについては、興味がございましたら右記リンク先の記事をご覧ください。→リンク


▼12月
【ランキング】
1位:WHITE ALBUM2 2位:美少女万華鏡 3位:めばえ
【短評】
12月は個人的に楽しみにしていたライアーの『大機関』があったのですが、リメイクということで考察外。非常に満足できる内容でしたとだけ。『コロナ』、『フリフレ2』、『制服天使』、『聖麗奴学園』、『妹選抜』あたりを買いましたが、この三本には及ばず。特にコロナは初期不具合に低い自由度と、ちょっと前作比較で残念な感じがしました。

『フリフレ2』はパワーダウン。前作が神がかっていただけかもしれませんが、設定の甘さが目に付きます。実習先の教え子が制服着てたのに、どの学校か気づかないとかどれだけボケているのか。

他の話題作としては、『七つのふしぎ』や『真夏の夜の雪』、『天下御免』、『HOTEL』あたりでしょうか。前者二つは高評価をよく聞くので、いずれは……ってこればっかりですね。でも積むだけだと勿体ないし、お金と時間の目処がついたらということで。究極のNTRと話題の『ガテン系』も手を出したいのですが、明らかに買い時を逃した感。ツイッターとかでわいわい言いながらやるのが楽しそうだったなあと後悔。

なんだかんだで年末年始と年度末はエロゲーに使えるお金がガクンと減るのが悩みどころ。そろそろマシンも新調したいのですが……。そに子がまともに動かないとか、哀しすぎます。

◎ピックアップ
『WHITE ALBUM2 ~closing chapter~』(公式)Leaf/2011年12月22日
本作についても散々書きましたので、以下略ということで。月が下るについていい加減になったと思われそうですが、後期からは投稿を始めたということもあるのです。そのあたりはご理解頂けると嬉しいです。

ともあれ、全体的によくできた話。テキストもしっかりしているし、「IC」とあわせればボリュームも相当。音楽・CGのレベルも高いです。もっとも前編とあわせないといけないのがネックといえばネックなのですが。時間がある人にはお薦めできるものの、そうでない人にはちと厳しい。もちろん、それでもやるに相応しい価値はあると思います。

例の如く内容等について興味があれば右記リンク先の記事をご覧ください。→リンク


これで一応一年通して終わったかなー。やれやれ。お付き合い、ありがとうございました。次は年間通して総評みたいなことを書こうかと思っています。誰かの参考にというよりは、自分の好みとかがどういうものか、振り返ってみる機会になりつつあるかもしれません。日記だと考えれば、それも良し。

ただ、書いてる時間使えばエロゲーの積みが少しは減りそうで……と、段々面倒な気もしてきました。エロゲーマーでブログとか自サイトを更新し続けている人は、本当にそれだけで尊敬。凄いなあ。

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レビュー:『WHITE ALBUM2』

WA2

タイトル:『WHITE ALBUM2』 (Leaf/2011年12月22日)
原画:なかむらたけし、桂憲一郎、柳沢まさひで/シナリオ:丸戸史明(企画屋)
公式:introductory chapterclosing chapter
批評空間投稿:済→リンク ※ネタバレ有
定価:9800円(セット版)/7800円(CC初回限定版)
評価:A+(A~E)

豊作だった2011年の、遅れてきた大本命。ただし、「人を選ぶ」という部分が強くでる作品であることも確か。その「選び方」は、よく言われているような三角関係だとか修羅場だとかでハラハラさせられるという、それだけでは無いように思われます。そもそもこの作品の見所はそこではない、ということを批評空間様に投稿した感想で書いたのですが、いまも基本的に変わっていません。

では何がネックかと言いますと、登場人物の心情や態度。それを理解し、また受け入れられるかどうかが、楽しめるか否かの分かれ目でしょうか。理解できる人が偉いとか、読解力があるとかではありません。恐らくは相当程度、単純な相性が問題を占めています。

たとえば一部では不誠実でクズだと評判の悪い主人公・春希。外側から見たら春希は優柔不断で度し難い最低の人間。作中でもそういう面があるという規定がなされているのは確か(武也や依緒の言うとおり)です。しかし、では、彼はどんなクズなのか。

元から誠実にする気の無い不誠実なのか、それとも誠実にしたいと思っても無能故にそれができない不誠実なのか。そのどちらかで、人物の読み取りは大きく変わります。そして春希は、恐らく後者。それは、雪菜とかずさが作中(ワインで酔っぱらう場面)できっちりと見抜いています。

更に言えば、もしも春希がかずさを簡単に忘れられる、あるいは雪菜を簡単に捨てることができるような人間だったら、二人はこれほどまでに春希に惚れ抜いたでしょうか。

かずさや雪菜は、かわいいとか声が良いとか乳がでかいとか、いろんな要素はありますが、何よりもそんな春希に惚れて惚れ抜いているからこそ「佳い女」なわけです。これ、仕事ができて誠実な奴に惹かれてるだけだったら、言っちゃあ悪いけど、ただの打算的な安定志向と見分けつかないですよ(笑)。

結局のところこの作品は、春希を駄目な人間として扱いながらも、ある意味でそこにこそ春希の春希らしさ・魅力を描いているわけです。そして、そんな春希を好きになってしまうヒロインたちの魅力は、単独ではなく、春希との関係の中で析出されるようになっています。そうやってじっと目をこらすと、私にはこの作品に出てくるのは、愛すべき人びとのように思われたのでした。

他の登場人物も、程度の差こそあれ概ね似たようなものでしょうか。誰もが正論を吐き、同時にエゴイスティックに誰かを傷つけ、そのことを正論で誤魔化そうとする程度には卑怯。そして本作は、そういう人間を矯正させて正しく立派な人間に「成長」させる物語ではない。むしろ、そういうところを拾おうとしちゃう作品。「もう……しょうがないなぁ」(里伽子)のキモチで受け入れてしまう。ここが、おそらく好みの最大の分かれ目です。

そもそも問題が人間としての誠実さであったなら、あんなこんがらがった話にする必要は全くありません。きっちり選んで、綺麗に振って、聖人君子になりましたおしまい、で良いはずです。そうなっていない以上、作品の解決はいわゆる誠実さには無い。社会的には許されないとしても、そこから外れていってしまう人の想いをどうにか救い出そうとしていると読む方が妥当です。その辺を許容できるかどうかで、本作への印象は大きく変わると思います。

あと、妙に自罰的でウジウジした登場人物たちもクセがありますね。卑怯なことをしていると解りつつ、決して開き直らない。後悔し、許しを請い、自分を責め続け、それでも相手を殴るのを止めない。やってしまったことをウジウジ悩むくせに、後悔すると解っている選択肢をその場の欲で選ぶことを止められない「愚者」です。考え無しというのではなくて、考えているのに正解を選ばないという類型。ドラマや映画で出てきたらハラハラするかイライラするかですが、後者に見える方には向かないかもしれません。

春希はたぶん、最後まで「誰に対しても平等」という不可能で馬鹿げた、でも本人にとってはそれこそが大まじめに「誠実」だと信じている考えに取り憑かれています。そのせいで、春希だけが「運命の相手」を選ぶことができない。けれど、物語はそんな春希にとっての「運命の相手」があらわれるわけです。では、どこに・どんな風にあらわれるのか。

このことをもう少し普遍化して言えば、人が理屈抜きで、「この人(もの)でなきゃダメだ」と思える瞬間というのはどんな風に訪れるのか。そして、もしその時が、訪れてしまったら、私たちにはどんな道が残されるのか。無粋なのを承知で本作のトータルを俯瞰すれば、そういう作品として読むことが可能だろうと思います。

でも、そういうのって結構簡単にやってくるんじゃないでしょうか。構図としてはまんま、エロゲ版『こころ』(夏目漱石)と言っても良いくらいですから、少なくとも明治からはあったと思います(笑)。もっと身近にひきつければ、テスト近いから勉強をするのが正しいのに漫画読んじゃうとか、買う必要なんて無いものを買ってしまうとか、明日仕事があるのに徹夜でゲームしてしまうとか。後半の例は単なる逃避かもしれませんけど。

いずれにせよ、理性では「抑えきれないこの想い」(とらドラ)を、まっすぐに信じたいロマンチスト御用達。だからこそ、そんな事態に対して否定的な、あるいはそこに憧れを抱かない人にはピンとこないだろうし、逆に嫌悪すら抱くかも知れません。

なんだか、相性の話ばかりになってしまいました。ただ、内容の「紹介」と私自身の「想い」は既に書いてしまったわけで、補足的な話になるのはご容赦ください。

最後に、音楽の話して終わりましょうか。

ボーカル曲の充実ぶりは過去最高。カバーが、『深愛』、『WHITE ALBUM』、『SOUND OF DESTINY』、『POWDER SNOW』、『ROUTES』、『あなたを想いたい』。オリジナルで『届かない恋』、『After All ~綴る想い~』、『Twinkle Snow』、『優しい嘘』、『愛する心』、『心はいつもあなたのそばに』、『closing』、『時の魔法』。合計14曲です。特に池田春菜さんの『あなたを想いたい』は、雪「」が「」希を想って歌う曲としては会心のネタだと思ったんですが、そういう意図はあったのかなかったのか。

「冬馬」、「雪菜」、「春希」というネーミングはやっぱり『WHITE ALBUM』用にチューニングされているんでしょう。やりすぎてあざとい感がしないでもないですが、個人的にはこういうの好きなのでアリです。

結局のところ私にとって作品との付き合いで一番楽しいのは、その作品との関わりの中で自分にしか取り出せないと思えるような想像力が働く時。本作はそういう楽しさを存分に味わわせてくれました。

ただ、それはまさに私自身のパーソナリティに深く根ざしているわけで、誰かに伝える言葉にするとなると矛盾します。あるいは、少なくともきわめて困難です。結果、長い文章を書いたり、何度も『WA2』の話を取り上げるという行動と込みでそれに近いものを伝えられたら良いなぁという形をとってしまう。そしてタチの悪いことに、伝わっても面白い保障は全くありません。完全に自己満足です。

だから、この作品をひろめたいとかそういう使命感は全然ないのですが、同じようにこの作品を好きな人と語り合いたいという希望はあります。お酒でも飲みながら、わいわい話ができたらきっと楽しいだろうな。

もう少し落ち着いたら、もっとちゃんと誰かに伝えられるような文章にしていくと思います。でも、今書いてるのが一番ナマの気分に近い気はします。

【蛇足】
感想で書いた関連作品一覧は下の通り。参考資料のつもりだったので、こちらにも転記しておきます。遺漏があれば是非教えてください。

(1) 「彼の神様、あいつの救世主」 (小説)――2010年2月(BugBug誌3月号収録)。
(2) 「雪が解け、そして雪が降るまで」(小説)――2010年3月(「IC」初回特典)。
(3) 「祭りの前~ふたりの二十四時間~」(ドラマCD)――2010年8月(公式通販)。
(4) 「祭りの後~雪菜の三十分」(小説)――「祭りの前」添付のブックレット。
(5) 「Twinkle Snow~夢想~」 (小説)――2011年2月(公式pdf公開)。
(6) 「祭りの日」(ドラマCD)――2011年12月(「CC」予約特典)。
(7) 「ピロートークCD」(ドラマCD)――2011年12月(「CC」ソフマップ予約特典)。
(8) 「歌を忘れた偶像」(小説)――2011年12月(「CC」初回特典)。
(9) 「一泊二日の凱旋」(ドラマCD)――2011年12月(コミックマーケット81。公式通販予定)。

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2011年月別エロゲー個人ランクPART2 (5月~8月)

前回記事からの続きです。

▼5月
【ランキング】
1位:カミカゼ☆エクスプローラー! 2位:Vermilion 3位:恋ではなく
【短評】
4月の影に隠れがちですが、ひそかな激戦区だった5月。期待の早狩シナリオ+トモセシュンサクの『恋ではなく』は、個人的な好感度は高いのですが、一歩及ばず。『愛しい対象の護り方』も同様。『Vermilion』は突き抜けた厨二設定ながら、突き抜け切ったことと、離別の切なさを織りこんだところを高評価。

Triangle系列の魔法少女もの『魔法の守護姫アルテミナ』、ぶっとんだ変態ゲー『へんし~ん!!』、『STARLESS』などパワフルな作品が揃っていました。システム型の作品でも、脱衣頑張った『あかときっ!!』、softhouse-seal初のRPG『変態勇者』など見所多し。ちなみに『触診病淫』は名前だけ。凌辱枠なら、『アルテミナ』か『ディバインハートマキナ』を推します。萌え系のカミカゼ、燃え系のVermilion、読ませる系の恋ではなく、ゲーム系のあかときっ……と、各ジャンルバランス良く高いクオリティの作品が揃った珍しい月でした。

◎ピックアップ
『カミカゼ☆エクスプローラー!』(公式) クロシェット/2011年5月27日
ただの萌えゲーと揶揄されようがなんのその。御敷仁氏を原画に起用し、メーカーの本気を惜しみなくつぎ込んだ内容になっていました。

ゆかり教育世代や実妹萌えの皆さんの心をがっちりホールドしつつ、いいところは全部、暴走風紀委員長アナル先輩がかっさらって行った感じがします。「校内でおま●こ出したらダメ」なんて、そりゃ生徒手帳のどこ探しても書いとらん。

通称「おっぱいEX」の名前通り、基本的におっぱいゲー。なのでひんぬー派の人には見送り要素多いかもしれません。ただ、総合的に見て穴のない出来映えで、門戸も広い。完成度で見たら他よりも頭一つ抜けていたと思います。好みのキャラが一人でもいたら、やって損しない作品。



▼6月
【ランキング】
1位:LOVELY×CATION 2位:Hyper→Highspeed→Genius 3位:euphoria
【短評】
この月も豊作。『euphoria』は良質な物語と過激な描写を盛り込んだ、非常にとんがった作品。スカくらいならフォローのしようもありましたが、ちょっととんがりすぎたでしょうか。さすがに門戸を狭めすぎました。その分、好きな人には堪らないかと。『HHG』はちょっと良くできた萌えゲーみたいな評価を受けていますが、割とちゃんとしたメッセージ性があります。ただ、ブランドイメージが先行してか、その辺拾った評価をほとんど見ません。気づいている人はいると思うのですが、私が知らないだけでしょうか。機会があれば書くつもりでいます。

他にも、ソフトハウスキャラの旅館経営SLG『雪鬼屋温泉記』、熱い熱い変身ヒーローもの『電激ストライカー』、一部の人たち大喜びだった『女装山脈』、『すきま桜とうその都会』や『なでしこドリップ』も良かった。『マブラヴCD02』は積んでます。エロ枠では『雨芳恋歌』、『真・夜勤病棟』、『ホーリー×モーリー』辺りが比較的お薦め。どれも決定打には欠けますが。『くノ一三姉妹』は、「続く」みたいな終わり方でいかにも中途半端でしたが、たぶん続きは出ないんでしょうね。あと、Keyの話題作『Rewrite』が発売されたのもこの月ですが、エロゲーではないので割愛。


◎ピックアップ
『LOVELY×CATION』(公式) 暁Works-響-/2011年6月24日
現時点(12年1月)でもまだ無料でアペンドパッチを配布という、神がかり的ユーザーサービスを続ける作品。次の制作費は大丈夫なんでしょうか、心配になってくる……。サービス精神と、遊び心と、作品への愛に満ちた、希に見る良作です。

批評空間様に感想投稿済。興味があればご覧ください。→リンク


▼7月
【ランキング】
1位:いろとりどりのセカイ 2位:オイランルージュ 3位:ブレイズハート
【短評】
悩ましい月です。僅差の2位ですが、『オイランルージュ』は凄く良い。ライアーでしか出せなかっただろうという、会心の一本でした。遊郭文化を適宜モダナイズしながら、本質をそぎ落とさずに描ききった感じ。近松心中ものとかを観たり読んだりする人には堪らないと思います。『ブレイズハート』は萌え系凌辱の救世主。原画の〆鯖氏は、以前シナリオにタッチした『斬死刃留』も良かったです。

なお、凌辱ゲーは『戦国天使ジブリール』、『姦淫特急松葉』、『姉辱』など良いのが揃っていました。他の良作は、分割商法と叩かれながらも話が面白くて買うのをやめられない『Tiny Dungeon』、リメイクの話題作『久遠の絆』、システム的な意欲作『シキガミ』、ギャグエロ枠で『えむっ娘シスターズ』。お嬢様ものとして期待していた『Princess Evangile』と『君を仰ぎ乙女は姫に』は、正直ともにお薦めできません。

◎ピックアップ
『いろとりどりのセカイ』(公式) フェイバリット/2011年7月29日
『星空のメモリア』でブレイクしたフェイバリットの新作。発売前から期待が高まっていましたが、見事それに応えたと思います。

相変わらず共通含めやたら長く、内容も複雑。正直テンポの悪さを感じます。世界を説明する情報をうまく提供できていない、要するに見せ方が下手だと思う部分も多々ありました。加点要素が強いけれど、マイナス要素も多く、辛うじてバランスをとった感は否めません。

ただ、そのあたりの不満も真紅ルートで全部帳消し。やれやれよかったよかった、と思えるから不思議。綺麗に落としきって、満足いく読後感をのこしてくれます。他の部分はきわめて完成されていて、特にグラフィックと音楽は年間トップレベルでしょう。


▼8月
【ランキング】
1位:ランス・クエスト 2位:虐襲4 3位:ぽちとご主人様
【短評】
この月はすんなり。『虐襲4』は愛憎渦巻く復讐劇+国盗りとして頑張っていました。ストーリーに力を入れた凌辱ものは嬉しい限り。『虐襲』シリーズはこれまでもそれなりでしたが、今回は戦記ものの王道っぽいフォーマットに載せたのが幸いしました。コンパクトにまとまって好印象。同じようなことをやりながら、間延びしすぎたのが『姫騎士オリヴィア』。こちらが本命だと思っていたのですが、CVサトウユキという伝家の宝刀も使いこなせず不発。

低価格帯の『だらしなくてエッチなお姉さん』は結構良かった。シチュエーションが合えばどうぞ。コメディを期待していた『ぜっちょースパイラル!!』は、全体的に中途半端で何がやりたいのかよく分からない作品でした。『ダイヤミック・デイズ』は暴君ロリことかなか会長に萌え死ぬゲーム。意外と健闘したのが、『恋愛家庭教師ルルミ』。ハートフルコメディが好きなら試しても良いかも知れません。聞くならく、『ラブライド・イヴ』が相当良いそうなのですが、残念ながら買い逃しています。

◎ピックアップ
『ランス・クエスト』(公式)アリスソフト/2011年8月26日
いかにもアリスソフトらしい、作業性をシステム的な制限でうまくコントロールし、中毒性を高める時間ドロボウゲーム。好きなキャラを育成できるというキャラゲー要素が加わって、システム面からキャラ性を脱色してしまった『大帝国』よりも、ワンランク面白さがアップしていたと思います。

ただ、『闘神都市3』の頃からでしょうか、えらく単純なシステムなのになぜか長く遊んでしまうという、いわゆる「アリスらしい」作業感は嫌われる傾向にあるようです。アリスのSLG(鬼畜王や大番長など)のインパクトが大きすぎたのかも知れません。もちろんあれは大変に面白いのですが。CV無しは賛否両論ありますが、イメージ優先なので私は賛成です。

もっとも、諸手をあげて万歳かというとそんなこともなく。確かにシステムはもうひとひねりできる余地はありました。やりこみ要素も薄く、キャラ以外に作業を昇華する場所もありません。また、ランスシリーズと銘打ったナンバリングタイトルなのに、あまり物語に進展が無かったのは残念。次に期待、というにはちょっと物足りない。


といったところで疲れたので本日はここまで。お付き合いありがとうございました。

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批判とか批評とか議論とか

書くことが無いわけではないのですが、エロゲーではない話を。

ツイッターにも書いたのですが、ネットにおける「批判」は、ほとんど非難と直結してしまっていて、生産性に欠けるきらいがあると思っています。批判そのものが目的、あるいは批判によって相手の地位なり名誉なりを貶め、自分の溜飲を下げることが目的になっていることが多い。それ自体はたとえばストレスの発散だとか、社会的正義による制裁の代行といった意味合いを含むのかもしれませんが、とくに自分にとってのプラスの価値に転じにくいという問題があります。

これはRTで回ってきたのですが、「もっともらしいことを言ってる奴なんてだいたい何かのパクりだろ」みたいな話。これは、一見すると発言者の公平性を非難しているように見えます。しかし、何かを参考にしたり、影響をうけたりせずに喋っている人のほうが稀です。そうでなくとも、全ての発言に引用もとを付ける必要などない。むしろそこは、読み手こそが、「あの話はこれに似ている」と察するべきところのように思います。

もちろんこれは、まんまパクリなどを肯定しているわけではありません。ただ、パクりがパクりで断罪される必要があるのとは別に、パクられた発言なり論述なりから自分が学ぶことができる可能性は高いはずです。

たとえば、誰かの書いた物やツイートを丸パクリして、さも自分のことのように喋る人がいたとしましょう。その人がやっていることは剽窃ですから、行為自体は糾弾されるべきです。しかし、その人の発言を見て、自分がしょっちゅう納得していたのだとしたら、自分にとってその人は、得難い情報を提供してくれる、たいへんありがたい存在だった、ということにもなります。

盗んだ金を配られたって嬉しくない、というのはその通りですから、これはあくまでも極端な例。しかし、実際問題の知的な営為としては、その人がパクったかパクってないかよりも、その発言から何が引き出せるか、ということを考える方が生産的です。

もう少し踏み込んでみましょう。自分が知っている本と同じようなことを言っている相手がいたとしたら、「おまえこの本からパクっただろう」と言うほうが良いか。それとも、「あなたの弁は、この本のこの話と似ているけれど、自分はこう解釈したし、あなたはこう解釈しているように思う。違いがあるが、どう思うか」と問うほうが良いか。個人の好みによるかもしれませんが、少なくとも私は後者が好きです。そのほうが、発展性のある話ができると思う。「おまえパクリだろ」というのは断罪して優越感を得る以外、役に立つようには思えません。

そのパクった人のためを思うなら、そこで厳しく追及して、いかにパクることにメリットが無いかを実感させる必要もあるでしょう。ただ、それは指導者の立場であって、憎まれてまでそんな損な役回りを引き受ける気にはなかなかなれない。しかも、顔の見えない相手だったら尚更。結局自分にとってプラスになるのは、断罪よりも新しい知識や知見をひろめることであり、考えるヒントを意見の交流から得ることです。ならば、折角得た機会を無駄に費やすのではなく、可能性を少しでも広げるために使いたいのが人情ではないでしょうか。

もともとそんな剽窃する奴と喋っても無駄だという立場をとるなら、断罪するコストも勿体ないのでスルーしてれば良いわけで、余計に積極的に断罪する意義は見出せないように思います。

ネットは集合知だ、クラウドだ、という話があり、さまざまな角度から批判が加えられている様子を見ると、その通りだなと思います。しかし、現状の批判そのものが目的化している様子を見ていると、まだクラウドが社会的に活かされているとは思いにくい。これをいかにして生産的な方向へと向かわせるかが、新しいメディアの課題なのかもしれません。

てな思いつきをつらつら書いてみました。

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2011年月別エロゲー個人ランク(1月~4月)

2011年のエロゲーを月間で振り返りました。ランキングは、単に「私が好きな順番」です。完全な主観。何か点数指標があってつけているわけではありませんので、ノークレームでお願いします。プレイした全ての作品を挙げているわけでもないのであんまり購入の参考にはならないかもしれませんが、ああ、この月ってこんなんだったなあ、くらいに思って頂ければ幸いです。

ちなみにこれも、以前某所に書いたものをバージョンアップしたもの。各月で一番気に入った作品については、簡単にコメントを加えました。なお、復刻版や普及版、新装版など、すでに同じものが出ている作品については選考から除外。作品名は都合によりサブタイトルを省略しています。

▼1月
【ランキング】
1位:操心術0 2位:発情エクソシスト! 3位:AQUA
【短評】
期待していた『BLOODY†RONDO』や『極道の花嫁』、『黙って私のムコになれ!』が思ったよりピンとこず、ちょっと残念でした。『孕神』と『妄想ぷろとこる』は、まあ予想通り。『Canvas4』は買ってないんですが、意外と周囲の評判は良いんですよね。

◎ピックアップ
『操心術0』(公式) STUDIO邪恋/2011年1月28日
『操心術』シリーズ最新作にして、これまでのシリーズの「はじまり」を描いた作品。MC(マインドコントロール)系の最高峰。OHPの紹介を見ると、痛々しい厨二ゲーにしか見えないかも知れませんが、中味は丁寧に作られた正統派サイコサスペンス。無敵に近い精神操作の能力を持った主人公ながら、単純に暴れ回るという捻りのない展開は断固拒否。獲物のはずの女性陣もあの手この手で立ち向かってきます。

堕ちたと思ったら実は罠だったり、はめたつもりがはめられていたり。能力の制限を活かした攻防や心理の駆け引き、絡み合う利害関係、情報の制限等によってユーザーに先を読ませません。最後は気持ちよく驚ける仕掛けもスタンバイ。

基本は凌辱ものですが、陰惨な感じはありません。EDは大団円も用意されています。もちろん、Hシーンの質も高い。内容的には「3」が一番好きですが、本作はキャラの魅力が高くて満足。Reiちゃんかわいいよ(*´Д`)。

シリーズ未経験でも楽しめますが、最低「3」をやっていると満足度が増します。これでMCにハマったという人は、てんまそ氏原画の『ミナミからの手紙』(公式)などもお薦めです。



▼2月
【ランキング】
1位:グリザイアの果実 2位:猫撫ディストーション 3位:巨乳ファンタジー外伝(※FD)
【短評】
余りにも穏当な結果。この月は『アルテミスブルー』、『With Ribbon』、『ひなたテラス』、『スイートロビンガール』、『蒼穹のソレイユ』、『ラブラブル』など実力ところが揃っていましたが、上から三つだとこうなるでしょうか。「わぁい」枠は『もっと!女装で孕ませてっ』で。

◎ピックアップ
『グリザイアの果実』(公式) フロントウイング/2011年2月25日
前翼が10周年企画で大々的にぶちあげた記念作品。2011年萌えゲーアワード金賞受賞。ボリュームもサービスも満点です。これといった欠点が無く、あとは詰め込んだ要素の分だけ加点が青天井で付いていくタイプの作品でした。

心残りは、ヤマグチノボル氏が健康だったら参加されたのではないかということ。ともあれお元気になられることを祈るばかりです。

作品の内容については私などより余程良いレビューされる方がたくさん書いておられるので、割愛。


▼3月
【ランキング】
1位:つよきす3学期 2位:ぜったい絶頂☆性器の大発明!! 3位:鬼ごっこ!
【短評】
割とすんなりトップ3決まりました。発売本数も少なかった。『カメリアノート』はゲーム性を練りきれずややハズレ。『アキバ戦隊!エンジェレイヴァー』はかなりハズレ。何か本当にそんな名前の戦隊モノやるみたいですが、大丈夫なんでしょうか。

◎ピックアップ
『つよきす3学期』(公式) CandySoft/2011年3月31日
大ヒットを記録した『つよきす』、大顰蹙を買った『つよきす2学期』と来て、さてどうなることかと思ったら見事なセンター前ヒット。ライターのさかき傘氏は、キルタイム系列でエロ小説書いておられる人。ドリマガのコラムとか結構面白いです。

元祖『つよきすのライターだったタカヒロ氏とはやや方向性が違うものの、キャラクターを大事にする明るい笑いで作品を盛り上げていました。タカヒロ氏がネタやかけあいといった「形」を使ってキャラを外側から光らせるのに対して、傘氏は個々のセリフを掘り下げて、内側から整えていった印象。

▼4月
【ランキング】
1位:神採りアルケミーマイスター 2位:穢翼のユースティア 3位:大帝国
【短評】
大作ラッシュのせいで、月末アキバが人の海。各ショップにも営業とおぼしき方がいらして、真剣に売れ行きを見てたのが印象的でした。しかし、何の面白味も無いランキングですね。「ユースティア」は「グリザイア」の逆で、これと決めたポイントのために徹底的に無駄を排除して、魅せたい部分を魅せることだけに特化した作品という印象を受けました。凄いプロ意識を感じます。『規制不可』はやや期待はずれ。『sisters』は「アニメは良かったですね」としか言えません。『デュエリストエンゲージ』、『手毬花』、『White』は良作なものの、戦う相手が悪かった。『ヴァニタスの羊』はRococoさんの遺作に。残念です。

◎ピックアップ
『神採りアルケミーマイスター』(公式)エウシュリー/2011年4月22日
「大艦巨砲主義」を唱えて大型のRPGやSLGを作り続けるエウシュリーの新作。好評だった『姫狩りダンジョンマイスター』の進化版です。プレイ時間50時間オーバーはざら。「ヤツは大切なものを盗んでいきました。我々の時間です」。

内容については、批評空間様にレビューを投稿していますので、興味があればご覧ください。→リンク



といったところで疲れたので本日はここまで。需要のほどはわかりませんが、どうせなら完成させたいので、後日、5月からもやる予定です。

それでは。


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《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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